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2018.06.11
硬式野球

[硬式野球]グランドスラムへの道 スポーツ東洋大展望

先発として登板が期待される梅津

抜群のコントロールが持ち味の阿部

大舞台で活躍が期待される山田


   6月10日の開会式を皮切りに翌週の17日までの1週間で大学野球日本一を決める大会、全日本大学野球選手権大会(以下、全日本)が行われる。そこで、今回はスポーツ東洋独自の視点から昨年からの飛躍を誓う東洋大野球部の全日本での展望を見ていく。


 昨年の全日本では投打においてチームの弱点が露呈。投手陣は春季リーグ中、主将兼エースを務めた飯田(H29年度営卒=新日鐵住金鹿島)を軸に、ルーキーの村上の先発二枚の体制で戦い抜いた。しかし、全日本では初戦で壁に阻まれる。先発、飯田が捕まるとその後は継投策に。当時、3年生であった中田(営4=大宮東)が好救援で一矢を報いる形になるも初戦敗退と悔しい結果に終わった。


 今年は一味違う。開幕のマウンドを任され、今季リーグ戦で投手三冠を達成した上茶谷(法4=京都学園)を筆頭に投手陣が充実している。150㌔トリオの注目投手は、エースナンバーを背負う梅津(営4=仙台育英)だ。チームメイトからも期待を寄せられているこの男は、「全日本のキーマンは自分だ」と自身の意気込みも十分。怪我から復活するたびに期待を超えるパフォーマンスを見せてきた剛腕。この男の復活劇がチームの明暗を左右する。また、昨年より厚くなった中継ぎ陣。今季は登板機会に恵まれなかった阿部(営4=佐久長聖)、中田(営4=大宮東)、藤井(営4=富士市立)ら左腕3本柱を中心に頼れるブルペン陣が試合の流れを整える。


 続いて、"打の東洋"と称される打撃陣だ。今季は昨季と違い、好機を逃さず効果的に得点を重ねリーグ優勝を果たした。打撃の起点は竹原(法4=二松学舎大付)と佐藤(法3=聖光学院)のリーグ戦最多の19安打コンビ。この2人でのチャンスメイクに注目したい。打撃陣のキーマンを上げるならば、今季なかなか固定されなかった指名打者だろう。ミスター東洋と呼ばれる強打者の証である背番号8を背負う山田(総3=桐生第一)、パンチ力が持ち味の末包(営4=高松商)、開幕戦でスタメンの座を勝ち取った佐々木(営1=帝京)、ここ一番での勝負強さはリーグ戦で証明済みの岡崎(営1=帝京)らが有力だろう。中でも、山田はリーグ戦終盤で右翼のスタメンを勝ち取ると長打こそないものの鋭い打球から好調ぶりがうかがえる。打撃の起点に座ることが想定される指名打者の男たちがどこまで自身の打撃ができるかで、チームの勢いも変わるだろう。


 初戦は昨年と同じく東京ドームでの試合となる。「去年の借りはしっかり返す」と気合は十分なナイン。その初戦の相手は、リーグ戦を124得点・防御率3点台と危なげなく勝ち抜いた九産大か、昨年度の日本代表選手である青島を筆頭に飯嶋ら盤石の投手陣をそろえ首都大学リーグを戦い抜いた東海大だ。どちらが来ても相手に不足なし。まずは初戦、大学野球の聖地・神宮凱旋の切符をかけた戦いを迎える。

TEXT=須之内海、PHOTO=川口朋珠、齋藤洋