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2017.12.30
硬式野球

[硬式野球]特集 連続独占インタビュー~春夏連覇の歩み~第7日 飯田晴海

 08年ぶりのリーグ戦春秋連覇を成し遂げ、今年度で勇退する高橋監督の有終の美を飾った硬式野球部。春の笑顔の優勝から一転、秋は多くの選手から涙があふれるほど、戦国東都の頂は険しかった。Vロードを歩んだ選手の心境をお届けする。


第7日は飯田晴海(営4=常総学院)主将。チームを春秋連覇に導き、自身も2季連続MVPを受賞。しかし喜びと同時に、秋季リーグ戦では結果をなかなか残せず、亜大1回戦のサヨナラ負け直後、ドラフトでは指名漏れ。1年間エースとして投げ抜き右ひじはシーズン終了後に悲鳴を上げるほど酸いも甘いも味わった。「人間として成長できた」と語る激動の日々を高橋監督最後の主将として振り返る。(取材日・12月15日、聞き手・美馬蒔葉)


――神宮大会を終え今はどのような練習をされていますか

1年通じて投げたことでひじをけがしてしまったため、今は全く投げていませんが、徐々にトレーニングやランニングを始めています。

――この4年間を振り返っていかがでしょうか

この4年間は技術面だけでなく人間として成長することを指導いただきました。出会えた仲間は一生の仲間です。この先も人間的にも成長したいし、この4年間は濃い時間でした。1~4年時でそれぞれにいろんなことがありましたが、監督さんから愛ある厳しい指導の日々でしたね。4年間監督さんに認められたいという一心でした。特に2年生で手術した時は「この経験が財産になる」とおっしゃってくださったので3、4年生で野球ができたと思っています。3年目はけがから復帰しましたが、優勝を逃してしまった。その時に監督さんから「優勝は貸しだからな」と言われた。3年の夏にはキャプテンになることは決まっていました。4年目は『最後の1年だから自分が何とかしなければ』と思い、監督さんのために勝ちたい、結果で恩返ししたいと思い続けた時間でした。

――今秋はなかなか結果が出ない時期がありましたね

結果が出ない時期は「どう良いチーム作っていこう?」「全員を勝たせるには?」と考えていました。1日1日が勝負だと思って、組織としてチームが同じ方向に向いていけるように引っ張る自信があるから絶対に勝てる。なので全て乗り越えていけると思いました。この3年間で信じられる仲間になった。一人一人にずば抜けた素質はなかったが努力できる力がある集団。メンバーに入るには?とか、全員が「チームのために」と思えたのではないのかな?と思います。

――春と秋の優勝はそれぞれどのように捉えていますか

春の優勝は恩返し。先輩方の思いを背負って戦った結果。2連敗スタートだったけどチームがガラッと変わった。先輩方のおかげです。

秋は一戦一戦やる中で主役とわき役があった。自分はプロへ行くことができなかったが今後もチャンスはある。ただ、学生野球は2度と戻ってこない。みんなの人生もかかっていますし、なんとしても優勝したいと思って東洋で教わったことを全て出そうと懸けていました。自分が降板してもチームが勝ってなんぼの世界。勝てばうれしいです。マウンドへ行く時はエース、降りてベンチにいる時は主将。その時々で役割はありました。

――先輩方から受け継いだ物も多かったですね

帽子はどうするかはこれから考えます。グラウンドコートは原(H27年度営卒=現ヤクルト)さんからいただいた乾(H22年度営卒)さんが着用していたものですね。深い意味はなくそのままずっと着ていました。秋リーグ戦中に変えたグラブは、いい流れにしたかったことやちょうど原さんが青色に変えていたので原さんに相談しました。

――主将像についてお話はされましたか

原さんや笹川(H28年営卒=現東京ガス)さんにキャプテン像に関してたくさん相談しました。笹川さんには「お前ならできるから大丈夫だ」と言っていただきました。お二方がキャプテンをしている姿勢を見て、このようにすればみんながついてきてくれると思いましたが「自分の色は出そう」とも思っていました。そこでどうすればチームはついてきてくれるかを考えて、お二方が言っていたことを思い出したり迷ったらすぐ相談したりしました。130人の部員をまとめるので大人の野球になっていきます。一人一人を見る力を養って視野を広げることは大変でした。自分が犠牲になってでも組織を考えることで人間的に成長できたと思います。また、自分の代は高校生の時にキャプテンをやっていた選手が多かったのでそこで救われることが多かったです。

――応援してくださるファンの方にメッセージをお願いします

この4年間、高橋監督はじめ野球関係者の方々にたくさん出会えたことに感謝します。最後の学生野球の4年間に感謝。最高の仲間に出会えたことに感謝。ありがとうであふれている4年間でした。そして、プロ野球はずっと目指してきている道です。これからの2年間が勝負だと思います。これまで16年間野球を教わってきた。できることをやり、自信を持ってプレーします。レベルは高いですが、次は指名されるだけじゃだめだと思います。もう夢ではなく、目標でもありません。プロへ進んでどう戦うか?を考えています。確実に指名されるようにやっていきます。応援ありがとうございました。