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2018.05.06
陸上競技

[陸上競技]競歩王国継承へ 関カレ出場をかけ各選手が猛アピール

第2回国士館競技会

5月5日(土) 国士館大学多摩キャンパス陸上競技場


男子10000mW

2着 石川 40'54"82

3着 長山 40'55"14

15着 成岡 43'20"05

20着 後藤 43'51"44

DNS 河岸     

DNS 川野


男女10000mW

20着 竹中 52'04"59



ラスト100mでチーム内1着を争うデッドヒートが繰り広げられた

後半追い上げを見せ、チーム内トップでゴールした石川

長山は1年生ながら存在感をアピールした




 強い日差しが照りつける中、国士舘競技会が開催された。関東インカレ(以下、関カレ)の出場権をかけた今レースに競歩部門から4名の選手が出場。池田(済2=浜松日体)と川野(総2=御殿場南)はすでに関カレの出場が決まっているため、出場枠は残り一つ。石川(済3=横浜)と長山(済1=埼玉栄)がチームトップの座をめぐる激しいデッドヒートを繰り広げるなど、白熱した争いとなった。

 

 

 スタート直後から成岡(工2=伊賀白鳳)が先頭に立ち、集団を引っ張っていく形でレースは進む。1kmあたり4分4秒前後といういいペースで歩きが繰り広げられると、集団は縦長に。すると2800m付近で後藤(済1=鶴岡東)が好ペースに付いていけず、集団から遅れ始める。さらに3000m過ぎ、成岡がトップを譲ると徐々に後退していく。そんな中、トップ集団で粘りを見せたのは石川と長山だった。古賀(明大)が引っ張る展開に動じることなく、果敢に食らい付いていく。5000m手前になると石川が「限界まできつくなる前に1回少し離れて余裕を持とう」という策略ゆえ、集団から一旦退く展開に。それを機に集団の人数はさらに絞られていき、長山を含む3選手でトップ集団が形成される。6000mを過ぎると他の2選手との差が少し広がる場面もあったが、粘りの歩きで後れを許さない。「余裕があれば先頭に出てレースを進めていこうと思っていた」。8000m地点、有言実行を果たしついに長山が先頭に躍り出る。その一方で一度は後退したものの、そこで力を貯め一気にスピードを上げてきた石川がトップ集団に追いつく。勢いそのままに石川が先頭に立つと、レースを引っ張る積極性を披露。長山はそのペースに付いていけず、徐々に集団から遅れをとってしまう。レース終盤、石川と古賀のし烈なトップ争いが繰り広げられていくも石川が単独2位に後退。それでもチーム内トップの座を守るべく必死に歩きを進める。するとラスト200m、3番手を歩いていた長山が怒とうの追い上げを見せる。「何としてでも勝たないと」。強い思いが長山の足を進め、ついに残り100mになると石川のすぐ背後まで追いつく。しかし、石川も負けてはいられない。「ラストあそこで負けたら関カレに出られないので、ラスト勝とうと思って頑張った」と振り返るように、長山の必死のスパートを力強い歩きで振り切り見事チーム内1着でフィニッシュ。長山も、石川に1秒も後れをとらないタイムでゴールし、強さをアピールした。

 

 

 この僅差の結果に「レース内容なども考えるとなるとまだどちらが出場するか分からない状況」と谷川コーチ。チーム内で高いレベルのレースを繰り広げられることが、競歩王国が受け継がれていく所以であろう。東洋大勢は今後の選手の調子を見て選考を行い、迫りくる関カレへと挑んでいく。

 

 

■コメント

・谷川コーチ

(選手の出場意図は)関カレに池田と川野は出場することがもう決まっているので、残り一枠の選考だった。石川と長山のタイムが僅差であり、かつレース内容なども考えるとなるとまだどちらが出場するか分からない状況だ。(二人の歩きを見て)この暑さの中で40分台というのはまずまずだった。前半は1kmあたり4分4、5秒といいペースだったが、後半はペースの落ち込みが激しかったので、関カレに向けて後半ペースを落とさないようにしっかり練習していきたい。

 

・石川(済3=横浜)

(関カレの選考レースとなったが)前回あった能美では長山に負けていて厳しい状況だったので、ここでせめて勝たないと関カレは選考にも選ばれないなと思ったので、そこで今回しっかり東洋の中ではトップを獲ろうと思った。(レースプランは)目標としては40分台、ベストがトラックだと41分3とかでロードでも41分切れてなかったので、40分台目指して実際40分台が出せて中盤くらいできつくなったが、いつもだとそこでギリギリまで付いて一気に離れるという形だったが、今回は限界まできつくなる前に1回少し離れて余裕を持ってからまた後半追い上げられたので良かったと思う。(長山選手とのデッドヒートについて)後ろが誰かはよくわからなかったが、とりあえず来たなと。ラストあそこで負けたら関カレに出られないので、ラスト勝とうと思って頑張った。(関カレに出る選手は)まだ全然わからない状態。選考というよりは体の調子を見て、実力というよりかは調子を見て判断する。

 

・長山(済1=埼玉栄)

(選考レースとなったが)10000m歩くのが2回目だったのでまずは記録というよりも順位を意識した。誰か人の後ろについて行くというのが目標のレースだった。選考レースという面では石川さんに途中から追い上げられてしまったのが悔しい。(レースプランは)まずは人について後ろで楽に5000mまで行って、5000m過ぎからは余裕があれば先頭に出てレースを進めていこうと思っていた。(ラストスパートでは)何としてでも勝たないと出られないという思いがあったので最後は力を振り絞って頑張った。(今後の意気込みは)まずはインカレに出られるように、体がまだ全然出来上がっていないので体を絞ってスピードに対応できるような体をづくりをしていきたい。



TEXT=小野由佳莉 PHOTО=稲村真織、牧田のどか、両角あずさ

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