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これからの注目選手を紹介する記者の目のコーナー。第1回と第2回は紙面にて掲載しておりましたが、今回はスペースの都合上Web特別版として酒巻翔(営2=成田)内野手をお届けします。
酒巻翔(営2=成田)の持ち味は恵まれた身体を生かした長打力。この男が頭角を現し始めたのは今夏のオープン戦のこと。「神栖キャンプでは3時間バットを振り続けたこともあった」とその鍛錬を振り返る。そんな若き大砲もここまで公式戦での出場はわずか。その中で一番の活躍は今年度の全日本大学野球選手権大会で放った本塁打だろう。「シュート回転してたから内角は身体の回転で」と狙い球を一閃(いっせん)。強烈な打球を東京ドームの左翼席に突き刺した。「このチームは強い」試合後そう語った胸の内には特別な思いがある。
「4年生にはお世話になっている。大好きな先輩たちと1日でも長く一緒に野球をしたい」と照れくさそうに語る。その中でも特に主将・中川(法4=PL学園)には、以前から打撃の指南を受けているという。「不調になった時の対応の仕方だとか、まだ聞きたいことがある」と下級生時から主力として活躍する大先輩から、少しでも吸収しようと貪欲だ。4年生と共闘する最後の舞台となる秋季リーグ戦に向け、充実の内容で夏のオープン戦を終えレギュラーの座をつかみ取った。
夏のオープン戦で実力を発揮
そして迎えた秋季リーグ戦。自身の目標を「規定打席に立ち、チーム打点王」と定める。天敵・立正大との2回戦ではスライダーを右中間に弾き返すと、サヨナラ勝ちを呼び込む二塁打に。早速勝利に貢献する一打を放った。目標が達成されれば、自ずとリーグ戦4連覇、そして全国制覇も見えてくる。大好きな先輩と少しでも長く野球をするために。若き大砲は強い思いを胸にバットを振り、神宮を湧かすアーチを架ける。
立正大2回戦で二塁打を放った
TEXT=齋藤洋 PHOTO=齋藤洋、松本菜光花