スポトウ｜東洋大学スポーツ新聞編集部

平成30年度東都大学野球一部春季リーグ戦

５月１日（火）神宮球場

○東洋大４－２駒大

（イニングスコア）

（東洋大）

○上茶谷（４勝）、甲斐野―佐藤

本塁打：中川（六回）

・打撃成績

・投球成績

逆転打を放った岡崎

チームからの歓声に応えた

逆転が決まるとチームの笑顔が止まらなかった

上茶谷は今季４勝目を挙げた

駒大との１回戦は中川（法４＝ＰＬ学園）のソロ本塁打で流れを呼ぶと、岡崎（営１＝帝京）の適時打で勝ち越しに成功。勝負どころでの強さが際立った一戦だった。


　試合を動かしたのは主将の一打だった。２点を追いかける六回、二死無塁で４番・中川に打順が回る。初球、辻本（駒大）のスライダーを捉えると打球はアーチを描き左翼席へ。「いいホームラン」と自身も納得の１本だった。ここから一気に東洋大のペースが訪れる。七回、死球と犠打、そして岡崎の内野安打、小川（法２＝霞ヶ浦）の右前打で１死満塁をつくりだすと山本（法２＝作新学院）の犠飛で同点に追いついた。
　勝負が決まったのは最終回。好調の堀北（営３＝龍谷大平安）が強い打球を中前に打ち返し塁に出る。ここで打順が回ったのは春季リーグ戦の開幕戦、適時三塁打を放った岡崎だった。堀北が打席間に盗塁し、１死二塁にすると、２ストライクに追い込まれてから６球目、下からすくい上げるようにバットを振ると打球は中前へ。この一打で堀北が生還し、逆転に成功。その後は相手の失策で４点目を追加し、４－２で駒大との１回戦を制した。

　開幕戦に続き、今試合でも正念場での活躍を見せた岡崎だが、「高校時代は思うような結果を残せなかった」と振り返る。高校時代に経験した悔しさや高校からの同級生である佐々木（営１＝帝京）に「負けていられない」という思いが岡崎のやる気に火をつけた。今季の目標は「３連覇に貢献すること」。今後もルーキー岡崎の成長から目が離せない。

　この日も投手リレーがつながった。先発の上茶谷は初回に１点を先制されるが、四回からギアチェンジ。「一人一人に全力で」とここまで温存していた力を解き放った。最速１５１㌔のストレートで相手打線を抑えると、８回を終えて10奪三振。マウンドを継いだ甲斐野（営４＝東洋大姫路）が上茶谷、そして野手陣の奮闘に応えるように、９回を三者凡退に抑えて試合は終了。投打が噛み合い、つかんだ白星だった。

　３カード目にして上茶谷は４勝目。そして堀北はリーグトップの打率.５００をたたき出した。３つ目の勝ち点獲得へ、東洋大の勢いは止まらない。

▪️コメント

・杉本監督
（駒大は）足を使って仕掛けてくることは知っていたのでミーティングでもその話はしていた。初回でゲッツーが取れたのはいいこと。チームは試合ごとに良くなって来ている。先制点を入れられると、学生なので焦りは出る。その中で今日の試合勝ち越せたのは大きい。


・上茶谷（法４＝京都学園）
初回に一、三塁になったが佐藤が「自分がすぐ取り返す」と言ってくれた。ゲッツーが取れて、終わってみればよかったなと思う。中大１回戦は自分も良かったが、そのあとは野手に助けてもらっている。明日も勝ってくれると思う。（心がけていたのは）試合前に１番と４番のバッターは打率が高いので警戒していた。３番から９番までは投げた中で１本しかヒットを打たれてないが、１、２番で６本のヒットのうち５本打たれてしまった。警戒していたのに打たれてしまったのは反省点。（今日の自分のピッチングは）50点くらい。四回でギアを上げたが五回で打たれて、調子はいいのに打たれてしまった。先発のときは長いイニング投げるために７割、８割の力で投げているが、初回から連打で打たれた。四回からは１つ１つ考えるのをやめようと思って開き直れた。一人一人に全力で投げようとギアチェンジした。（次戦に向けて）勝ちます。

・佐藤（法３＝聖光学院）
上茶谷さんをリードしていく中で、最初はカウント取りにいってるストレートがアジャストされてたので途中からギアを入れてストレートを投げ込むっていう形にしていた。投げ込んできてるストレートには合ってなかったので有効的だったと思う。甲斐野さんは直球で押せるのは相手もわかっているので、いかに裏をかけるのかという話になった。勝ちに向けての雰囲気は出来てきてるので、明日しっかりと勝って連勝で勝ち点３つ目を取りにいく。

・堀北（営３＝龍谷大平安）
今日の調子は良かった。第１打席では狙ってなかった球に反応して安打が出たので、そこで確信した。前半はベンチの空気が良くなかったから、なんとか打って上茶谷さんを助けようという話になった。その中で中川さんの本塁打から勢いが出た。自分は一塁にコンバートしてきたから引っ張っていきたいとかいうのはあまりないけど、出来るならガンガンやって行きたい。津田と自分が一番投手に近いから声出して頑張っていけたらと思う。本塁に突入したスライディングはみんな練習していたこと。自分は初めから比較的出来ていたけど、やっていたことが実際の試合で自分の身に起こって実行できて良かった。次戦もせった試合展開になるので気持ちで負けないように声を出してやって行きたい。

・山本（法２＝作新学院）
（七回の同点犠飛について）６戦ぶりの打席でチームに貢献できて気持ちよかった。前の打席で早いカウントから打ちに行って併殺打だったが、逆に開き直って併殺でもいいや、という気持ちで振りに行けたのが良かったと思う。（左打者の活躍が目立つが、）今日はライバル意識というより、久しぶりの打席の自分にいい場面を作ってくれたことに感謝したい。（今後のレギュラー奪取について）この日結果を出せたのでもちろん狙っていきたいが、レギュラーでも代打としてでも、一振りで試合を決めるような活躍をしたい方が気持ちが強い。またチャンスで結果を残したい。

・岡崎（営１=帝京）
(代打での出場については）いい場面で必ず回ってくるのでそこで打てるようにしたい。中川さんの本塁打で試合がまだまだ分からない展開になった。先制点を取られて苦しい展開が続いていたが途中からこっちに流れがきていい雰囲気で戦えたと思う。 （９回のタイムリーについて）一打出れば勝ち越せる場面で打てたので良かった。高校の時代は思うような結果を残せなかったのでその時の悔しい気持ちを忘れず勝負強い選手になることを目指して大学でこれから活躍していきたい。３連覇に貢献することが目標。
今後も今日のような活躍ができるようにこれからも頑張っていきたい。

TEXT=望月優希 PHOTO=須之内海、松本菜光花、望月優希