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2019.12.30
硬式野球

[硬式野球] ”神宮に立つのは俺たちだ” スポトウ的来年度の注目選手 第5日目・羽田野温生投手

 再び頂を奪取するためには何が必要なのか。公式戦全試合に帯同、オープン戦にも足繫く通ったスポトウ記者が来年度の活躍が期待される各学年の投打のキーマンを紹介する。

 第5日目は今秋最終カードで登板を果たした羽田野温生投手(法1=汎愛)。常時140㌔を超える直球が魅力の右腕の描く未来とは。


 春季リーグ戦終了後、松本(営1=龍谷大平安)の口から初めて聞いた羽田野の噂は「バズーカみたいな球らしいんです。タイミングが合わなくて自分は見れていないんですけど」というものだった。神秘のベールに包まれた右腕は夏季オープン戦のマウンドでも姿を現すことなく、チームの優勝が潰えた時ようやく姿を現した。「やっとこれた」。そんな思いを胸に羽田野は腕を振るう。150㌔に迫る直球を放ると球場がざわめき、カメラ席では『なんで今まで隠してたんだ』と疑問の声が絶えなかった。


 大阪市立汎愛高校に進学し、120人の部員を率いるエースとして活躍。自らの最後の夏は府大会ベスト16で姿を消したが、プロ注目の本格派右腕として注目を集めた羽田野はプロ志望届を提出した。「調査書も頂いてたんですけど。自分の右肘のコンディションが良くなかったので」と痛めていた右肘の影響もあり指名漏れ。プロの夢が一度途絶え、東洋大に入学することを決めた。入学直後から同期投手陣の河北(営1=浦和学院)、松澤(営1=帝京)、渡邊(総1=報徳学園)がオープン戦から登板をする中、羽田野は治療に励んだ。投げられない日々はウエイトトレーニングや走り込みに費やし、ストレートの威力を増すことを意識。周りが『なんで今まで投げなかったのか』と呟いた日の当たらない期間が確かに次世代の剛腕の肥料になっている。


 大きなインパクトを残した羽田野の理想は「大谷翔平投手(エンジェルス)のような三振の取れる投手」だ。その目標に近づくために東洋大の環境はぴったしだという。「投手専門のコーチがいる環境が初めてです。細かい指摘をたくさんして頂ける。こないだはプレートの踏み方を言われて目から鱗でした」と楽しげに語る。


 3年生までに150㌔を目標に掲げる右腕のスケールの大きさは梅津(H30年度営卒=中日)に近い物を感じる。投手豊作の2000年組。誰が出てきてもおかしくないこの投手レースで頭一つ出ることはできるのか。羽田野が自慢の剛球でチームを勝利に導く日はそう遠くない。


◇秋季リーグ戦終了連続インタビュー◇

[硬式野球]~課題を見つけた実りの秋。再挑戦へ~15日間連続インタビュー 


◇硬式野球部 主将副将紹介◇

新幹部就任〜巻き返しに燃える男たちのここを見ろ!


◇スポトウ的来年度の注目選手紹介◇

第1日目:強豪撃破の万能右腕有馬海人 大学球界でも片鱗見せるか


第2日目:期待を背負う右の大砲酒巻翔 挽回誓うラストイヤーへ


第3日目:憧れの先輩たちに続け 伝統の姫路の系譜継ぐ山内響の挑戦


第4日目:復活を誓う天才打者岡崎心 怪我を乗り越え勝負の1年へ


TEXT=須之内海