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2018.01.15
サッカー

[女子サッカー]大体大に惜敗 全国4位も、悔しさ残る最終戦に


第26回全日本大学女子サッカー選手権大会 3位決定戦

1月14日(日) 味の素フィールド西が丘


東洋大0―1大体大


<出場メンバー>

▽GK

垣内愛菜(食3=大商学園)


▽DF

井口遥菜(食4=神村学園)

久保真理子(食1=浦和LY)

常田菜那(食1=大商学園)

山幡あや(食2=常盤木学園)


▽MF

松井彩乃(食3=聖和学園)

田嶋みのり(食4=飛鳥)

大島彩香(食2=久喜)→83分長谷川珠英(食4=飛鳥)

常田麻友(食1=大商学園)


▽FW

楠春佳(食3=千葉U-18)→45分斎藤 麻由(食2=常盤木学園)

大内梨央(食1=常葉学園橘)


得点を奪いにシュートを放つ田嶋

井口は主将としてチームをまとめた

同点弾を狙いに途中出場した長谷川

敗戦に悔しさを見せた松井



今年度最後の試合となった第26回全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)の3位決定戦。関西大学リーグ王者の大体大を相手に得点を奪うことができず0-1で敗戦を喫し、4位で大会を終える。2度目の出場となったインカレで、ベスト4に入る快挙を達成するものの、選手は悔しさをあらわにした。


「勝負の難しさを学んだゲームだった」。戸田監督は試合後の第一声にこうコメントを残した。前半開始早々から東洋大がボールを支配すると、3分には松井(食3=聖和学園)の縦パスに反応した楠(食3=千葉U-18)から最後は大内(食1=常陽学園橘)がシュートを放つものの、ポスト左隅に逸れる。その2分後には、田嶋(食4=飛鳥)がミドルシュートで相手ゴールを脅かす。しかし、ボールを奪ってから縦に早いサッカーを仕掛ける大体大に、カウンターから8分と13分にそれぞれポスト直撃のシュートを打たれるなど、優位を保つことができない。30分過ぎには、田嶋と楠がポジションを入れ替えて、チーム全体がサイドから攻撃を仕掛ける形を徹底。ハーフタイムには「幅広いプレーができるのが強み」と、戸田監督は楠に代えて斎藤を投入し変化を加える。56分には、大内が一度は防がれたボールを再びボレーで合わせるものの、強烈なシュートは、相手DFの必死なブロックにネットを揺らすことができない。その後は、ペナルティーエリア内でシュートを打てない難しい展開が続くと、試合が動いたのは80分。大体大にカウンターを食らい、右サイドからクロスを送られると、相手FWが中央で受けてのシュートは、垣内(食3=大商学園)がセーブするも、こぼれ球を詰められて失点。先に揺れたのは東洋大のゴールネットだった。「失点をしてしまったということが一番力不足だった」と主将の井口は悔しさを見せた。その後、長谷川珠英(食4=飛鳥)を投入して前線にボールを集めるものの、ゴールに結びつけることはできず。試合はそのまま0-1と敗戦し、4位で大会を後にした。

 2度目のインカレ出場でベスト4は快挙であるものの、この日の選手たちに笑顔はなかった。この試合が最後となる4年生へ「笑顔で終わらせることができなかったのが1番悔しい」と試合後に涙を見せるなど松井は、悔しさをあらわにした。田嶋は「自分たちがやってきたことを出せなかったのが悔しい」と振り返ると、井口も「(3位を)取り切れなかったことが悔しい」と、どの選手も口にするほどピッチには悔しさが募っていた。今季、昨年戦うことができなかった味の素フィールド西が丘まで進むことはできた。しかし、決勝というさらなる高みへと進むことはできなかった。長谷川は「自分たちが成し遂げられなかった日本一を成し遂げてくれると思う」と話すと、田嶋も「自分たちの記録を超えてほしい」と後輩たちへ期待を寄せる。「目指しているのは日本一なので4位じゃ全然満足はしていない(松井)」。この試合で味わった悔しさを晴らすために、来季決勝の舞台で日本一をつかむ準備が今から始まる。


◾︎コメント

・戸田監督

勝負の難しさを学んだゲームだった。(大体大の対策)縦に早いチームとやり合ったら自分たちの良さが出ないので、横に逃げてサイドアタックを中心に特に前半のハーフタイムに指示をした。(斎藤選手の起用)幅広いプレーができるというのが斎藤の強みでもある。真ん中ではある程度、プレッシャーがかからない状態だったので、思い切って1枚カードを切った。(今日が最後の4年生へ)4年間ありがとうということと、まだ創部1年しか経っていない東洋大学を選んでくれたことに感謝を伝えたい。(来シーズンに向けて)来シーズンは、ベスト4からさらに高い山っていうのを選手や我々も(今季は)学んだので、そこを勝ち上がるために全員で突き詰めてやっていきたい。

・田嶋(食4=飛鳥)

今までやってきたことを表現できるかというのが今回のテーマだったので、それを出せなかったのが悔しい。(FWでの課題は)FWに上がったというのは、絶対に点を取らないといけないということだと思う。何もできなかったなというのが正直な感想。(今年1年は)本当にあっという間だった。西が丘に来るのが夢だったので、勝ちたかったが最後にこうなってしまったのは悔しい。(後輩に向けて)自分たちの記録を超えてほしい。(来年へ)ここで終わりではないので、また応援してくれるプレーをできるように個人として頑張りたい。

・井口(食4=神村学園)

なかなか自分たちのペースがつかめなくて、前半にも何度もチャンスがあったと思うが決定的なところを決め切れなかった。点を取られなければ負けないので、その点では失点をしてしまったということが自分的に一番力不足だったと思う。(インカレを振り返って)今年のチームは点を取られても取り返せるというところを自分たちで強みとして持っていた。点を取られないことが一番だが、インカレは負けたら終わりという中で予選をしっかり勝ち切ってこのベスト4の舞台に戻ってきたということは良かったこと。でもやっぱりこのトーナメントで、勝って終われるのは1位と3位だけなので、早大に負けた段階で最高でも3位しかなかったがそこを取り切れなかったことが悔しい。(応援について)いつも苦しい場面とか自分たちが失点してしまって流れが悪い場面とかで応援の力に助けられたりとか、インカレという舞台で緊張する選手がいるときに応援の声で背中を押してくれることが印象強い。応援を引っ張ってくれていたのが4年生で、試合に出られないとかメンバーに入れなくて一番悔しいと思うがそういう思いを押し殺してチームのためにあそこまで尽くしてくれるというのは東洋の良さ。そこは自分たち4年は卒業してしまうがこれからのチームに引き継いでほしい。

・長谷川(食4=飛鳥)

自分が入るということはパワープレーなので、絶対に点を取って勝ちに行くという気持ちで入った。競り合いでは負けない自信があるので、そこでは勝つという気でやっていた。4年はチームの中で一番人数が少ないが、一番信頼し合える仲間だと思う。試合に出た選手は出られない選手の分もプレーするという気持ちを持ってやっていたと思うので、そういうところは感謝したい。しっかり後輩たちが、自分たちが成し遂げられなかった日本一を成し遂げてくれると思う。自分たちが日本一を西が丘で見たいと思うので頑張ってほしい。

・松井(食3=聖和学園)

前半から危ないシーンが結構あったけれど、みんなで早大戦のように体を張って守るというのを徹底してDF陣はやってくれた。最後までみんなが諦めずに戦ってくれたり、応援してくれる人が「絶対に諦めない」という気持ちで応援してくれたから、中にいる自分たちも諦めずに最後まで楽しめた。(大体大の印象は)前から結構来てくれた分、自分とか両サイドが空いていたなという印象で、自分たちは前から来る相手に対して縦で戦っていたので、もっと横幅を大きく使ったり、展開力の部分で足りなかったから負けたと思う。(4位という結果について)周りから見たら4位は良いかもしれないけれど、自分たちが目指しているのは日本一なので4位じゃ全然満足はしていない。メダルを持って帰れなかったという不甲斐なさはすごく感じている。(4年生への感謝は)4年生はそれぞれ個性があってまとめるのとかもすごく大変だったと思うし、チームをまとめるのもはるさん(井口)とかたじさん(田嶋)が引っ張ってくれた。4年生はそれぞれの立場で応援に回ったりとかそういう人の思いを感じたら、やっぱり最後笑顔で終わらせることができなかったのが1番悔しい。来季はこういう思いを絶対したくないので、自分がこのチームを引っ張っていくという覚悟を持ってまた明日から切り替えてやっていきたい。




TEXT=藤井圭 PHOTO=土橋岳、金澤瑞季、美浪健五