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第23回東京都サッカートーナメント予選 学生系の部 準決勝
3月25日(日) 東洋大学朝霞グラウンド
東洋大1-1(PK5ー4)慶大
<得点者>
73分 松崎
<出場メンバー>
▽GK
小池大喜(国3=大宮Y)
▽DF
渡辺星夢(国3=前橋育英)
浦上仁騎(国3=大宮Y)
土田直輝(国1=大宮Y)
朝妻佑斗(国2=大宮Y)
▽MF
松崎快(国2=大宮Y)
高橋宏季(国3=FC東京U-18)
坪川潤之(国2=矢坂中央)→83分 長澤昂輝(国1=前橋育英)
野本幸太(国1=市立船橋)→67分 市原亮太(国1=横浜創英)
▽FW
坂元達裕(社3=前橋育英)→61分 小林拓夢(国2=帝京長岡)
丹代藍人(国3=青森山田)
仲間と喜びを分かちあうGK小池
朝妻は好守に左サイドを駆け回った
松崎は貴重な同点ゴールを挙げた
新体制になって初の公式戦となった第23回東京都サッカートーナメント予選(学生系の部)の準決勝。39分に先制点を奪われるものの、73分には松崎(国2=大宮Y)のゴールで同点とする。延長戦も戦い1-1のまま迎えたPK戦では、GK小池(国3=大宮Y)の活躍もあり合計5-4で決勝進出を決めた。
第98回天皇杯全日本サッカー選手権大会の東京都代表を目指すべく、まずは学生系の部予選を勝ち抜く必要がある東洋大は準決勝で慶大と対戦した。「思った以上に相手の圧力が強い」と古川監督が口にしたように、立ち上がりは慶大の高い位置からのプレスに思うようなプレーができずにいた。徐々に自陣に押し込まれていくと39分、ペナルティエリア前で素早くボールを動かされ、フリーになった選手に右足を振り抜かれる。コースを狙ったシュートがゴール右に突き刺さり、先制点を許してしまう。「0-0で前半終わっていればもっと楽な試合になった」と浦上(国3=大宮Y)は失点を悔やんだ。
それでも後半は相手のプレスが落ち着いてきたところから東洋大がじわじわと主導権を握り始める。57分にはルーズボールにうまく反応した坂元(社3=前橋育英)がシュート体勢から倒され、PKを獲得。しかし、キッカー高橋(国3=FC東京U-18)のシュートは、GKの好セーブに合い同点とはいかない。逆に67分には慶大に隙を突かれGKと1対1の状況を作り出されるも、ここはGK小池が体を張ったセーブで追加点を与えなかった。「1失点に抑えていれば流れは来る」(小池)その言葉通りチャンスは訪れる。高橋が縦に入れたパスを受けた途中出場の市原(国1=横浜創英)が起点となり、外を回る朝妻(国2=大宮Y)へスルーパス。これをダイレクトで折り返した先に飛び込んだのは松崎だった。「いいタイミングで入っていけた」と頭で合わせゴール左へ流し込み試合を振り出しに戻す。
1-1のまま90分が終わり、延長戦に突入するも決勝点は生まれず勝負はPK戦へともつれた。相手の1人目、GK小池がうまく反応すると足でブロック。自らのセーブで流れを呼び込むと東洋大は5人のキッカー全員がきっちり成功させ、合計スコア5-4で慶大を下した。
今シーズン初の公式戦を勝利で飾ることができた。「緊張感や雰囲気をつかめた」と古川監督は次へ進めたことへ一定の満足感を持っていた。次戦決勝を戦う相手は法大。浦上は「勝っていい流れでリーグ戦に入っていければ」と4月7日に開幕を控える第92回関東大学サッカーリーグ戦を視野に入れ、必勝を誓った。
■コメント
・古川監督
思っていた以上に最初は相手の圧力が強くて、前半は我慢が続く試合展開だった。欲を言えば0-0で折り返して、後半のところでチャンスをうかがうという展開にしたかった。失点してからも何回かピンチがあったが、小池が救ってくれた。先制されても追い付いて、PK戦ではあるけれど勝ち切れたというのは、昨年度の終盤にはできなかったこと。今シーズン最初の公式戦で緊張感や雰囲気をつかめた中で次へ進めたというのは大事なことだと思う。(小池について)彼の強みはシュートストップの部分だったりサイズやパワーにある。昨年の伊藤とは違ったよさが彼にはあると思う。今日の勝利にしっかり貢献してくれた。(得点シーンは)途中から市原を投入して1つは彼の高さを生かしたいと思っていた。左サイドから崩してクロスで彼の高さに合わせるという形は今までには無かった。得点はイメージとは違って市原が中で受けてサイドに流すという形から生まれたので、嬉しい誤算です。(次戦へ向けて)法大は力のあるチーム。昨年度の全国大会2つでファイナリストになっているし、チームとしても今年はいいライバルになるかなと思う。同じリーグにも属しているので、なんとかものにして天皇杯のところも勝ち進んでいきたい。
・浦上(国3=大宮Y)
今年初の公式戦ということで、一発勝負で何とか勝って来週につなげて、そして次の関東リーグにつなげようという気持ちでやった。(試合中意識したこと)相手がハードワークしていいチームということは分かっていたし、相手の10番の松木選手とかはとてもいい選手なので、誰かいってカバーしたり自分がいって潰せたらいいですし、相手に仕事をさせないということを意識して自分はプレーした。(ディフェンス面で)良かった点は、失点しても崩れなかったこと。悪かった点はそんなにピンチがなかったなかで、あのような場面で失点してしまったという、0-0で前半終わっていればもっと楽な試合になっていたと思うので、耐えるときは耐えるということをしっかり修正していかないとこの先厳しいのかなと思う。(次戦へ向けて)次の相手である法政大はレベルが上がって強いチームだと思うのでもう一回球際だったり、戦う面だったりを自分が声をかけてやっていけたらいいと思う。天皇杯を勝っていけばプロとやれるいいチャンスなので、次も何とか全員で戦って勝っていい流れでリーグ戦に入っていければと思う。
・小池(国3=大宮Y)
慶大がハードワークしてくる相手で難しい試合だった。前半は無失点で終われたら、後半に流れを持っていけたと思うが、1失点してしまって、そこは自分の甘さだと思う。後半の1対1を止めたシーンは、相手がユースのときの1個下の選手で絶対止めたいという気持ちもあったし、1失点に抑えていれば流れは来ると思っていたので、あそこで止めれたことが今日は大きかった。PKは日頃からGKコーチ合わせた7人で切磋琢磨しあいながらやっているので、日頃の練習の成果が出たと思う。今期の抱負はチームとしては、リーグ戦でタイトルを獲ること、個人としては、より失点をなくしてレベルの高いGKを目指して頑張りたい。(次戦に向けて)法大もレベルの高い相手なのでしっかりと全員で練習から高めあって、いい準備をして望みたい。
・朝妻(国2=大宮Y)
前半失点してしまって苦しい中でも自分たちが置かれた状況の中でもやることは決まっていた。しっかりディフェンスのところでは連続して失点しないことだったり、しっかり意識してやっていくことで勝ちに繋がったんじゃないかと思う。(アシストシーン振り返って)途中で入ってきた(市原)亮太のところにいいボールが入って前を向いてくれたので、もうボールがくることはわかっていたので走って、中は入ってくること信じてあげて決めてもらうだけだった。(後半から優勢だったが)慶大はハイプレッシャーでくるチームなので前半はかなり押し込まれる、劣勢になるというのはミーティングの中でも言われていた。自分の中でも理解できていたのでいかに乗り切るか、自分たちにどんどん波がくることを待ってしっかりねばってできた。(収穫と課題)自分の特徴である対人の強さ、競り合い、コーチング、走りの部分は毎日やっているので絶対に負けてはいけないなと思っていて、少しは相手より上回ることができたと思う。まだまだビルドアップの部分であったりだとかいろいろ課題が残っているので自分の中で整理してこれからもやっていければいいと思う。(次戦に向けて)相手は全国とっているチームなので、自分たちはチャレンジャーとして前向けな気持ちを持って挑むだけだと思う。
・松崎(国2=大宮Y)
今年度初の公式試合ということで始めは少し固かったが、後半はだんだんペースを作って追い付けたのでよかった。(ゴールについて)後半途中で坂元選手に変わって前にいったときの形はシーズン前にも何回か練習していた。そこで使われるということは結果を求められているということなので、そういう意味ではいいタイミングでクロスに対して入っていけてよかった。(次戦に向けて)法大は昨年タイトルも取っていて強い相手で、そういう相手にどのくらいやれるか分かる大事な試合なので頑張りたい。
・市原(国1=横浜創英)
負けてて難しい状態だったが、スペースに動いたり自分の持ち味を出すことだったり、相手は結構前半に飛ばしていたので裏を狙うことを意識してやった。監督には、どんどんスペースに出ていけだったり仕掛けていけだったり、自分はスピードを生かしていけと言われた。(ゴールシーンについて)自分が中に入ってサイドバックが上がる形は練習していたので決まってよかった。(次戦にむけて意気込み)まだ次も出られると決まったわけではないので練習からしっかり取り組んでいきたい。
[次戦試合予定]
第23回東京都サッカートーナメント予選 学生系の部
決勝 3月31日(土) vs法大
東洋大学朝霞グラウンドにて 13:30キックオフ
TEXT=美浪健五 PHOTO=金澤瑞季、土橋岳