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平成30年度東都大学野球一部春季リーグ戦・亜大2回戦
5月30日(水)神宮球場
〇東洋大1-0亜大
完璧なリリーフを見せた甲斐野
今季、多く見られる上茶谷―甲斐野の本格派リレー。この日も、先発の上茶谷が連日の登板ながら六回を投げぬき、許した安打はわずかに2安打と堂々たる投球を見せる。「上茶谷が良かったから、情けない投球はできない」とリリーフエース甲斐野はマウンドに上がる。シーズン前から「自分が登板したからには勝ちをつかみ取る」と想定し続けていた展開となる。「代えられるまで全力で」の言葉通りに、今日の直球はMAX151㌔を計測。普段通りなら直球を軸に力で相手打線をねじ伏せるが、この日の甲斐野は違った。100㌔前半のカーブが投球の幅を広げ、追撃をしたい亜大ナインの 前に甲斐野が立ちはだかり、ひと味違う投球術を見せつけた。三回を投げ許した走者は四球のみ。勝敗の行方のかかる場面で今シーズン守護神として投げてきたこの男だからこそなしえた、貫禄の投球だった。
立正大2回戦の試合後、玉井投手コーチから「緩急を使え」と指導を受けていた。「ここまで投げなかったカーブを投げるきっかけになった」と新たな武器に自信あり。たゆまぬ努力で進化を続ける豪腕。優勝決定訪れるそのときまで、甲斐野はマウンドを守り抜く。
■コメント
・甲斐野(営4=東洋大姫路)
一点差で勝ててよかった。ブルペンで見てて、上茶谷が良かった。だからこそ、情けない投球はできないなと思ってマウンドに上がった。本来は上茶谷は3イニングの予定だったけど、タフだし投げれるところまでという形になった。自分は4回から準備して、マウンドにあげたら最初から全開でいこうと思って準備していた。亜大とは因縁めいたものがあるから、負けたくない。ただ、抑えるとそれだけを考えていた。今日は前回登板後に玉井投手コーチから緩急を使えという風に言われていたのでカーブを使い始めた。うまい具合にはまって良かった。今日は何としても勝ちたかったので、これでカウント取れたのは自分にとってとても大きかった。
今日の勝ちでやっと五分五分。逆王手を取った状態。やってやるしかない。受けて立つのではなく、向かっていく姿勢で勝ちに行く。明日も投げるとしたら勝ってる状態だと思うので、優勝のマウンドに自分が入れるようにしっかり守り抜きたい。
TEXT、PHOTO=須之内海