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2018.04.22
準硬式野球

[準硬式野球]七回から粘りの逆転劇 中大から3季連続の勝ち点奪取!

平成30年度東都大学準硬式野球春季1部リーグ戦 中大3回戦

4月20日(金) 上柚木公園球場

〇東洋大4X―3中大

(イニングスコア)

1回戦










中大










東洋大









4X


(東洋大)
割石(社4=越ヶ谷南)、瀬下(営3=藤代)-多田龍(ラ4=高松西)


チームメイトが飛び出し土屋を迎えた

復活を予感させる三塁打を放った土屋

犾守はチームメイトの声援に応えた

攻めの投球で中大打線を抑えた瀬下


中大3回戦は七回から粘りの逆転勝利。3季連続で強豪校・中大から勝ち点を挙げた。

 逆転劇は試合終盤に起きた。3点を追う七回、先頭打者の若原(社3=九州学院)が左前に運ぶと2番・三浦(文2=東北)が送り1死二塁。この好機で打順が回ったのは土屋(社2=習志野)だった。関東選手権で手を負傷し、レギュラーから外れてしまった土屋。しかし、ベンチ横での素振りやチームメイトへの声かけを欠かすことはなかった。「やっと回って来てすごくうれしかった」と打席では笑顔を見せる場面も。久しぶりの打席に臆することなく思い切りバットを振ると打球は右越え適時打に。これまでの悔しさを晴らすかのような復活打だった。続く内藤(営4=藤代)が左前に運び、この回で1点差に詰め寄る。
 逆転の兆しが見えたのは九回。三浦の左前打に続き、土屋が右中間を破ると犾守(国3=岩倉)へ打順が回る。初球、バットを振りぬくと打球は右前に落ち、適時打に。これが同点打となり2死一、二塁で打順は多田龍(ラ4=高松西)へ。左投手の対策をしてきた多田龍。「4年生として自分がランナーを返したい」と意気込んで打った打球は敵失に。土屋がホームベースを踏むとチームメイトがベンチから飛び出し、土屋を迎えた。

 守備からリズムをつくったことが逆転につながった。先発の割石(社4=越谷南)は、コントロールを自身の課題に挙げながらも最小失点に抑えるピッチング。続いて五回途中からマウンドを継いだのは中大2回戦でも好投を見せた瀬下(営3=藤代)。「試合を動かさないと」と意気込むと、その思いは投球にも現れた。緩急を使い分けながら打たせて取るピッチングで中大打線を連続三者凡退に抑える。「本当によく抑えてくれた」と正捕手の多田龍。守備から作り上げたリズムとチームが貫いた攻めの姿勢が合致しての勝利だった。


  試合終盤の巻き返しには「我慢」がカギとなった。「1つのチャンスで逆転しようと思っていた」と印南主将(文3=浦和学院)。先制点を取られても焦らず、1つ1つのにチャンスを大切にしたことで逆転への道が開かれた。


 今試合で勝ち点は2。「気持ちの面でも、技術的な面でもやってきたことがようやく形になってきた」と学生コーチの遠藤(営3=文京)はチームの成長を実感している。「目の前の1試合1試合を取れるように」と割石。勢いそのままに、チームは3つ目の勝ち点獲得へ向かう。


▪️コメント

・印南主将(文3=浦和学院)
3戦目でそんなに怖いバッターはいなかったが、高めに浮いた球をタイムリー打たれて、細かいミスが後々響いて、切羽詰まったゲームだったと思う。(3戦目で作戦は)1戦目は攻める姿勢が足りなかったので、2戦目、3戦目は守備も打撃も攻めて行こうというテーマでやっていた。(今日のヒーローは)土屋ですね。遠藤の采配も見事に当たってそれに土屋が応えてくれました。(6回から雰囲気が変わったように思えましたが)いつも「我慢」と言っている。先制されることもよくあるし、全然打てなくてチャンスを作っても出れないということもあったが、「我慢する」ということをテーマにずっと公式戦はやって来た。焦ったら負けというのを思いながら、我慢しながら1つのチャンスで逆転しようとずっと思っていました。(今日のチームは)瀬下が三者凡退といいテンポをつくってくれたので、そこから流れができたかなと思う。(東海大に向けて)今2カード終えて、1戦目がだらしなかったり、結果が出ないので次の東海大では1戦目はから結果を出したい。2タテできるようにやっていく。


・遠藤学生コーチ(営3=文京)
一番は勝ち点が取れたこと。守りの方では点を取られた回は最少失点で抑えられたこと、みんな集中力を持ってやっていけていた。その中で終盤こっちが勝負を仕掛けたい時に、相手を3人で切って流れを作ってくれた。バッティングも最後代打陣が結果を残してくれたので、そういった勝ち方ができて良かった。(中大からの勝ち点は)強いチームだし、選手層も厚い。いつも名前負けする部分はあったが、その中でしっかり勝ち点を取り切れたのは大きいなと思った。土屋、犹守など出番のなかった選手も気持ちを切らさずにいてくれた。前半であまり点が取れないので、そこまで我慢する。気持ちの面でも、技術的な面でもやってきたことがようやく形になってきた。(次の東海大戦に向け)2タテで終わらせたい。


・多田龍(ラ4=高松西)
序盤で先制点とかを取られたが最小失点で切り抜けられたのが大きかった。点を取られた後に粘り強くやっていこうというのはピッチャー陣とずっと言っていたので点を取られた後を意識して丁寧に、粘り強くというのを心がけた。(ピッチャーの調子は)要所要所で締めてくれるところが頼り強いと思う。瀬下が本当によく抑えてくれたので今日は瀬下さまさまですね。瀬下は変化球でストライクが取れるので、そこでピッチングの幅が広がってきているなと思う。(バッターとしては)中大は左ピッチャーが3人いて、1、2戦目は左ピッチャーに苦しんで、同じやられ方をしないように左ピッチャー打つ工夫をしてきたのでその成果が出てよかった。(4点目は)四年生として自分がランナーを返したいという思いで打ったがあれは運が良かった。(チームの雰囲気の変化は)点を取られてはいたが負ける気はしないというか。みんなが整備の間にプレーのことも確認しつつ色々な会話ができたのでそこからうまく入れたと思います。(東海大に向けて)結構空くので、試合感が鈍らないように練習で、修正していきたい。

・割石(社4=越谷南)
自分が試合をつくれなかったのが反省点。チームは後半に伸びてきて、相手のミスに突っ込みながら勝てた試合だなと思います。(雰囲気は)毎回杉原や戸森などベンチメンバーが声を出してくれるので、そこは攻撃でも守備でも助かっている。(自身の調子は)クリーンヒットされていない分、悪くはないと思う。フォームを修正しながらやっている。いい球がいっていると思うので、あとはコントロールだけですね。(東海大戦に向けて)中大にも勝って、国士大にも勝って、ビリはないという感じだが、やはり上を見ないとすぐ足元をすくわれるので。目の前の1試合1試合を取れるように、勝ちに行きたいと思います。


・瀬下(営3=藤代)
自分たちのミスでピンチをつくって、粘りきれなくて失点するというパターンが3、4回あって、試合を動かさないとだめだなと思ったので、早めに割石さんと自分を変えて、流れが来ればいいかなといった気持ちで(継投は)検討した。流れはあまり意識はしたくないが、中大は勢いのあるチームなので考えながら投げてゴロを打たせたり、相手打者も迷っていたのでどんどん攻めていこうと思った。(次は東海大とのカードになるが)チームには勢いがあるが、本当に強いチームとは言えないくらいコロッと負けることはあるので、ピッチャーが引っ張ってやっていこうと思う。

・土屋(社2=習志野)
試合に久しぶりに出させてもらって、点差があるぶん開き直ってプレーできた。春のリーグ戦も自分は二打席立っていたが、どっちとも三振だったので、開き直って思い切ってバットを振ることができた。勝って、勝ち点が取れたのでよかったです。(七回を振り返って)若原さんが出てくれて、三浦が送って順序よくチャンスを作ってくれて。やっと回って来たなってすごい嬉しくて打席で笑ってました。インコースのストレートが多いって聞いていたので、それをしっかり右中間に打とうって思ってて、イメージ通り打てたのですごくよかったです。(チームは)負けたら勝ち点が取れないということで、整備終わった後で3ー0で試合がある程度決まっていた状態で開き直れた。開き直って思い切りプレーしようっていうみんなの意識じゃないかなと思う。(東海大に向けて)自分はケガをしてレギュラー落ちたので、次の試合出るかわからないが出れたら活躍してしっかりアピールしたいと思うし、しっかり結果を残して全日でレギュラーで出たいのでそれに向けて貢献できるようにやっていきたい。


TEXT=望月優希 PHOTO=望月優希、大谷達也