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みなさんこんにちは。3年生2人目のコラムを担当しますのは、まだまだ箱根ロスの真っ最中!通学時の音楽は箱根駅伝のテーマ曲Runner of the Spiritのエンドレスリピート!な伊藤梨妃です。今年の箱根駅伝は非常に面白かったですね。始まる前は、前回王者の青学、出雲覇者の東海、そして全日本覇者神大の「3強」とメディアは騒ぎ立てていました。しかし、ふたを開けてみれば、1区から一度もトップを譲らなかった我ら東洋大が往路優勝。鉄紺のタスキをかけて箱根・芦ノ湖を目指す選手たちの姿はとってもかっこよかったです。テレビの前で家族と大興奮していました。
思い返せば3年前の第91回大会。私はこの大会から本格的に箱根駅伝を見始めました。小さい時からお正月の風物詩として家族で見てはいたのですが、特に応援している大学や選手はおらず、ただなんとなく楽しんで見ているものでした。そしてある日、箱根駅伝ガイドなるものが発売されていることを知り、大学受験を目前に控えていたにもかかわらず購入。勉強の合間に読むために、そしてやる気を高めるために塾に持っていき、わざわざ見えるところにたてかけて勉強に取り組んでいました。そこで見つけた一人の選手が私の人生を変えます。誕生日が一緒、それだけで応援しようと決めた選手が出走し、初優勝に貢献。そのインタビューなどで見せる笑った顔が今までに見たことがないくらい輝いていて、私自身、かなり影響を受けました。それ以来今でもその選手を応援し続けています。
タイトルにある推しメン。それは個人的に応援する選手を指します。この出来事から私は駅伝の世界にはまりこみ、そして今、スポーツ東洋という組織に身を置いています。スポトウのチラシを見た時には、別のサークルの説明会に行っていて、面倒くさそうだから入りたくないな、別のサークルを探そうかな、と思っていたところでした。新聞を作ることは小学校の時から好きでしたし、写真を撮ることも好き、そしてなによりその推しメンに会えるのではないかという淡い期待をもって入部を決めました。結果、3年間でその推しメンに会うことが、正確には見ることができました。ご本人をこの目で見る前から「どうしよう、今同じもの見てる」と気がついた瞬間に泣いてしまうという伝説も作ってしまったんですけどね。この感動は今までにないくらい大きなものになりましたし、一生忘れません。
そして、私の担当部会は硬式野球、相撲、空手に決まります。硬式野球は、高校時代に吹奏楽部員として行った野球応援の楽しかった記憶と、ルールを少し知っていたから。ルールを少し知っていると言っても、3アウト交替やランナーがホームに帰ってきたら1点など本当に基本的なことが分かるくらいで、フライやフォアボールなどの用語は全くわかりませんでした。さらに、プロ野球には全然興味を持っていなかったこともあり、最初はいろいろなことに苦労しました。それでも、あの時に見た2本のホームランとそれを放った推しメンの存在がどんな時でも私を3年間球場に連れてきてくれました。チームが勝つのはもちろん嬉しいけれど、推しメンが活躍したとなればもっと嬉しさが増すんです。いつ来るかわからないその時のためにせっせと神宮に通いました。授業との両立がつらかった時もありましたが、推しメンの活躍はこの目で見たいと試合があれば足は球場に向いていました。そのうちにだんだんとルールも覚え、さらにはプロ野球観戦に行くまでに。推しメンが1人でもチームにいれば、それだけでそのスポーツを見るのが楽しくなります。推しメンがいるからその所属チームを応援しているという言い方の方が正しいかもしれませんね。そして推しメンはどんどん増え続け、野球がもっと面白くなっていきました。
相撲班は2年間チーフを務めさせていただき、最後には念願の終面のカラーもできて、本当に思い入れの深い部会です。初めて体験取材に行った時、土俵の外にいる時と上がった時の目つきの違いや、土俵だまりから見る迫力のある取り組みに圧巻され、さらに東洋から優勝者がでて、とても楽しくて即決しました。チーフになってからは全国体重別選手権135㌔以上級で表彰台独占、インカレ優勝、そしてインカレ連覇の時は嬉しくて泣いていました。選手たちも明るくて気さくな方ばかり。毎回の取材が楽しくて楽しくて仕方がなく、3年間で東京・大阪で行われる大きな大会はすべて取材に行きました。スポトウをやめたいなと思ったことも何度もありましたが、相撲部のことを思うとやめたくなくて、すぐにスポトウをやめるという考えは私の中から消え去りました。今度初場所を後輩と見に行くくらい、相撲にははまっています。もちろん推しメンも何人も存在します。
機会があり、フェンシング元日本代表の千田健太さんにインタビューをさせていただく機会がありました。そこで「スポーツに興味を持ってもらうにはどうしたらいいか」という質問をすると「応援する選手を見つけること」と返ってきました。ああそうか、私も推しメンの存在がスポーツの世界へ私を誘ったのだと納得しました。その選手を応援するきっかけはなんでもいいと思います。誕生日が一緒、最初に見に行った試合でサヨナラホームランを放った、たまたま見た写真がイケメンだった、試合の時と違う時のギャップがステキ、取材内容が面白いなどなど。推しメンが一人いるだけでそのスポーツはもっと楽しくなり、自分の世界が広がっていきます。これを身をもって知りました。ぜひ、みなさんも推しメンを見つけて、スポーツを楽しんでほしいです。
最後になりますが、私自身、大学の3年間今までずっといた音楽の世界から離れ、スポーツの世界に身を置くことは新しい発見と出会いの連続でした。知識がない分を補おうと記事では情景に着目したり、より深いところまで聞いてみたりと様々なことを考え、行動してきました。もし、この中の読者の誰かが私の記事を読んで、その場の情景や感動を感じていただくことができたならそれはとても光栄です。取材をさせていただいた選手のみなさまをはじめ、関係者の皆様、本当にありがとうございました。そして…1年生の時から一緒に各大学のグラウンド、神宮球場、そして靖国神社相撲場と両国国技館に行ってくれた私のお父さん。結果について家でワイワイ話す時間は楽しかったし、高校生の時より会話が増えたなぁなんて感じています。この3年間で得たたくさんのかけがえのない宝物を胸に、この先も歩んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。