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2018.09.09
アイススケート

[アイスホッケー]FW猪狩4ゴールも法大との接戦制せず まさかの開幕戦黒星スタート

平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

9月8日(土) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大7-9法大


[ゴール(アシスト)]

4:36 猪狩(阿部、出口)

25:23 猪狩(出口、古川誠)

28:05 坂本(古川誠、阿部)

39:37 猪狩(古川誠、阿部)

41:32 出口(千葉、猪狩)

53:35 猪狩(古川誠)

59:38 古川誠(出口)


この試合4ゴールの活躍を見せたFW猪狩


FW古川誠主将は攻撃の要としてチームをけん引

復帰後公式戦初ゴールを決めたFW坂本



 関東大学アイスホッケーリーグ戦(以下、リーグ戦)の初戦の相手は、秩父宮杯第66回関東大学アイスホッケー選手権大会の2回戦で接戦の末勝利した法大。難敵相手に先制点を奪ったもののその後は苦しい展開が続き、7―9と開幕戦を勝利で飾ることができなかった。

 

 勝って勢いに乗りたいリーグ開幕戦。試合開始早々チャンスが訪れる。4分、FW阿部(社4=白樺学園)が放ったシュートをFW猪狩(社2=駒大苫小牧)が押し込み先制。「チーム全体でスタートを意識すると話していた(猪狩)」と話す通り、幸先のいいスタートを切る。しかしその22秒後、一瞬の隙を突かれ失点するとその後はペースを握られてしまう。14分にも得点を許し1点を追いかける形となる。


 追い付きたい東洋大は2ピリで怒涛の攻撃を見せる。25分、PP(パワープレー)のチャンスをものにしたのは先制点を決めたFW猪狩。放ったパックがゴール右隅に突き刺さり同点ゴールを奪う。しかしその直後に立て続けに失点し、2―4と点差を突き放されてしまう。このピンチに応えたのはケガから復帰したばかりのFW坂本(社4=八戸工第一)だ。失点の1分後、FW古川誠主将(社4=白樺学園)からのパスをフリーで受けてシュート。一度はGKに阻まれたものの確実に決め切り1点を返した。2ピリ終了間際には、FW古川誠主将が相手を引き寄せチャンスを作ると最後はFW猪狩。土壇場で追い付き4―4で2ピリを終える。


 続く3ピリでは開始1分で失点を喫してしまう。しかしその11秒後にFW出口(社4=駒大苫小牧)が自ら運んだパックを落ち着いて決め5―5。またも試合を振り出しに戻した。勝利のためにはここで得点が欲しい東洋大だったが、度重なるペナルティで数的不利の時間が続く。SH(ショートハンド)の中失点を許すと意地を見せたのはFW猪狩。角度がないところから放ったパックはGKをすり抜け今試合4点目のゴールを奪った。しかし、その後立て続けに2点を献上してしまう。試合終了1分前にFW古川誠主将がゴールを決めたものの、その20秒後にダメ押しの追加点を奪われ試合は終了。最終スコアは7―9と、攻撃陣の奮闘かなわず法大に勝利することはできなかった。


 7得点を奪ったものの勝ち切ることができなかったこの試合。鈴木監督は「初戦としてはやっぱり痛い負けだった」と失点を悔やんだ。しかし見えたのは課題ばかりではない。FW古川誠主将は「攻撃陣は7点とれて、攻撃力に厚みが出ている」とチームの得点力に手応えを感じている。次戦の相手は慶大。「初戦の反省を生かして、気持ちをリセットして試合に臨みたい」と鈴木監督は話した。開幕戦でスタートダッシュを切ることはできなかったが「リーグ戦優勝」の望みが消えたわけではない。ここで慶大に勝利して弾みを付けたいところだ。



▪︎コメント

・鈴木監督

ずっと苦しい展開ではあったが何回か自分たちでリセットして戦えるチャンスがあった。それもペナルティで自分たちで自滅したゲームだった。(ペナルティについて)仕方がないペナルティももちろんあったが、大半が自分たちで気をつけられるペナルティだった。そこは今日の敗因の一つ。(ゴールについて)全体的にオフェンスは攻めるという意識があった。たまたま猪狩が点数を決めたがオフェンス面は全体としてチャレンジできたと思う。(結果について)法大はとてもいいチームなのでそんなに簡単な試合になるとは思っていなかった。初戦としてはやっぱり痛い負けだった。(課題は)ディフェンス面が課題。(次戦に向けて)すぐ明日にゲームがある。今日の負けの反省を生かして、気持ちをリセットして試合に臨みたいと思う。


・FW古川誠主将(社4=白樺学園)

スタートから自分たちのがプレーできなくて、いらない反則でなかなか流れを掴めずにいた。逆に相手にいい流れでプレーされて失点も多くなって、一試合通して流れが掴めなかった試合だった。(収穫と反省点)この試合で反則で自分たちの流れに持っていけないとどの相手でもきつい展開になるということを改めて感じた。気持ちの面なので次戦までに修正できたら。攻撃陣は7点とれて、攻撃力に厚みが出ている。点数しっかりとれているので、そこは自信を持ってリーグ戦通してやっていきたい。(自身の得点シーン)6人攻撃して決めなきゃいけない場面だった。自分にフリーなうちにパックがきて、敵をかわしたらノーマークって形だったので。冷静にかわして少しでも時間残していい反撃につながればと。そういう気持ちで攻撃に臨んで結果的に入れられたので良かった。(次戦に向けて)初戦は自分たちの気持ちの面で負けたと思っているので、そこを1日で修正して次の慶大戦へ。しっかり自分たちのベストゲームをして3戦目にいい形で臨めるようにしたい。


・坂本(社4=八戸工大一)

1ピリでリードされて追いつくまでチームみんなハードワークしていたが、途中反則で首絞められた部分もあった。敗因というのも自分たちでしっかり分かっている。次の試合からそこは課題として臨めば、あとの試合は問題ないと思う。(自身のゴールは)1年半ぶりに試合に出て、公式戦初ゴールで、公式戦の復帰戦でこうして得点できたのは良かったしラインメイトにはとても感謝している。(復帰戦となった夏の交流戦でハットトリックは)去年の春大会の4月後半ぐらいに前十字靭帯断裂して1年半くらいずっとリハビリしていて、この前のサマー大会もやっと出て復帰戦は周りのおかげでぱんぱんぱーんって入った。たまたまです。(チームメイトからは)得点した瞬間もうみんな喜んでくれて正直ホッケー人生で一番思い出に残るゴールというか、一番嬉しかったのと、長い間1年半リハビリしてきて本当良かったなと。二度と戻ってこれないと思ってたのでまさか自分がまた氷上に立ってゴールなんて、できるなんて思ってなかったですし、本当にあの瞬間はホッケー人生で一番嬉しかったです。親もですし、いろんな人から復帰おめでとうってメッセージがきて応援してもらえてるんだなと思った。残り3ヶ月しかないので応援してくれる人たちにしっかり1年半ぶん、チームにいなくて迷惑をかけたのでしっかり恩返ししていきたいなと思います。(リハビリ中辞めたいと思ったことは)辞めたいというのはしょっちゅうですね。一番は同期がみんな出てたので、そういった中で僕一人出れていなかったのでなんで僕だけがっていう思いがあって正直ホッケーも見たくなかったですし、試合にくるのも本当に嫌な時期もありました。(そんな中で支えになった人は)やっぱり両親もですし、チームトレーナーの内山さんとか小林さんには本当に感謝してもしきれない部分があります。リハビリのトレーナーとかも本当にお世話になりました。あとは同期。同期はあの通りなのでちょっと口では全然言ってこないですけど、プレー面で僕がしっかり帰ってこれる道をつくってくれてた。普段ずっと一緒にいるので同期が頑張ってると俺も戻って復帰して頑張ろうかなって。それが一番大きかったですね。(ラストリーグ戦の意気込み)今日こういうふうな試合結果なのでそこはしっかり忘れて、もう僕自身最後ですし。本当に一つ一つが最後になってくるので悔いだけは残したくない。あとは優勝してスタッフやお世話になった人を胴上げできるよう頑張りたいです。


・FW猪狩(社2=駒大苫小牧)

チーム全体でスタートを意識すると話していた。法大相手に集中できなくてスタートが悪かった。そのままずるずる3ピリまでいってこういう形になった。(法大の印象は)点数を取ったら勢いに乗って連続ゴールしてくる、勢いのあるチームだと思う。(4ゴールについて)チームのために何ができるかというプレーをしたら4点決めることができた。明日からもチームのことを考えてプレーしていきたい。(次戦に向けて)まだリーグ戦優勝も全然ある。しっかり切り替えて勝ち点3取れるように、いいゲームで終わりたい。



TEXT=金澤瑞季 PHOTO=外狩春佳、川口朋珠