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第67回関東学生剣道優勝大会
9月9日(日)日本武道館
1回戦シード
2回戦 東洋大 5ー0 常盤大
3回戦 東洋大 6ー0 農工大※全日本出場決定
4回戦 東洋大 3ー2 順大
5回戦 東洋大 1ー1 駒大(本数差勝利)
6回戦 東洋大 1ー3 中大 (ベスト4)
主将としてチームを引っ張った三山
存在感を放った井田
創部以来初の4強入りを果たした
日本武道館で第67回関東学生剣道優勝大会(以下、団体戦)が行われた。シード出場の本校は、2回戦を5ー0、3回戦を6ー0と相手に1本も取らせない試合を展開すると、3位入賞という創部史上初の快挙を成し遂げた。その結果、全日本男子学生剣道優勝大会(以下、全日本)の出場権を獲得した。
全日本行きを決めたあとの4回戦目、相手は前回大会3位の立大を下し勢いのある順大。厳しい戦いが予想されるも主将の三山(文4=九州学院)は「一番印象的だし、良かった試合ですね」と振り返る一戦だ。チームは先鋒で唯一の上段の構えを使う、大野(文2=東海大浦安)が試合開始直後に逆胴を奪う。すると勢いに乗り二本勝ちを納め後続につないだ。その後は、一進一退の攻防が続き主将の三山へと回る。「勝敗が分かれるところ。勝たないとカッコ悪い」と覚悟を決め面を被る。団体戦メンバー唯一の4年生としての意地を見せつけるべく強気な戦いを披露。面を決め一本勝ちをおさめる。最後は先輩が作ったリードを井田(ラ4=本庄第一)が守りきり史上初の4強入りを果たした。
思い返せば2ヶ月前の個人戦。三山は「油断が敗因」と語っていた。だが、この日この男からは微塵も油断は感じられなかった。平成最後の夏に史上初の快挙を成し遂げたチームの原動力は間違えなく、この主将にある。「普段の姿と試合の姿は違う。勝たせたいと思う主将です」と主務を務める渡島(文4=広陵)は語る。
勝たせたいと思わせる主将に最高の花道を作ることはできるのか。「全日本への出場は通過点。目標はもちろん日本一です」と口を揃え目標を語った東洋大男子剣道部の全日本での活躍に期待が高まる。
■コメント
・板原監督
(今日の試合は)女子と一緒でチームワークをうまくみんながまとめてくれたので、その結果だと思っている。みんなが頑張ってくれたと思う。どの試合も接戦で、いい流れができてよかった。(最後の中大戦は)やっぱり上位に上がるところではあるので、ちょっとしたチャンスを掴むのが向こうの方が上で打たれてしまったかなと思う所もあるし、前半はうちのほうもしっかりと向かっていったので、いいところを打てたと思う。(女子ベスト8、男子3位入賞の要因は)チーム作り。みんなが女子も男子も、また応援のほうも一つになって、その結果が出たかなと思う。これで満足せずにまた全日本に向けて、まだ上がいるので、なんとかてっぺんを、一番を目指して頑張っていきたい。
・三山主将(文4=九州学院大付)
今日も調子は絶好調だった。1日を通しての長い大会。今日一番印象に残った試合を挙げるなら、順大との試合ですね。主将として試合に臨んでいて、勝負がかかるところだったので。そういう中で勝たないとカッコ悪いなと思いながら試合に入って、勝てたのは良かった。全体を通して点数をつけるなら12点。理由としては、このベスト4という結果に満足しないように。まだまだ上に行けたと思うので。でも、力の壁も少なからず感じました。このチームは4年生が自分しかいなくて、出れていない4年生の分も頑張るというのは大前提。その上でみんなが学年関係なく喜べるような結果をと考えて大会に来た。今回は男女揃って全日本に進めましたけど、これは通過点。その先の日本一を取れるように励んでいきたい。
・渡島主務(文4=広陵)
まずは全日本に男女ともに出場ができて本当に良かった。合宿をしてみんな追い込んで練習をしてきた成果が出た。なので、男子は史上初のベスト4でも不思議ではない。主将の三山を中心にいいチーム。主務として、この主将のチームを勝たせたいと思ってここまでやってきた。主務ときては自分に何ができるのかを第一に考えて、最善を尽くすことに徹している。全日本で選手に期待することは、このチーム結成時に掲げた日本一を見据えた戦いを期待したい。今回も最後負けはしたけど、引けを取らない戦いをしていたので期待はできると思う。
・井田(ラ3=本庄第一)
全日本を決めた時は嬉しかった。けれど、そこを通過点と考えてもっと上を目指そうということをチームとしてやっていたので、先へ進めて良かった。二戦目までは雰囲気が良くなかったが、三回戦からは持ち味であるチームワークが出せた。チームで勝てたと思う。合宿できつい練習を重ねた成果も出しきれた。自分の調子も、逃げずに前に出て、攻められたので良い感触。(中大戦での一本について)監督に「勝負してこい」と言われて臨んだ。今後につながると思う。
(先日、女子も全日本出場を決めたが)女子がいい結果を出したので、男子も負けないように、と思っていた。全日本では、また一から積み上げて優勝を目指す。
・斎藤(文1=東海大学付属浦安)
一試合目はちょっと調子が悪かったが、先輩たち全員が「お前思い切って行け」と言ってくれ、順大戦から思い切り出来たので、そこはもう先輩たちに感謝しかない。一年生1人しかいなかったが、(先輩たちに)お世話になっているので、絶対全日本出てやるぞって気持ちで臨んでいた。とにかく全日本に行けてよかったと思う気持ちでいっぱい。(順大戦からは)東洋大の男子の過去の最高記録がベスト8だったのでそこは絶対に破ってやるぞって気持ちでいた。(女子がベスト8進出したことについて)チーム一丸で、女子の記録は越すぞって気持ちで争ったので、越えれた時は正直嬉しかった。(順大戦は)その前に三輪先輩が1本返してくれて、繋げるぞって気持ちだったので、なんとか(とられたあと)1本返せてよかったかなと思う。(3位という結果について)優勝を狙っていたが、3位に入った時は言葉が出なくて、嬉しいの一言だった。これから全日本が一番近くにあるのでそこは絶対に一戦一戦勝って、先輩たちに最後、恩返しできるよう頑張るじゃけ。
・三輪(ラ3=麗澤瑞浪)
(今日の試合は)三山さんのために勝とうと思って臨んだ。全力でやろうと思って戦った。普通にやったら(全日本出場まで)負ける試合ではなかったので頑張った。(順大戦は)負ける気がしなかった。今日印象に残った1本は中大戦での引き面。関東でのベスト4はすごいと思うので、誇りに思う。(女子の全日本出場で)女子よりは上に行こうと思いました。反省点は面打った時の声と打突がずれてたこと。(よかったことは)みんなで勝とうと思えたこと。(次の試合は)絶対に勝つ。
TEXT=加藤勇大、PHOTO=齋藤洋