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2018.03.26
準硬式野球

[準硬式野球]終盤の猛攻で2回戦突破!割石の好投が逆転呼ぶ

第60回関東地区大学準硬式野球選手権大会・2回戦

3月25日(日) 横浜スタジアム


〇東洋大7ー1東京都市大


(東洋大)

割石(社3=越谷南)、山本(社2=市川東)ー多田龍(ラ3=高松西)


勝ち越し適時打を放った若原

今季初先発を勝利で飾った割石

監督注目の高橋は同点打のきっかけとなった


     関東選手権大会2回戦は東京都市大との一戦。初回に先制されるも、若原(社2=九州学院)の適時二塁打を含む終盤7得点で圧倒。7-1で勝利を修め、危なげなく3回戦へ駒を進めた。

 マウンドは今季初先発のエース割石(社3=越谷南)。立ち上がりは「マウンドが固かった」と制球に苦戦する。先頭打者を四球で歩かせると、続く打者に安打を許し併殺打崩れの間に1点を失う。二回にも連打で得点圏にランナーを進められるがここをしのぎ、徐々に調子を取り戻していく。

     一方打線は毎回のように出塁するものの、なかなか得点に結びつかない。しかし、長く続いた沈黙も六回に破られる。先頭の印南(文2=浦和学院)が死球で出塁すると高橋(法1=八戸学院光星)が10球粘ったのち左前に運び、内藤(営3=藤代)の犠打で1死二、三塁のチャンスを作る。このチャンスで山岡(法2=柳井)がしっかり転がし、内野ゴロの間に同点に追いつく。波に乗った東洋大は続く七回に伊藤(ラ1=成立学園)、土屋(社1=習志野)の1年生でチャンスメイクすると、若原が走者一掃の適時二塁打で勝ち越す。「打者がなんとか流れを作っていかないといけない」と若原。その言葉通り、流れに乗った打線は止められない。八回にも3連打で3得点、終盤の猛攻で勝負を決めた。

     立ち上がりこそ不安が残ったが、三回以降は完璧に近い投球を見せた割石。得意のスライダーと直球を織り交ぜ、変幻自在の投球で八回まで9奪三振の1失点。最後は山本(社2=市川東)が3人で締め7-1で3回戦に駒を進めた。

  「終わってみれば7ー1だったが、相手はもっと早く攻略できる投手だった」と小田部監督。勝利はしたものの、打撃面での課題はまだまだ山積みだ。「今度は野手で勝ちにいきたい」と印南主将。次戦は都留文科大との一戦。課題を克服し、新体制での新たなチーム像を模索していく。


◾️コメント

・小田辺監督
終わってみれば7ー1だったが、相手はもっと早く攻略できる投手だったので、もっと早く点を取って勝たなければいけなかったと思う。(新チームは)新4年生の多田、割石、内藤が残ってくれたのだが、彼らに頼るというよりは新3年生以下が「俺たちでやらなきゃ」という雰囲気にはなってる。ただ、それがまだ実力として発揮できていないというのが歯がゆいですね。みんな力は持っているが、それがまだチームとしては機能してない。気持ちはすごく伝わってくるが、プレーにはまだ現れてないかな。試合やるごとにいい雰囲気にはなってきているので、ここから試合勘を戻していきたい。(印南新主将は)あんまり多くは語らず、クールなタイプですね。もっともっと「俺が!」って引っ張っていって欲しいとは思う。その分、高橋とか土屋とか下級生が先輩たちを盛り立ててる雰囲気があるので、そういう意味ではいい相乗効果が生まれてるのかなとは思う。(注目の選手は)やってもらわなければいけないという意味では、高橋ですかね。今日は3番を打ったが、4番を打たしてもいいバッターだと思っている。去年もサヨナラ打やいい場面で打ってくれているし、持っている男なのでね(笑)彼は間違いなくやってくれると思っているし、打ってもらわないと困る。あと、若原が復活してきたのが嬉しい。彼は1年生の頃から春のリーグ戦に出たり、入れ替え戦で活躍したり、そういうデビューをしているので、もっともっと中心になって活躍してもおかしくない。今季のリーグ戦では首位打者を狙って欲しい。(関東選手権の目標は)24年ぶりの全日本がまぐれだと言われないように、関東選手権の決勝へ進んで全日本への切符を手に入れたいですね。

・印南主将(文2=浦和学院)
(横浜スタジアムでの試合は)みんな気持ちが上がってました。やっぱり気持ちがいいですね。(試合を振り返って)前半、相手にいいようにやられてしまった。(投手陣は)割石さんが本当に粘ってくれて。投手に頼りっぱなしなので、今度は野手で勝ちにいきたい。(打線は)1回戦より全体的には打てたが、まだまだですね。相手のミスから繋がっていくのではなく、一人ひとりが突破口を作れないといけない。(次戦は)ここまではバッテリーで勝ち進んできているので、野手でしっかりと点を取って勝ちたいと思います。


・遠藤学生コーチ(営2=文京)
今日も序盤に点が取れず、ピッチャー頼りの苦しい試合だったと思う。終盤に集中力を高めて点を取ってくれたので、最後は山本がマウンドに立つことも出来ましたし、最終的には良かったかなと思う。(新チームは)みんな明るく仲がいい。いい意味で距離感が近くて、お互いを高めあえる存在です。これからも継続していきたいです。(関東選手権は)もちろん優勝したい。そして全日本を決めます。


・割石(社3=越谷南)
初回が良くなかった。先制点をあげないことが初回先頭に四球を出したことが僕の反省点。その後は対応できたかなと思う。初めてのマウンドでなれない部分はあったがしっかり対応できた。(横浜スタジアムのマウンドは)マウンドは固かった。低くて思っていたイメージと違った。(前回2イニング投げて)前回はほとんど投げなかった。調整が遅れて中途半端な感じで投げていて、あまり疲れることはなかった。上に上がったらどっちみち連投になるので。(今大会の意気込みは)ピッチャーはピッチャーとして0に近い点数で抑えていきたい。


・山本(社2=市川東)
横浜スタジアムはプライベートとかで応援しにきていたので特別というかすごく不思議な感じだった。(横浜スタジアムが球場と決まって)2回戦のグラウンドということだったので、とにかく1回戦勝って、それで行ければいいなと思っていた。でも正直個人ではどうしても試合やりたいという思いはあった。チームとしては一つ一つ平常心でやっていこうという感じだった。(横浜スタジアムでの試合をチームでは)楽しみにしていた。なかなかできないので良かったです。(実際に投げてみて)投げた時は6点差あって、緊張したが気楽に投げれた。その前にチームが点を取ってくれて、自分は大差開かないと投げることはなかったので本当に全員に投げさせてくれたことを感謝したいです。(ベイスターズで意識する選手は)同じ背番号の井納投手というピッチャーがいて、そのピッチャーのために横浜スタジアムに来たりしている。(登板時ベンチから声を掛けられていましたが)ありがたかったです。自分はまだ公式戦の経験が少ないのでいつも声かけてくれるのことがありがたい。本当に周りに感謝したいです。(次戦に向けて)チームとして一戦一戦勝っていって最終的には優勝というのが目標。前の試合と今日の試合でもちょっと苦戦したが、次の試合は入りから大事にしていきたいと思う。

・若原(社2=九州学院)
一回戦と同じであまりヒットが出なくてロースコアだった。勝たないといけない試合だったが相手に先制されるみたいな同じような展開だったので、打者がなんとか流れを作っていかないといけないなと感じた。(勝ち越しの適時打は)追いついた後で、自分はまだ大会でヒットが出ていなかったのでなんとか一本打ちたいと思っていた。横浜スタジアムで山本が投げたがっていたのでやはり点を取ってあげて投げさせてあげたいという思いがあった。少しでもリードして投げさせてあげたかったので、なんとかしようという気持ちだった。取られたとしても犠牲フライとしては十分だと思ったので打った瞬間はホッしました。(昨日の試合から修正してきたことは)ノーヒットで自分の中でバッテイングのポイントと言うのがずれていたと感じていたのでそこの微修正。打席の中で微妙に打つポイントだったりとかは変えた。意識的にはそんなに変えてはいない。(初戦に勝利して、横浜スタジアムでの試合が決まって)日程がずれて、二回戦が横浜スタジアムだと決まった時から意識はしていたが、やはり一回戦勝たないと横浜スタジアムでは試合できなくて。それでギリギリの試合だったので自分たちの試合をして行くのが大事かなと思っていた。(横浜スタジアムでの試合は)横浜スタジアムは初めてだったが他の神宮球場だったり甲子園だったりは経験がある。なので特別な緊張はなかったがこういうスタジアムでできるのは楽しかったです。(副将となり気持ちの変化は)チームを表向きに引っ張ってくれたりとか、締めてくれたりするのは学生監督の遠藤だったり主将の印南だったりがしてくれる。自分はそういうタイプではないので、プレーの方で引っ張って行ければとずっと思っていて、今日このような形で貢献できたので良かったです。(次戦に向けて)ここからどんどん相手のレベルも上がってくると思うので自分たちも試合の中でレベルアップしていきたい。決勝に進めば全日本に出れると聞いたのでそこを目指していきたいなと思う。


TEXT=大谷達也 PHOTO=望月優希、永田育美