Article

記事


2018.06.24
硬式野球

[硬式野球]平成のラスト侍に甲斐野、佐藤が選出

平成30年度侍ジャパン代表選考合宿

6月22日(金)〜24(日)バッティングパレス相石ひらつか

雨の中力投を見せた甲斐野

佐藤は守れる全ポジションで試合に参加した

最後の紅白戦で積極的な走塁を見せた中川

3試合中2試合に登板した上茶谷

チームを率いる生田代表監督(亜大)

    神奈川県平塚市にあるバッティングパレス相石ひらつかで22日から3日間にわたり、大学野球日本代表の選考合宿が行われた。チームからは中川主将(法4=PL学園)、上茶谷(法4=京都学園)、甲斐野(営4=東洋大姫路)、佐藤(法3=聖光学院)が参加。そのうち代表メンバーに甲斐野、佐藤が選出された。


    初日は翌日の天候を考慮し、予定を変更して紅白戦が行われた。その中で甲斐野は直球で156㌔をマークするなど代表入りへ猛アピール。「国際球は少し滑る」と少し不安げな表情を見せたが、結果でその不安を晴らして見せた。

    2日目は朝の集合から軽く身体を動かし、7イニング制の紅白戦を実施。「安打の少なさはいい投手が集まっている証拠」と生田代表監督が語るように、この試合は両軍通じて投手陣のアピールが光った。本職の捕手ではなく右翼手として守備についた佐藤は「普段と違う角度からピッチャーを見れる。配球も勉強になる」と一歩先を見据えた貪欲な姿勢を見せた。2試合目の第1投手としてマウンドに上がったのは、今季リーグ戦で大車輪の活躍を見せた上茶谷。上々の立ち上がりを見せるも二回に本塁打を浴びてしまう。これには「カウントを悪くして打たれてしまった。相手打者が1枚も2枚も上手だった」と表情を曇らせる。この試合は悪天候もあり、予定の五回まで行われず終了となった。

    最終日、早朝にフリー打撃を終えると4イニング制の紅白戦に。この日出場機会があったのは中川のみだったが、四球2つで試合を終えた。午後の記者会見で代表24選手が発表。東洋大から参加した4選手のうち甲斐野と佐藤が選出された。「佐藤は捕手だけでなく内外野守れる選手」と生田監督からも複数ポジションでの活躍が期待されている。


   チームは7月に開催される日米野球(米国開催)とハーレム国際野球大会(オランダ開催)に参加が決まっている。甲斐野・佐藤両選手の活躍に期待だ。


■コメント

・生田代表監督

投手陣がかなりハイレベルで、選考に迷いも出たが9名選んだ。ピッチャー中心にしっかりしたプランで臨みたい。野手陣は紅白戦で野手の得点能力が低いように思えたが、バッティング練習を見たら去年よりレベルが上がっていた。それだけ投手陣がハイレベルだということ。大会時はハードなスケジュールになる。技術はもちろん、メンタルの強い選手が引っ張って行ってくれると思う。チームワークが全てだと思うので、たくさん選手とコミュニケーションを取り、いい人間関係を気づいて大会に臨みたい。

・中川主将(法4=PL学園)

選考合宿の期間を通して球は見えていたが、紅白戦での四死球の多さもあり、自分の持ち味である打撃で結果が出せず、悔いが残る。だが、他大学のレベルの高い選手との交流の中で、打撃の話や、練習法、身体の使い方などを吸収することができた。それを自分の今後の参考にするのはもちろん、チームに還元していきたい。

・甲斐野(営4=東洋大姫路)

全体を通して状態が上がっている。1日目と2日目を比較したら2日目のほうが断然良い。点数的には50点で70点。2日目の減点のポイントはストレートの質。もっと高めていきたいと思う。前回の強化合宿と今回の選考合宿だとやはり雰囲気が違う。今回はいい選手が沢山いるのでその中で高めていけたらと思うし、自分自身も燃える。国際球はだいぶ慣れた。ただ、力強く握りすぎると抜けてしまう印象。どの球種が投げずらいとかはないけど、フォークがしっかり投げれないと自分の投球はできないので注意が必要だと思う。この合宿では投手陣は全体的に仲良くなれて、ボールの握りとかを聞けたので今後の練習でしっくりするものを探そうと思う。選ばれたら抑えになるのかなという感じなので、しっかりその役割を果たせるようにしたい。

・上茶谷(法4=京都学園)

紅白戦ではあまり球速は気にしないで投げていた。国際球を使っての試合で少し滑るのが気になったけど、徐々に修正ができると思う。2日目の紅白戦ではカウントを悪くして本塁打を打たれてしまった。ただ、調子も上がってきているし、自分が良いと思った球を打たれたので相手がすごかった。(選考合宿にきている選手は)バッターもピッチャーもレベルが高かった。特に意識していたのは松本航(日体大)投手。合宿前から気になってはいた。総合的に自分と一番タイプが似ていたので意識する存在だった。短い期間でのアピールは難しかったが、今持っている全力は出せたかなと思う。東都はもちろん、みんなが仲が良かった。東洋で一緒にいることもあったが、それ以外の選手とも、投手とは特に気軽に話したり、聞いたりできて自分も進化できた。

・佐藤(法3=聖光学院)

初日は思ったような成績を残せなかった。打撃の際に突っ込んで打ってしまうので、それを直さなければと思っている。今回の合宿は投手のレベルが高くてあまり結果が出ない印象だが、そこで結果を残さなければ世界一を取ることはできないので。国際球は最初は少し戸惑いましたが、修正はできてきてると思う。(外野とベンチから東洋の投手2人を見て)今まで受けていたけど別の角度で見れた。ほかの捕手の配球とか見れて勉強になった。そういったところで学んでいって自分に生かせるところは生かしたい。(外野のグローブは)自分の。鴨川キャンプのときは外野を守っていたのでつくっておいた。この合宿で外野やるかもと言われてたのでつくっておいて良かったと思う。ノックとかも受けているので最初ほどの違和感は無くなった。代表に選ばれたからにはしっかりと自分の仕事をして、チームの勝利に貢献したい。


TEXT=須之内海、PHOTO=須之内海、松本菜光花、齋藤洋