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2018.06.01
硬式野球

[硬式野球]「みんなでつかんだ3連覇」東洋大の強さ見せ、19度目の優勝果たす

 平成30年度東都大学野球1部春季リーグ戦・亜大3回戦

5月31日(木) 神宮球場

〇東洋大9-0亜大


3回戦

東洋大

亜大


(東洋大)

○上茶谷(6勝2敗)、甲斐野-佐藤

本塁打:佐藤(四、九回)

二塁打:中川(一回)、小川(四回)


・打撃成績

打順

守備

名前

(中)

竹原(法4=二松学舎大付)

(左)

飯塚(営3=藤代)

(捕)

佐藤(法3=聖光学院)

(二)

中川(法4=PL学園)

(右)

山田(総3=桐生第一)

(指)

岡崎(営1=帝京)

(一)

堀北(営3=龍谷大平安)

(三)

津田(総3=浦和学院)

(遊)

小川(法2=霞ヶ浦)



35

10



・投球内容

名前

球数

四死球

三振

上茶谷(法4=京都学園)

58

甲斐野(営4=東洋大姫路)

34



チームメイトからの胴上げには笑顔が止まらなかった

上茶谷は3連投の疲れを見せず、気迫あふれるピッチングを披露


正捕手・佐藤は2本の本塁打を放った


優勝が決まった瞬間チームメイトがマウンドへ駆け寄った


3連覇のかかる亜大3回戦は9-0で東洋大の大勝。杉本監督に初優勝をプレゼントし、チームが目標とするグランドスラムへの一歩を踏み出した。


  東洋の打力が光る一戦だった。「初回に相手を叩くのが東洋大らしい野球」という言葉の通り、1番・竹原(法4=二松学舎大付)が左へ運び、飯塚(営3=藤代)が初球を送ると佐藤(法3=聖光学院)の適時打で1点を先制。続く4番・中川(法4=PL学園)の二塁打で流れをつくると山田(総3=桐生第一)の四球で1死満塁に。6番・岡崎(営1=帝京)の内野安打でさらに2人が生還。小川(法2=霞ヶ浦)が死球を受け、押し出しの1点を追加すると、この回一挙4点を挙げた。


  「4点先制してもらって楽な形で入れた」と3日連続の先発を務めた上茶谷(法4=京都学園)。亜大1回戦でワンテンポでの投球は相手のリズムと合っていると分析。フォームを変え、力を抜くことを意識した投球で、相手打線をしっかり抑える。連投という疲れを見せず、6回で許したのはわずか1安打。「自分にとっても新しい武器を手に入れることができた」と人生で初の3連投から収穫を手に入れた。


  四回には1死から小川が右前二塁打で出塁すると竹原、飯塚の連打でここまで2得点。続く佐藤が2点本塁打で亜大を引き離していく。九回、この試合2本目である佐藤の本塁打でダメ押し1点を追加。その回の裏、甲斐野が最後の打者を空振り三振で抑えて試合は終了。甲斐野の元にチームメイトが駆け寄り、全員で喜びを噛み締めた。


  今季優勝に導いたのは上茶谷の存在が大きい。春季リーグ戦前に語っていた「3勝」の壁を悠々と越えると今試合で6勝目を挙げた。「目標を決めたらそこで終わってしまうので通過点として考えていた」とあえて目標を決めないことで手にした結果だった。さらに最高殊勲選手、最優秀投手、ベストナインの三冠を達成。駒大三回戦では20奪三振で東都の新記録をつくり出すと、リーグ最多奪三振記録において歴代7位の記録を叩き出す。個人としてもチームとしても華々しい結果で春季リーグ戦を終えた。


  「日本一しか目指すのところはない」と上茶谷。昨年の悔しさを晴らし、東都リーグの代表として大学日本一へ駆け抜ける。


■コメント

・杉本監督

亜大との対戦で勝ち点を落としたら優勝はないと分かって初めて自分の中でアドレナリンが出た。相手も中村稔選手が3連投できて自分の中でもすごくワクワクした試合だった。(優勝が決まった瞬間は)結構落ち着いていた。心の中ではすごくうれしいですけどね。ああいう点差がついて梅津を出そうか悩んだが、このプレッシャーのある試合で出すなら全日本に残したいと思った。梅津を出して余裕があると思わせるのは、亜大にも失礼かなとも思った。なので今日は上茶谷と甲斐野で。最後は何があっても梅津は投げさせないと決めた。(高橋元監督のあとを引き継いだが)どうしても敵うお方じゃないので、それに近づこうと一生懸命やるのも無理。同じような野球はできないと思った。なので選手とともに自分の発想を大事にしたつもり。これだけ野球に真摯に取り組む選手たちがいるので、この伝統は絶対に汚してはいけない。(選手にかけてきた言葉は)特に何も言わないので、選手たちは最初は面食らったと思う。もちろん練習のメカニズムは伝えている。あとは選手の理解に任せる部分が多い。



・井上コーチ

今日の選手たちは、今季で一番頼もしかった。得点が少ない試合が続いたが、初回から多く得点できた。持っている力を試合で出せれば、今日のような攻撃ができる打線だと思っている。今後も継続していけたらと思う。全日本選手権では、東都リーグの代表として、昨年のリベンジを果たしたい。


・中川主将(法4=PL学園)

素直に3連覇出来たのはうれしい。楽な試合は一つも無く、みんなでつかんだ3連覇だと思う。監督を胴上げできて良かった。去年は全日本1回戦負けをして悔しかったので、その悔しさを晴らすスタートラインに立てた。チーム一丸となり日本一を目指していく。


・梅津(営4=仙台育英)

いつでも投げれる状態だった。ブルペンから見ててもチームの雰囲気が良くて、先制点もしっかり取ってくれてたから上茶谷も投げやすかったと思う。去年の全日本選手権は優勝して当たり前みたいな心構えでいた。それで失敗したのはみんなわかっているので、今年は挑戦者として戦って去年の二の舞は踏まない。

 

・浦岡(営4=東洋大姫路)

今季はイニングの前のキャッチボールをして、投手を送り出してきた。その中で心がけてきたのは、先頭を切ろうとかそういう声がけをすること。自分が出たいという気持ちもあったけど、優勝もできたし佐藤が活躍してくれているから素直にうれしい。全日本選手権ではいつ自分に出番が来てもいいように準備したいし、勝って去年の1回戦敗退の雪辱を晴らす。


・上茶谷(法4=京都学園)

4点先制してもらって楽な形で入れた。自分としては結構捕らえられた印象だが、野手が盛り立ててくれてテンポよくできた。(3連投は)連投という疲れの中で抑えられたのは自分にとっても新しい武器を手に入れることができたなと思う。(亜大戦は)1戦目の途中からフォームを変えて、脱力を意識した。ワンテンポで投げるのは亜大の打者にあっていると思ったので六回からタイミングを変えた。リズムよく投げれて結果抑えられたのでよかった。自分の調子でフォームを変えるのはできるほう。調子がいいときはそのままで、試合によって変えた。どっちのフォームがいいかは試合によって変えられる。亜大の中村稔選手は連投で2試合目も完投したので、自分も負けられないという気持ちでいった。自分の中では小川が好プレーをしてくれたり、守備からのリズムでもあり、先制点からリズムをつくってくれたことが大きかった。(目標としていた3勝を大きく越したが)3勝というのは目標というより通過点。目標を決めたらそこで終わってしまうので通過点として考えていた。(甲斐野、梅津の存在は)プラスになることしかないし、あの2人がいなかったら今の自分はいない。(全日本へ)日本一しか目指すのところはない。東都の代表としてしっかり勝って行きます。


・末包(営4=高松商業)

優勝はチーム一丸で戦えた結果だと思う。4年生としてチームの先頭に立ち、チームを引っ張ることを考えていた。亜大が4年生を中心にまとまって向かってきたので、なおさらその気持ちが強かった。後ろについてきてくれた後輩達にも感謝したい。小川は、途中怪我で離脱したが、悔しさを良い方向に活かしてくれた。守備でも打撃でも貢献してくれた。飯塚は、好機で結果を残してくれる。佐藤の本塁打は思わず声が出た。本当に頼もしい。(全日本選手権に向けて)昨年の悔しさは忘れていない。全国で作った借りは全国で返す。またチーム一丸で戦いたい。


・中井主務(営4=東洋大姫路)

今まではピンチになったら声が小さかったりしていた。それが亜大戦になってから末包だったり宮川(法4=開星)を中心に盛り上げてってくれていい雰囲気になっていたと思う。自分が主務として心がけているのは目配り気配りをすること。まだ、できていないから頑張る。チームが優勝して全日本選手権に向けて、野球の面で行くと打撃がまだ不安だと思うからしっかり調整をしてくれたらと思う。全体的に言えるのはみんな一丸となって戦えるか。しっかりチームとして挑んで次は日本一をつかみ取って欲しい。


・飯塚(営3=藤代)

チームの雰囲気が朝からすごく良かった。先制に成功して、そのあと自分のタイムリーで追加点も取れた。打ったのは少し落ちたけど直球だと思う。追加点を欲しい中で一本出て良かった。自分は調子がいい時は良く球が見える時、今はその状態に近いと思う。優勝は素直にうれしい。全日本選手権に向けて気を抜かずにもう一度しっかりと練習していきたい。


・堀北(営3=龍谷大平安)

チームが連覇したのは良かったけど、自分はいいところがなかった。前半の調子をしっかり、後半にも発揮したかった。去年の全日本選手権は最後にライトの守備に入っただけだったから楽しみ。チームとしては去年の借りを返すために東京ドームでしっかり勝ちたい


・山田(営3=桐生第一)

優勝はとてもうれしい。練習からいい打球が増え、試合の中で凡打でもバットの芯で捉えた打球が出ていたので、調子は良かった。優勝が決まる試合で打てて嬉しい。守備面では竹原さんに助けてもらっている。最近外野を守り始めて、多少不安な面がある。そこをカバーしていただいている。やはり4年生の力は偉大。全日本選手権でも活躍したい。


・小川(法2=霞ヶ浦)

入学して以来、優勝以外を経験していないが、未だに慣れないし、とても嬉しい。上茶谷さんが3連投で気持ちが入った投球をしていたので、守備で盛り立てようと思っていた。竹原さんの声に、重要なセンターラインを守る立場なのでとても助けられている。今日は特に4年生の力をとても感じたので、今後に活かしたい。(4回の二塁打について)打ったのは内角の直球。とにかく後続に回す意識で打席に立った。2得点を挙げられてチームに貢献できたと思う。全日本選手権も頑張りたい。

 

TEXT=望月優希 PHOTO=土橋岳、齋藤洋、望月優希