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2017.12.25
レスリング

[レスリング]ルール改定の壁高く・・・ 天皇杯は厳しい結果に終わる

天皇杯 平成29年度全日本レスリング選手権大会

12月20日(水)~23日(土) 駒沢体育館

男子フリースタイル

79㌔級 川畑孔 (法2=樟南)1回戦敗退

86㌔級 川畑光 (社4=樟南)1回戦敗退

男子グレコローマンスタイル

87㌔級 間島 (済4=高岡商)1回戦敗退

97㌔級 中村 (ラ3=宮崎工)1回戦敗退

女子

53㌔級 堀(社1=安倍学院) 1回戦敗退

62㌔級 三輪(ラ1=安倍学院) 1回戦敗退


グラウンドを張る川畑光

最後の試合となった間島

川畑孔は力強い相手に勝利まであと一歩のところだった

 駒沢体育館にて全日本レスリング選手権(以下、天皇杯)が開催された。上位進出が期待されたが「戸惑ったところもあったと思う」と若松監督が言うように計量が試合当日になるなどのルール変更があり、厳しい結果となった。

 初日は中村が出場した。「攻めづらかった」と中々攻めることができず、反則で点を奪われてしまう。「1点あげる程度なら大丈夫」と第1ピリオドはこの1点に抑えたが、「点を取りに行く」と気持ちを切り替えた第2ピリオド。「空振りしてしまった」と1点を奪ったが、点差は開きそのまま敗戦。「いつも通りのことができなくて悔しかった」と言うように、持ち前の前に出るレスリングができなかった。

 2日目は間島と川畑孔が出場。最後の大会となった間島は「完全燃焼」を掲げたが、「相手に流れを持ってかれた」と主導権を握れず。2点奪い返すも、失点を重ねてしまい規定ポイント差で敗戦してしまった。だが「出し切れたかなと思う」と最後の大会を笑顔で終えた。一方、川畑孔は第1ピリオドでは相手をうかがう時間が長く、アクティビティタイムで1点を失ってしまう。第2ピリオドでもアクティビティタイムの計測を再びされてしまうも、2点を奪い逆転することに成功した。勝ちを確実にするために、力強い相手からの圧力に耐えながら最後に攻めたが、カウンターを食らってしまい同点に。そのまま試合は終わり、規定により敗戦。「もったいないことをしてしまった」と悔やんだ。

 3日目は3人が出場。三輪の相手は高校の先輩で、何度も戦ったことのある相手だ。しかし、序盤に失点するとその後はこう着。「自分の攻めができなかった」と、そのまま攻め手を欠き敗戦した。また、川畑光も最後の大会となったが「力及ばず」と相手の猛攻で敗戦。だが「最後の最後でこんな夢のような舞台に立てたので満足」とレスリング人生最後の試合をかみしめていた。

 全員が1回戦敗退と厳しい結果となった天皇杯。来年の計量ルール変更をにらみ、天皇杯から当日計量に変更となり選手たちに負担を強いられた。だが、ルールが本格的に採用される来年に向けては選手たちにとって大きな収穫。「勝っていけるのかなと思う」と若松監督は来年へ期待を寄せた。

 今年最後の大会となった天皇杯。この大会をもって引退となる間島、川畑光の両名に「お疲れ様」と若松監督は声をかけた。昨年より1年を通してよい結果を残せた今年。「しっかり勝てる姿を見せたい」と川畑孔が言うように、飛躍の年とするために下級生たちは来年に向けて鍛錬をつづける。


■コメント

・若松監督
(今試合で引退の二人の4年生について)二人ともしっかりチームのために頑張ってくれた。間島についてはグレコローマンを一生懸命にやって、インカレでも3位になり努力して成績を残してくれた。川畑光については、けががあり特にリーグ戦などの試合でブレーキがかかったときがあり、悔しい思いをしたと思うが、最後に全日本に出るという形で、最後まで練習して評価できると思う。お疲れ様と言いたい。(全日本を振り返って)今回の全日本から来年のルール変更ということで、計量が当日になり階級も変わるなどして新しいシステムなり、選手も戸惑ったところもあったと思う。今回出たメンバーは経験をしっかり生かせる大会になったと思うので、減量の仕方などを周知させて、試合に臨めることで試合に勝っていけるのかなと思う。(今後の意気込みを)今年は昨年よりはいい形で成績を残せたと思う。来年は明治戦を勝てれば8位以内が決まるので、そこを目標に選手の強化と、3月半ばくらいに新入生も入ってくるのでそこからまたいい選手をつくっていければと思う。チームづくりという点では来年の4年生が3年生をしっかり面倒を見ながら強化していきたい。

・中村
今日のは悔しいですね。やりたいことが出来ず、押し負けてて前にも出れなかった。いつも通りのことができなくて悔しかったです。前半は攻めづらくて、点を与えてしまったがグラウンドではよかったので、「1点あげる程度なら大丈夫」と思いながら挑みました。前半取られたので後半は自分から点を取りに行くつもりで頑張ったが空回りしてしまった。それで投げを食らってしまい、相手が守りに入って攻めきれなかった。点を取るために投げるしかないと思っていたが、焦って崩しが上手くいかずに相手に見切られて空振りしてしまった。(11月の東日本レスリング選手権で)優勝して、自信があって練習してきた。ただ後半は減量でバテてしまって、(体調が)戻らなかった。天皇杯を迎えても、どうしても気持ちが乗らない所があり気持ち的にやりづらかった。来年は自分に足りない所を理解して、伸ばして今年以上の成績を残していきたい。

・川畑孔
最後のところで処理を失敗してしまって点を取られたのが悔しかった。相手の力が強くて少し弱気になってしまったところがあった。(勝ち越した後に)スタミナがきつくなっていて、相手の圧力もすごかったので守っていたらいけるなと思って、最後点を取りに行ったらカウンターで失点してしまってもったいないことをしてしまったと思います。情けないです。しっかり体作りからやって普段の練習に取り組みたい。(今年1年を振り返って)全日本大会はよくなかったが、学生大会では成績が上がってきたので、全日本大会でも成績を残せるように、基礎からしっかりとやっていきたい。来年は学生タイトルを取って、全日本大会で表彰台に上りたい。新しい後輩も入ってくるので、しっかり勝てる姿を見せて東洋大でも勝てることを見せたい。

・間島
最後だったので完全燃焼で燃え尽きようとして、結果負けてしまったが出し切れたかなと思う。最初は2点取られて相手に流れを持ってかれた。流れを取り戻したいなと考えながら展開を組んでいった。2点取り返していけるかなと思ったが、相手に追加ポイント取られてまた流れを持っていかれてしまった。攻めが甘かったと思う。環境にも恵まれて、大学生活で天皇杯の舞台に来れてよかった。結果もぼちぼち残せてよかったと思う。一番の思い出は東日本で優勝できて、全国大会で表彰台乗れたことです。強い後輩が何人かいるので、東洋大が強くなるように応援していきたい。

・川畑光

(この試合を振り返って)やっぱりこんなものだな、と。力及ばずという感じ。(今回の相手と対戦経験のある弟孔明と何か話しをしたか)「前と比べて力が強くなってるよ」と言われたので、そこを注意しながらやろうと思っていたがやっぱり捩じ伏せられてしまった。(セコンドや応援に来てくれた同期について)最後だったのでうれしかった。(大学生活最後の試合となったが)高校からずっと86㌔でやってきて、最後の最後でこんな夢のような舞台に立てたので満足かな、と思う。ここまでやってこれぐらいしかできなかったので、心置きなく引退できる。(今後の進路は)実家に帰って農業を継ぐことになったので、それをやりながら地元のちびっこたちと一緒にレスリングをやっていこうかなと思っている。

・三輪
相手が高校の先輩で何回も対戦しているが、まだ一度も勝ったことがなかった。大学生になって差は縮んだが、相手との距離があり自分の攻めが出来なかったのが敗因。(今年一年)自分らしいレスリングが出来た試合が1つもなくて、ダメダメな一年だった。来年の4月に向けて確実に勝てるようになりたい。

・堀

もともと少し直前にけがをしてしまったが、それを理由にしなくても差を感じてしまった試合だった。前よりも差が開いた感じがしたのでもっと自分から攻めるレスリングにしなければ行けないと思った。(相手が強敵だったが)もともと高校の先輩で、一緒に練習をしてきて相手の癖もわかっていたが、練習量が違って運動差がありついて行けない部分があった。(今年を振り返って)4月のクイーンズで2位になれて、そこから大会が続いて、海外遠征など上半期は成績を残せたが、シニアになると体格差や経験差で全然勝てなくなったと感じた。(来年の目標)4月の初めの大会で優勝して世界ジュニアに行ってそこでも優勝、学生チャンピオンになりたい。


TEXT=青池藤吾 PHOTO=青池藤吾、菊池美玖