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第71回関東大学ボクシングリーグ戦
6月23日(土)後楽園ホール
東洋大8-1中大
【LF】○川谷(判定)金谷●
【F】○福井(判定)永田●
【B1】●山田(判定)松下○
【B2】○堤(判定)大久●
【L1】○木村蓮(判定)冨田●
【L2】○今永(判定)湯本●
【LW】○中川(判定)鶴田●
【W】○原田直(判定)五ノ井●
【M】○田中(判定)新田●
主将として結果でチームを活気づけた原田直
トップバッターの役割を果たしたルーキー川谷
木村蓮は安定した試合を見せた
徐々に調子を上げている今永
リーグ戦大活躍の田中
リーグ戦も後半戦に突入。前回の試合では惜しくも拓大に敗れ、1勝2敗で迎えた第4戦目の相手は中大だ。「全体的な流れがいい方向につくれた」と三浦監督。川谷(営1=豊国学園)と福井(営4=駿台学園)が連勝し、軽量級から流れをつくり8-1と圧勝した。
LF級では川谷がパンチが顔に決まるなど冷静なボクシングを見せ判定勝ちとなった。F級ではこれまで全勝中の福井が今回も勝利を収めた。ストレートが顔に何度も決まり、相手のパンチを交わすなど、勢いのある試合となった。
B級にはリーグ戦初出場となる山田(営3=高志館)が登場。1Rは左ストレートが顔に決まり攻めの姿勢を見せたものの2、3Rでカウントを取られてしまう。必死に相手にくらいつくが、悔しくも勝利を逃した。続くルーキー堤(営1=習志野)は「今日はしっかり打ち込んで連打を多くして、倒しにいくようなボクシングは出来た」と試合を振り返るように確実にパンチを何度も決め、安定した試合を見せた。
L級では木村蓮(営3=飛龍)が判定勝ちを収めた。「同じ静岡同士で手の出しどころも分かっていたのでやりづらかった」と語るものの、自分のペースで試合を進めた。1年生ながら全試合に出場している今永(営1=王寺工)も相手のパンチを交わし、ボディーブローを何度も決めるなど勢いのある試合を見せた。3R残り30秒では激しい打ち合いとなった。今永が勝利を収めこの時点で5-1となり、東洋大の勝利が確定した。
勝利が確定し、チームが活気づくなかLW級の中川(ラ4=高知)がリングに上がった。2、3Rで左ストレートを何度も決め勝利を決めた。キャプテンコールのなかW級には、主将の原田直(営4=崇徳)が登場。「自分の距離をしっかりキープしながらうまく戦えた」と語るようにボディーブローを決め判定勝ちとなった。「1番良かった」と三浦監督が語ったのはM級の田中(文2=享栄)だ。応援の盛り上がりも最高潮に達した。その中でスピード感のあるパンチやボディーブローを何度も決め、見事勝利を収めた。
リーグ戦も残すところあと1戦。2勝2敗で迎える最終戦は昨年のリーグ戦王者で、現在全勝中の日大だ。優勝の可能性は無くなってしまったが「王者日大を下して東洋大強いなって印象付けて終わりたい」と主将原田直は意気込んだ。今回それぞれが勝利の中で見つけた課題を見つめ直し、最終戦に挑む。
◼︎コメント
・三浦監督
LF、F級で2連勝いきたいと思っていた。それがうまく勝つことができたので、全体的な流れがいい方向につくれた。結果的に8−1という大差で勝つことができた。川谷の出来はあまり良くなかったが、2R目の後半からしっかりガードを上げつつ相手にプレッシャーをかけるという作戦に変えることが出来たので、それはすごく良かったと思う。福井は、相手も中々強い選手だったが、しっかり左をついたり、右も当ててバランスよく戦えたかなと思う。山田はリーグ戦初出場ということで、緊張感もあったと思うが、1R前半良かっただけに2、3Rのペースダウンの失速という面が少し残念だった。少し緊張感からくる気負いが見えてしまったので、そこは改善してもらいたいと思う。堤に関しては安定した試合が出来ている。バランスよく、返しのパンチも当てることが出来ているので安心して見られた。木村蓮は、同じ静岡対決になってしまって相手も手の打ちを知っているもの同士ということで中々うまくパンチを当てることが出来なかったが、その中でもしっかりボディーの打ち分けやディフェンスなどでポイントを稼いで勝ちに繋げられたかなと思う。今永は1年生のルーキーだが、足と手がうまく融合していて良かった。課題としては3Rのスタミナと足腰というところではあるが、全体的には試合を支配していたので良かった。中川も1R目はポイントがどっちに行くかというRをつくってしまったが、しっかり2、3Rでパンチをまとめることが出来て、明白に差を広げられたのではないかと思う。原田直はリラックスしてボクシングができれば、もう少しうまく戦えたのではないかと思う。しっかりポイントを取って勝ったのでそれは良かった。田中が1番良かった。しっかりガードを上げつつ、スピードのあるパンチ、強弱、ボディー、そういう面でしっかり安定していてRを重ねていったかなと思う。(最終戦に向けて)4戦全勝で日大戦にぶつかりたかったが、結果2勝2敗で次の日大戦ということになってしまった。我々本当はもっと力があると思っているので、選手個人がしっかり力を発揮する、そしてチームまとまって日大戦にぶつかるというということをしっかりこなせば、昨年チャンピオンチームではあるが、勝つことができると思っているので、全力でぶつかりたいと思う。
・村田(H19年度営卒)
勝って良かったですね。堤くんは相当別格なものを持ってるなと感じましたし、蓮太郎もけががある中でぶつけないようにケアしながら戦っていたしすごく良かったと思います。前に行って無理してぶつけてしまっても良くなかったからね。M級の田中はポイントゲッターとして、今後とも活躍できる素質と実力があるから期待しています。
・堤(営1=習志野)
3R目は強いパンチを混ぜながら仕掛けられたが、1、2Rは攻撃が少なかったかなと思う。いつもはあまり倒しにいくようなボクシングはしないが今日はしっかり打ち込んで連打を多くして、倒しにいくようなボクシングは出来た。(リーグ戦の雰囲気には)まだ慣れない。結構緊張しちゃって自分の実力が出せてないので、まだまだです。特別なものがある。盛り上がりも普通の全国大会とは違う。まずは体調管理と減量もしっかりコンディションを作っていって最後はいい内容で終われるように尽くしたい。
・木村蓮(営3=飛龍)
同じ静岡同士で手の出しどころも分かっていたのでやりづらかったが、しっかりジャブ突いて自分のペースで出来た。勝てたけど、もっとフェイントを多く出して勝てたらもっとよかったと思う。もう少しガツガツいきたかった部分はあるが、キズのこともあるのでその中で勝てたのはよかった。
・今永(営1=王寺工)
ずっと練習していたことが、まだ全然完璧ではないですけどだんだん出来るようになってきた。これからもっと練習して自分のボクシングが出来るように頑張っていきたい。(大学に入って)練習相手が自分と同じくらいのレベルだったり、自分より上のレベルの人がいっぱいいて、コーチも良い指導をしてくれる。3週空くので、今まで通りボクシングの練習をして今日よりもいい試合が出来るようにしたい。
・原田(営4=崇徳)
自分の距離をしっかりキープしながらうまく戦えたと思う。だが、練習で今までやってきたことは相手のグローブを叩きながら遠い距離でプレッシャーをかけていくというものだったから、今日みたいにパンチを当てただけで流れが終わってしまったことが課題。チームとしてはみんなしっかり自分の仕事をしてくれていた。一人負けてしまったがそれもしっかり自分の力を出し切った上での打ち合いだったから、まだまだなところはあるけれども初出場で頑張っていたと思う。やっぱり堤は相変わらずすごい。蓮太朗とかも国際大会を控えているから、いつもとは違って距離をとって安全運転でやっていたにも関わらずしっかりポイントを取っていたのはやはりすごい。もう優勝はなくなってしまったが、終わり良ければすべて良し…とまでは言えないけれども王者日大を下して東洋強いなって印象付けて終わりたい。
・田中(文2=享栄)
もうちょっとスピード出して脚を使ってできたらなと思う。攻撃終わりとかに自分の気が少し抜けてしまって相手の左パンチを結構くらってしまった。動きとしては悪くもなかったけど、もっとできたかなと思う。打たれても前にしっかり出るということは良く出来た点だと感じる。今のところリーグ戦で3戦出させてもらって全部勝っているから、日大戦も出させてもらえるのであれば打ち負けないボクシングをして、勝ってチームに貢献したい。
TEXT=岡村珠里 PHOTO=梅山織愛、中村緋那子、越塚日南