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2018.09.25
アイススケート

[アイスホッケー]FW出口躍動!GWSの末中大戦制す

平成30年度関東大学アイスホッケーリーグ戦

9月24日(月) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ


東洋大4-3中大(PS)


[ゴール(アシスト)]

26:14 古川誠(出口、中村)

37:26 阿部(中村、佐藤)

59:27 武部(所、猪狩)


勝利の立役者、FW出口


1試合ゴールを守ったGK古川駿


FW古川誠は貴重な1点目を叩き込んだ


FW武部の遮二無二なプレーがチームを鼓舞する


※掲載が遅くなり、誠に申し訳御座いません。



 一つの峠ともいえる中大戦。中大に先制点を決められ、ペースを掌握される中で食らいついていく。3ピリ終盤1点を追いかける展開の中でFW武部(社2=苫小牧工)が土壇場で同点ゴールを決めると勝敗の行方はGWS(ゲーム・ウィニング・ショット)へ。互いのテクニックの応酬となったが、FW出口(社4=駒大苫小牧)がシュートを決め勝利。勝ち点2をつかみ取った。


 試合開始から積極的にゴールに向かう姿勢を見せるものの、なかなか得点に結びつかない時間が続く。GK古川駿(社4=八戸工大一)を中心に失点を抑えるも、1ピリ終了1分前に相手のパックがゴールに決まって0-1に。1点を追う形で2ピリに続く。

 迎えた2ピリも最初からアグレッシブに攻める。ここで見せたのはキャプテン・FW古川誠(社4=白樺学園)。相手を交わしてGKとの1対1に持ち込むと、冷静に対峙し上方に浮かせるショットを放つ。「自信はあった」と鮮やかにゴールネットを揺らした。その後再び相手に得点を許したものの、残り約2分30秒にFW阿部(社4=白樺学園)のシュートが決まり、2―2と振り出しに。続く3ピリでは追加点が欲しいところだが、またも先に試合を動かしたのは中大だった。再び追いかける形になった東洋大を救ったのはFW武部。「諦めない気持ちで」と強い気持ちを持ち続けた彼は、最後の30秒に執念の同点ゴールを決めた。3-3で60分間の試合時間は終了。勝敗はGWSに託された。


 GWSは両チーム1ゴールを決めてサドンデス方式に持ち込まれた。先攻は東洋大。鈴木監督に“エース”と称されるFW出口が立て続けにPSを成功させる。会場が緊張に包まれる中、GK古川駿が相手のシュートを弾いて試合終了。GWSを制して勝利を収めた。好敵手相手に粘り強く戦ったチームを、鈴木監督は「最後まで諦めない気持ちが最後の勝利に結びついた」と評した。


 勝利を手繰り寄せたFW出口は「誰が決めたとしてもチームが勝てばうれしい。その中で自分が決めて勝てたというのはさらにうれしい」と勝利を噛みしめた。ゴールを守り続けたGK古川駿は「ハードにプレーしてくれたおかげで勝つことができたので、味方に感謝」とチームメイトへの謝意を口にした。

 シーソーゲームを制した選手たちのヘルメットには2つの数字が記されていた。それはケガによって氷上を離れている仲間の背番号。「出たかった選手の思いも背負って」と、志を共に選手たちは戦い抜いた。


 次戦は宿敵明大だ。「どんな形でも絶対勝つ」とFW古川誠は闘志をみせる。春の激戦をもう一度。悲願の優勝に向けて、チームは研鑽(けんさん)を積む。



■コメント

・鈴木監督

正直うちの力を出し切れなかったゲームだった。その中でもGK中心に粘り強く戦ったのと最後まで諦めない気持ちが最後の勝利に結びついたと思う。(勝因は)最後まで諦めない気持ち。あまり動きはよくなかったが、ベンチでポジティブな声あったしチームで勝とうという意識が最後までもてていた。それが同点ゴールや勝ちにもつながった。(GWSの采配)4年生の古川誠、阿部、出口を起用した。4年がチーム引っ張ってくれていて、このラインがすごく頑張ってくれていたので最初にその3人ピックした。PSでは出口うちのエースではあるので、3人で決まらなければ出口を使い続けようという考えがあった。なかなかないゴールを見せてくれて、次につながるいい終わり方ができた。(順位変動などに関して)やっぱり自然と選手達も前の試合の結果が頭にあったと思う。まだ1次リーグなので、うちとしてはほんとにひとつずつやっていきたい。今回の試合では勝ち点を1落としたが、最低限の数字はとれたと思う。(明大戦に向けて)1次リーグのひとつ大きな山だが、一戦一戦という気持ちを持って、次の試合もまた0から戦いたいと思います。


・FW古川誠主将(社4=白樺学園)

守りが課題だったが、結果論で言うと3失点で抑えられたというのは、自分たちは3点以上取る能力はあるって信じてるので、それが勝ちにつながったかなと思う。(自身のゴールは)相手が転んでくれて、ノーマークでチャンスだったので自分の得意なコースに打とうと思って。自信はあったので。打ち抜いたという感じ。(「4年生中心にやってくれた」と鈴木監督)前の試合で自分の調子が悪くてチームに迷惑をかけた部分もあったので、今日の試合から上位戦が始まるので切り替えて、自分中心となって積極的にポジティブな声を掛けて、自分が調子悪くてもしっかりチームが盛り上がるように声掛けをしていきたいなと思う。(けがで出られない選手の背番号がヘルメットに)最初FW柴田(社4=武修館)が4年生で、同期だけでも出たかった選手の思いも背負って試合に臨もうと思った。今日のミーティングで4年生中心にやっていたら、後輩もそれに賛同してくれてという感じで。(試合が途中で止まることも多かったが)貴人さんの方から「気持ちだけは切らさないように」ってずっと言われていたので。残り33秒でゲーム止まった場面もあったが、そこで絶対に失点はしないように、チャンスがあったら決めてやるという気持ちで待っていました。(次戦に向けてのポイント)僕らは初戦で1敗しちゃってもう負けられない状況なので、どんな形でも絶対勝つという気持ちを常に持ち続けて、夏のリベンジもあるので、1ピリから東洋のホッケーをして勝ちたいと思う。


・GK古川駿(社4=八戸工大一)

攻めてはいたけれど全然流れがつかめていなくて、ハードにプレーしてくれたおかげで勝つことができたので味方に感謝。(中大にリードされる展開だったが)今年は決めれるチームなので全然焦っていなかったし、絶対逆転できると信じていたので焦りも特になくプレーできた。(延長戦は)ここまで来たら勝つしかないと思っていて。出口圭太本当に上手い。(ヘルメットに柴田選手の背番号が)キャプテンが同期だけでもということで、嗣斗がいなくても一緒に戦ってるという気持ちが強かったので、あいつが復帰するまで頑張って勝っていきたい。(次戦にむけて)勝つしかない。勝って後半いいスタート切れるように2連戦頑張っていきたい。


・FW出口(社4=駒大苫小牧)

最初から中大にペースを握られていて、僕たちらしいホッケーが全然できていなかった。今後の練習で修正していかないとだめだと感じた。(課題とよかった点)守りの部分がちょっと手薄だったのが課題。よかったところは積極的にチェックにいけたところ。(1点を追いかける展開だったが)点をとるしかなかったので、どんどんチェックにいって、ゴールに向かっていくという意識はチームで話し合って統一していた。(GWSの人選は)大体予想はついていた。今回は割とリラックスして臨めた。(PS決めた心境)どういう形で入ってどういうふうに決めるっていうのは頭の中でイメージしていたので、それがしっかり決まって良かった。(勝利を決めた時)僕は誰が決めたとしてもチームが勝てば嬉しい。その中で自分が決めて勝てたというのはさらに嬉しい気持ちがありました。(明大戦に向けて)絶対に負けられないので、次絶対勝って早大にも勝って、2次リーグにいい流れをつなげられるように。次の試合から東洋大らしいホッケーをして頑張りたい。


・DF渡邉(社4=日光明峰)

勝てて良かったけど、まだまだスタートもよくなかったし、全然自分たちのプレーを6、7割くらいしか出せていないのでもっともっと上げられるようにまた1週間準備していきたい。(次戦のポイントは)最近はいいスタートができていないので、スタートとゾーンのプレーとかをもっと声出して強くやったり、60分間プレーすればいいと思う。


・FW武部(社2=苫小牧工)

1ピリからリードされる展開で自分たちの足が動いていないのもあって、攻めの部分で中が機能しなかったのが最初から苦戦した原因だと思う。(自身のゴールシーン)リードされていたが、チーム全体が諦めない気持ちでいたのでそれが得点につながったと思う。アタッキングゾーンでパックを取られないというのを意識的にやっていて周りを使うプレーをやっている。(次戦にむけて)簡単な試合ではないので、ベストなコンディションをつくって勝ちにいく。


TEXT=外狩春佳 PHOTO=伊藤なぎさ、越塚日南