Article

記事


2017.12.31
硬式野球

[硬式野球]特集 連続独占インタビュー~春夏連覇の歩み~最終日 中川圭太

08年以来のリーグ戦春秋連覇を成し遂げ、今年度で勇退する高橋監督の有終の美を飾った硬式野球部。春の笑顔の優勝から一転、秋は多くの選手から涙があふれるほど、戦国東都の頂は険しかった。Vロードを歩んだ選手の心境をお届けする。



最終日は中川圭太(法3=PL学園)内野手。二塁手として2季連続ベストナインを獲得、そして不動の四番としてリーグ2位の12打点を記録するも「自分はまだチームに貢献できていない」と自身の1年間を振り返った。新主将として目指すのは今年達成できなかった全国制覇のみ。来年度への意気込みを語ってもらった。(取材日・11月26日、聞き手・永田育美)



――今シーズンを振り返っていかがですか

 

春に比べてだいぶ成績が落ちてしまいました。バッティングフォームがまだ固まっていないので確実性が無く、あまり自分のバッティングができていませんでした。打率も落ちて、ホームランも減って。でも打点は前よりも稼げたので、チャンスで一本は打てたのかなと思います。

 

――その中で印象に残っている試合はありますか

 

国学大2回戦です。清水選手(国学大)は東都で一番いいピッチャーだと思っていて、そういう一流のピッチャーから全然打てず、変化球の対応もできませんでした。メンタル面もそうですが、自分のバッティングフォームが固まっていなくて、どう打ち崩していいのかもわからずに淡々と打席に入ってしまっていたことが原因だと思います。その4打席を通して、バッティングフォームを安定させて正確性をもっと上げないといけないなということ感じたので、自分が打てた試合よりも印象に残っています。

 

――二塁手としては2季連続でベストナインに選出されました。その理由をどう考えていますか

 

全然わからないんですが、しいて言うなら打点ですかね。自分でも取れるとは思ってなかったし、日大の北阪選手は自分より打率も高く、ホームランも打っていたので、自分が選ばれるとは思っていなかったです。自分より成績のいい人がいるのに、こう評価して頂いて、見てくれている人がいるんだなと思いました。

 

 ――リーグ最終戦での怪我から神宮大会まで、わずか1週間。焦りはありませんでしたか

治療とかできることを全部やろうということを監督さんと話し、治療に専念させてもらっていました。焦りというのは全然なくて、とりあえずチームに迷惑かけないように1日でも早く治そうと思っていました。

 

――神宮大会は3位という結果でした

 

自分のできることをして、チームに貢献したいという気持ちで望みました。全力でやった結果が全然ダメだったので、これが今の本当の実力なのかなと思います。重圧というのはなくて、普段通りプレーできました。それでダメだったので、そこはプラスに考えようと思います。

 

 ――1年春からここまでを振り返っていかがですか

 

今まで6季やってきて、2部優勝して1部に上がれたのも先輩方のおかげですし、今年2季連続で優勝できたのもやはり先輩方のおかげです。優勝はできましたが、まだ自分はチームに貢献できていない。自分が打って試合を決められた試合はそんなにないと思います。1シーズンに1個あったらいいぐらいだと思っていて、なのでまだ不甲斐ないというか、先輩方のおかげで勝てたシーズンばかりだったかなと思いますし、2年のときに優勝できなかったときも、「あのとき自分が打っていれば」っていう試合が何試合もあって。先輩に頼りすぎていた部分があったので、もっとしっかりやらないとなと思いましたね。

 

 ――引退された4年生はどのような方々でしたか

 

一人一人の個性が強くて、全体的にいうと仲がいいのかなと思います。1月に監督さんから「いいチームを作ろう」というテーマをいただいて、そのテーマにあった学年だったと思います。

 

――高橋監督からの指導で特に印象に残っているものを教えてください

 

技術面では、逆方向に大きいあたりを打つというテーマを与えていただいたことが印象に残っています。やはり逆方向にホームランを打たないと、ホームランの数も増えないですし、打率上がらないので、そういうところを自分に求めていただいていました。

 

 ――高橋監督には「お前が打たないと勝てない」とよく言われていたそうですが

 

もちろんその通りだと思っています。自分が2年生のときも、笹川さん(H28年度営卒=東京ガス)、阿部さん(H28年度営卒=NTT東日本)、安西さん(H28年度営卒=JR東日本東北)が打てただけでは、やはり打線なのでつながらないですし、自分が打てていれば勝てた試合がいくつもあったと思います。それは監督さんも感じていたと思うし、自分も感じていたので、そう言われたときはやはり監督さんと同じような感じ方をしていたんだなと素直に受け入れました。

 

 ――野球を始めてから様々な監督の下でプレーしてきたと思います。高橋監督にしかないものはありましたか

 

指導力ですね。引き出しというか、経験。46年監督をやられていて、いろいろな選手見てこられているし、成功例を何人も見てきているので。そういうところでやはり引き出しというのはたくさん持っていらっしゃいました。自分に合わなかったらすぐ次の指導をして貰えるので、引き出しの多さというか、野球の知識というのはずば抜けてたくさんあると思います。

 

 ――監督の退任を直接聞いてどう思いましたか

 

正直、絶対嘘だと思っていました。自分が入って来る前から「辞める辞める」と言っていたらしくて、またいつものことなのかなって思っていて(笑)でも、亜大戦の3日前くらいに「俺本当に辞めるから」と直接言われたときに、これ本当なんだって思って。もうぶわーって色々なことを考えてしまいました。あとはその日に監督が「お前、来年度の主将どうだ」という話しになり、「やらせていただきます」という形で話しました。「責任感持ってやれ」と言っていただきました。

 

 ――理想の主将像はありますか

 

言葉で引っ張っていくというよりも、背中で引っ張っていく人たちを見てきたので、そこは受け継いでいきたいと思っています。みんなに信頼されるキャプテンでありたいと思っていますし、みんなからこの人なら大丈夫だと思ってもらえるようなキャプテンになりたいです。

 

  ――今後のチーム像については考えていますか

 

メリハリのつけられるチームにすることです。やるときはやる、休むときは休む。スイッチの切り替えがしっかりできて、活気のある元気なチームを作れたらいいかなと思っています。

 

 ――最後に、来年度の目標をお願いします

 

まずはキャプテンとしてチームを引っ張っていくことですね。今年はリーグ戦連覇できたので、やはり3連覇4連覇っていうのを目指してやっていかないといけないですし、全国で優勝はできなかったので、来年は優勝しかないと思っています。グランドスラムを達成したいですし、そこをチームの目標としてやっていきたいと考えています。個人としては、安定して3割を超えられるように。確実性というのをもっともっと上げないといけない。そこで打点をしっかりあげて、チームに貢献するプレーができれば、チームもいい方向に行くといます。できるだけ精一杯やって、チームの勝利に貢献していきたいと思います。