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2018.09.10
水泳

[水泳]激戦続いたインカレが閉幕!花車、山本健が表彰台へ

第94回日本学生選手権水泳競技大会

9月7日(金)~9日(日) 横浜国際プール


(3日目・予選)

◆男子400m個人メドレー

2組

1着 田中大 4'24"06

→全体15位でB決勝進出

2着 宝田 4'24"16

→全体16位でB決勝進出

3着 森時 4'25"17


◆男子100m自由形

2組

6着 勝岡 51"35

7組

2着 中村 50"36

→全体10位でB決勝進出

8組

9着 川口 52"10


◆男子100m背泳ぎ

4組

1着 細川 56"74

5組

3着 山本遥 57"30

9組

1着 渡辺皆 56"83


◆男子200m平泳ぎ

1組

1着 上田 2'16"53

3組

5着 辻田 2'16"60

10組

1着 花車 2'11"55

→全体1位で決勝進出



◆男子4×200mフリーリレー

4組

1着 東洋大 7'25"18

(山本悠ー中村ー松田ー川口)

→全体6位で決勝進出


(3日目・B決勝)

◆男子400m個人メドレー

7着 田中大 4’25”75

8着 宝田 4’25”93


◆男子100m自由形

6着 中村 50”67



(3日目・決勝)


◆男子1500m自由形

3位 山本健 15’21”55


◆男子200m平泳ぎ

2位 花車 2’10”86


◆男子4×200mフリーリレー

4位 東洋大 8’20”83

(山本悠ー中村ー松田ー川口)


(総合成績)

1位   明治大   339.5点

2位   中京大   317.0点

3位   早稲田大   285.0点

4位   近畿大   271.0点

5位   日本体育大   258.0点

6位   日本大       235.0点

7位   東洋大   226.0点

8位   中央大   180.5点


激戦を泳ぎ抜いた8継メンバー


初決勝で3位をつかみ取った山本健


花車は決勝で堂々とセンターレーンを泳ぐ


強敵相手に健闘した花車


レース後にはチームメートの歓声に感謝


 平成最後の夏、いよいよ迎えた全日本学生選手権(以下、インカレ)最終日。これまで表彰台に登れずにいた東洋大男子だが、1500m自由形で山本健(営2=尾鷲)が3位入賞、花車(文1=丸亀)が200m平泳ぎで準優勝を果たした。一方で主将・山本悠(済4=智辯学園)のもと優勝を目指した4×200mフリーリレー(以下、8継)では4位と惜敗。多くの笑顔とともに選手の涙で戦いは幕を閉じた。


 最初の決勝種目1500m自由形には山本健が登場。最初の500mを予選より3秒以上遅いスローペースでスタート。7番手と出遅れるが「前半の500を抑えてそこから上げていいく」というレースプラン通り。ペースが落ちていくライバルたちを横目に、順位を上げる。しかし、2コースを泳いだ山本健はレース中、反対サイドは確認できなかったため自分の順位はわからなかった。自身のペースで1500mを泳ぎ切り、電光掲示板を確認したときに初めて自分が3位であったことを知った。レース後、普段はポーカーフェイスの山本健だが「超うれしい」と感情が溢れた。


400m個人メドレーでは予選2組に、森時(文4=比叡山)、田中大(法2=呉湊)、宝田(法1=東福岡)がそろって出場。森時が背泳ぎ終了地点でトップに立つと、二人も追い上げをみせ上位3人に東洋大が並んだ。自由形勝負となり、依然トップは森時。しかしラスト25mで後輩二人が抜き去り、田中大、宝田、森時の順番でフィニッシュ。3着までに並んだが1秒の差は大きくB決勝には田中大、宝田のみの通過となった。B決勝では2人とも順位を上げることは出来なかったが、切磋琢磨しこれからも成長を遂げるに違いない。


前日の200m自由形に引き続き100mでも決勝進出を狙う中村。しかし、接戦に敗れB決勝にとどまった。B決勝ではタイムを落とし6着に。この後行われた8継でのリベンジを誓った。


200m平泳ぎは、花車はベストで予選1位となり決勝へ。センターレーンで挑んだ決勝のレース、両サイドには渡辺(早大)と武良(日体大)といったトップスイマーが並んだ。最初の50mは周りに体半分ほどのリードをゆるし7位と出遅れる。しかしそこから徐々に差をつめ、残りの50m5着で前を泳ぐ武良や渡辺などとの差は約0,5秒。花車にとっては射程圏内だった。一気に抜き去り渡辺に次いで2位でフィニッシュ。「周りが盛り上げてくれるのがモチベーションになった」と話す花車は、レース後大歓声を挙げるチームメイトに大きくガッツポーズで応えた。初日の100m平泳ぎでもベストを更新し、この3日間で大きく成長した花車。世界記録保持者の渡辺との差は徐々に縮まっており、勝利を飾る日にも大きく近づいた。


インカレ最終種目は山本悠主将が「ずっとこの舞台で勝つことを目標にやってきた」と語る8継。昨年と同じ山本悠、中村、松田(法4=京都外大西)そして3年目に初めてメンバー入りを果たした川口(法3=津田)で挑んだ。個人種目での優勝者が並んだ強豪ぞろいの1泳は山本悠がなんとか食らいつき6番手で、バトンをつないだ。インカレ10レース目となった中村だが、東洋大エースの意地をみせ順位を1つ上げ松田へ。今大会、不調で個人種目では苦しい結果が続いた松田。しかしそんな時でも「後の種目に支障が出るから前だけ向いている」とチームの精神的支柱の役割を担っていた。そしてこのレースでは不調を感じさせない力強い泳ぎで、4人の中で一番早い1分49秒58。順位も3位まで押し上げた。アンカーの大役を担った川口は昨年の準優勝をうれしさの反面、自分が出れないもどかしさとともに見ていたという。「来年は絶対にでるぞ」という思いで過ごしてきた。チームメイトの思いを一心に背負い、0,22秒の間に4校が並ぶ表彰台争いへと飛び込んだ。横一戦のままレースは終盤へ。その接戦からわずかなリードを奪ったのは高柳(日大)だった。東洋大は4位でフィニッシュ。願いは叶わなかった。レース後、「もう満足です」と最後まで強い姿を後輩たちに見せていた松田は涙した。そして、ここまでチームを引っ張ってきた山本悠主将は「後輩たちが付いてきてくれて、が自分を支えてくれて本当に幸せ者です」とリレーメンバーだけでなくチームメイトやコーチ陣への感謝を口にした。

 

 この試合でほとんどの4年生は引退。多くの後輩たちはこの試合に臨むにあたって「4年生のため」と口にしていた。男子総合3位以上という目標は達成出来なかったが、4年生が背中でみせた強い想いは必ず後輩たちに引き継がれていく。インカレの悔しさを晴らせるのはインカレのみ。一年後のこの舞台でのリベンジの物語はすでに始まっている。


■コメント

・上田(営4=城南)

ちょっとした取りこぼしもあるが、チーム全体で結果を出して決勝・B決勝へ良い波を作れた。100mがよかった分どんだけ上げられるかと思っていたのでベストだけど決勝ラインには程遠いので悔しい気持ちが大きい。(100mは)0.8秒ベスト。(最後のインカレは)気持ちの入り方が全然違って、このインカレはは最後やってやろうという気持ちで臨んだ。


・松田(法4=京都外大西)

満足です。ずっと去年の9月からチームを先頭で引っ張ってきて、大きい目標を立てて自分を鼓舞して頑張ってきたつもりだったが、最後は後輩が助けてくれて、後輩に感謝したい。総合順位も落としてしまったし、リレーも最後順位を表彰台に乗れなかったけど、みんながいたから個人がダメでも頑張ろうと思えたので、感謝の気持ちしかない。東洋に来てなかったらこんなに伸びてなかったと思うし、先生に感謝している。やりきりました。


・山本悠(法4=智弁学園)

新チームが始まって松田と去年準優勝したから、今年は絶対に優勝しようって言ってチームを始めて、ずっとこの舞台で勝つことを目標にやってきた。最後自分がベストで泳げば勝てたが、自分の力が足らず勝てなくて。でも最高の仲間とこの舞台で泳げたってことに感謝してここまで育ててくれた親、チームメイト、先生に感謝したい。松田は個人の成績はよくなかったが、そんな中でもチームの精神的支柱として活躍してくれて、チームの雰囲気を大切にしてくれた。中村は1年生から自分と3年間8継を毎回いいタイムで泳いでくれて、川口も自分のレースがあるにもかかわらず、8継もしっかり泳いでくれて3人には感謝したい。チームとして目標を達成できなかったのは、自分自身不甲斐ないが、後輩たちがついてきてくれて、同期が自分を支えてくれて本当に幸せものです。


・川口(法3=津田)

去年の準優勝を僕は応援スタンドで見ていて、うれしかったが気持ちのどこかでメンバーに入れなくて悔しいという思いもあった。来年は絶対に出るぞと思ってこの一年頑張ってきた。絶対に表彰台に乗りたいと思っていたので、何が何でも3位に食い込もうと必死だった。この1年間練習でも寮生活でも引っ張っていただいてたのでとてもさみしい。でも僕らが上級生になって、引っ張っていく学年なので切り替えて頑張っていきたい。同期のかいとは10レース泳いでて僕は体がきついとか言ってられないのでそれを言い訳にせずに最後まで泳いだ。


・中村(文3=比叡山)

1年目から8継を泳がせてもらって、1年目は公介さんと翼さんがいて悔しい準優勝だったが、去年はその屈辱を晴らしてうれしい2位だったので、今年は3年間連続で組んだ悠暉さんと1番リレーにかけてきた健志さんに最後は笑ってもらいたかったが、自分がへばってしまって悔しい。大学に入ってから1番お世話になったのが今の4年生なのでお前がエースだろって言われてほんとは1泳で1番で帰ってきたかったが、悠暉さんに負担をかけてしまって悔しい思いしかない。(個人では)100mはA決勝、200mは表彰台を狙っていて達成できなかったので来年は絶対に優勝します。去年9レースしてしんどい思いして、今年は10レースを想定したのにベストを数回しかない出せなくて、まだ弱いのでもっと練習して来年笑って終わりたい。


・田中大(法2=呉港)

目標は2分22、23秒くらいだったので少し届かなかった。2本目にタイムを上げるのはむすがしいなと思った。(後輩の宝田とは)お互い切磋琢磨して高いレベルで戦いたい。今回はB決勝で終わってしまったので来年はA決勝目指して1年やっていきたい。


・山本健(法2=尾鷲)

超うれしい。予選が終わった時点でマネージャーさんや先生と話をして、前半の500を抑えて上げていこうとしていたのでそれがハマった。隣は見えていたが中盤反対側は見えていなくて、ラスト500過ぎたくらいから、あれ?と思って上げていった。3位というのはわかっていなくて、もしかしたらと思って泳いでいたのですごい嬉しかった。今回4年生が苦しんでて、その4年生がレース前声をかけてくれて絶対に頑張ろうと思って泳いだ。レース前はめちゃめちゃきつくてやっぱりインカレなので頑張れた。インターナショナルを狙っていたが、3秒くらい足らずにそこは満足出来ないので来年の日本選手権でユニバーシアードを決めたい。



・花車(文1=丸亀)

右も左も自分より前にいるのは分かったが、どうしても表彰台に乗りたかった。周りが前半型なので、いつも以上においていかれたらまずいが落ち着いて、自分の持ち味の後半で勝負した。9秒台を狙っていたがそれは結構難しかった。でも今日はとりあえず2位になれたので良しかなと思う。泳ぎにはかなり自身があるが、スタートとかターンとかの動作は自分は甘いのでまだまだかなと思う。泳ぎもフォームを崩さずに上げていきたい。チームで戦うというのが今までなかったので、周りが盛り上げてくれるのは自分のモチベーションにもなったし、同級生の頑張りや4年生の最後のレースが自分のやる気になった。(3日間で6本のレースを泳いだが)予選から全力でいかないといけなかったので、そこはきついかなと思ったが、中村選手とかは10本とかもっと大変な先輩の事を考えたらそんなこと言ってたれない。ここで気持ちをきらさず10月の試合まで好調を保って、出来ることなら上げていきたい。


TEXT=梅山織愛 PHOTO=望月優希、越塚日南、伊藤なぎさ 牧田のどか

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