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第36回全日本女子大学駅伝対校選手権大会
10月28日(日)弘進ゴムアスリートパーク仙台~仙台市役所前市民広場
総合9位 東洋大 (38.0km)2:10'04
1区 (6.4km)和田美々里 21'29(12位通過・区間12位)
2区 (5.6km)伊東明日香 19'31(14位通過・区間19位)
3区 (6.8km)大倉真歩 23'33(14位通過・区間12位)
4区 (4.8km)田浦英理歌 16'35(12位通過・区間10位)
5区 (9.2km) 白川恵理菜 30'49(9位通過・区間6位)
6区 (5.2km)山口いずみ 18'07(区間11位)
主将としてチームをまとめた曽我
積極的な走りを見せた和田
1区・和田(左)→2区・伊東
2区・伊東→3区・大倉
4区・田浦は1年生ながら順位を二つ上げる走りを見せた
4区・田浦(左)→5区・白川
5区・白川(奥)→6区・山口
シード権まであと一歩という悔しい結果に終わった
爽やかな秋晴れの中、第36回全日女子大学駅伝対校選手権大会(以下、杜の都)が開催された。東洋大は総合3位以内という目標掲げ出場。しかし前半から上手く流れに乗れず。後半追い上げを見せるも、シード権獲得まであと28秒とチームにとって悔しい結果となった。
流れをつくる1区に抜てきされたのは、今季大成長を遂げた和田(食2=順天)。スタート直後は集団の前方でレースを進めるなど積極性を見せた。しかし後半、強豪たちのスピードに付いていけず徐々に後退。12位でタスキリレーを終えた。続く2区を任されたのはルーキーの伊東(食1=順天)。流れを変えるべく前半飛ばす走りを見せたものの、後半粘れず。順位を2つ落とし14位で3区の大倉(食3=埼玉栄)へとつないだ。大倉は監督の指示通り、前半の上りを落ち着いたペースで走り進める。後半の下りでリズムに乗りたいところであったが、徐々にペースダウン。順位は守ったものの、前との差を広げられてしまう結果に。次の田浦(食1=ルーテル学院)へと望みを託した。
田浦は8月に行われた赤城マラソンで、アップダウンの激しいコースを好走。その走りを評価した永井監督が、同じくアップダウンのあるこの4区に田浦を抜てきした。「調子がいいと分かっていた」と監督。その言葉通り、大学駅伝デビュー戦ながら順位を2つ上げる力走。チームに勢いをもたらす走りに監督も「よく走ってくれた」と称えた。続く5区はエースの白川(食3=常総学院)が出走。チームの核を担う白川だが、9.2kmという最長区間に緊張と不安でいっぱいだったという。それでも一秒でも速くタスキをつなぐべく、精一杯足を進める。「最後まで粘り強く、自分らしい走りができた」。区間6位、さらには3校を抜きチームを9位へと押し上げる快走を見せた。杜の都のシード権は総合8位の学校にまで与えられる。アンカーの山口(食3=順天)にタスキが渡った時点で、8位大阪芸大との差は1分2秒。何としてでもシード権を獲得したい場面で山口は「8位だけを目指して頑張って走った」と語るように、必死で前を追った。強い思いが山口を突き動かし、徐々に前との差を縮めていく。最後は28秒差まで詰める激走を見せるも、あと一歩及ばず9位フィニッシュ。昨年と同様9位という順位でシード権を落とすという結果に、監督や選手たちは悔しさを隠し切れなかった。
杜の都で9位という結果に終わった東洋大。しかし、今までにない後半に追い上げを見せたレース展開に曽我主将(食4=須磨学園)は「最後みんなが諦めずに頑張った結果だと思う」と選手たちを称えた。このチームで挑む駅伝は、年末に待ち構える富士山駅伝のみ。「とにかく8位以内に入って、みんなで喜べるような駅伝にしたい」と永井監督。心を一つに、チーム一丸となって富士山駅伝へと準備を進めていく。
◼️コメント
・永井監督
(9位という結果について)今年は仕上がりにも自信があったので、非常に悔しい。昨年も悔しかったが、やはり悔しい9位だったなと思う。(シード権を獲得した学校との差は)今回は昨年1区を走っていた白川を5区にまわして、その地点で前半をどう乗り切るのかというのが、このオーダーの課題ではあった。しかし、今回1区の和田が今年非常に成長してくれていたので、和田だったら上位で来てくれるだろうという風に思っていた。2区の伊東も今日は少し力が出せなかったが、今年自己記録を更新しており練習もできていたのでこの1、2区、大倉の3区も含めてここで流れをもう一つ上でいけたらシード8、7、6位というところに勝負できたのかなと。しかし結果的に9位なので、甘かったなというところだと思う。(追い上げも見られた後半区間は)4区の田浦が調子がいいと分かっていたので、1年生で勢いがある、8月の赤城マラソンでアップダウンのあるコースを走っているところを見て、杜の都の4区というのは距離は短いが上り下りがあるので、このコースに適正があるのかなと思っていた。そういう意味では4区起用に1年生ながら、初の杜の都で、初の東洋のユニフォームを着ての駅伝で、よく走ってくれた。そこからもう一度流れを引き寄せるような動きを、白川、山口も続いたので、ここで順位を上げられたというのは今までの東洋からすると、1区の流れを何とか維持しようという駅伝しかできなかったのが、後半にこうやって追い上げられるような駅伝ができるようになったのは、悔しい結果ではあるが収穫だと思う。(来年の杜の都では)まず4年生がここつくってきたものを下級生は見ているので、それで下級生が思うところというのはあると思うので、そこをもう一度話をしながらミーティングをしながら今年よかったところ、悪かったところをもう一度洗い出しながら、来年に向けてというところを考えていきたい。しかし、このチームも残り2カ月、12月には富士山駅伝もあるので、今回誰も杜の都を走れなかった4年生がもう一度、頑張ってくれると思うので、それを期待したいと思う。(富士山駅伝に向けて)とにかく8位以内に入って、ここのところ喜んで終われていないので、みんなで喜んで終われるような駅伝にしたいなと思う。
・曽我主将(食4=須磨学園)
前半結構厳しいところからのスタートだったが、最後みんなが諦めずに頑張った結果だと思う。(チームの状態はどうだったか)主力の中でも思うようにいっていない人もいたりして、絶好調な完璧という状態ではやっぱり迎えられなかったがその中でも今の最大限のチーム状況で来られたと思う。例年結構4年生は就活からの駅伝シーズンであんまり走れていない人が多いってイメージが東洋大学は特にそうだったが、今年は自分自身主将として4年生も含めて全員で走っている状態をつくってチーム全体で走ってこの駅伝を迎えようというふうにやってきていたので、メンバーに入っている入っていないに関わらず駅伝に向けて走ってこられたかなと思う。(順位について)去年の順位からやっぱりただただ悔しいというのと主将としてこのチームでシード、また目標にしていた3位というところに届けられなかったのがすごい悔しい。(富士山駅伝に向けて)ここでダメだった分このチームの集大成としてしっかりと駅伝を形にして、この東洋が創部してからの創部史上最大に応援してくれる方からよかったねって言われる駅伝にしたいと思う。
・1区和田(食2=順天)
他の強い大学の選手が集まっているところだったので自分でレースを作るというよりはついていって粘ってタスキを渡そうと思っていた。(どういった準備をしてきたか)去年と変わったところは体幹トレーニングを取り入れたところ。走りだけでなく後半の粘りなどをできるようにしてきた。(収穫と課題)課題というかレースを振り返る形になってしまうが、1区を任せてもらったのにその役割を果たすことができずチームに良い流れをつくれなかった。シード権から遠ざかった良くない位置で渡してしまった。足を引っ張ってしまったのが申し訳ないと思っている。(富士山に向けて)去年も全日本でシードを落として富士山でリベンジすると臨んだのに結果が良くなかったので、今年こそはこのチームで絶対に富士山で悔しさを晴らして良い結果で終わりたい。(次回の杜の都へ向けて)チームとしても個人としても悔しさしか残らない大会になってしまったので来年もう一回任せて頂けるなら1区を走ってシード権を獲得できるように良い流れを作れる走りをしたい。
・2区伊東(食1=順天)
自分のところで順位を落としてしまって、本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。(初めての杜の都は)先輩たちが3位以内という目標を掲げていたので、それに少しでも貢献できるようにと思っていたが、いざ走ってみると自分の力が及ばなくて、むしろ迷惑をかけてしまったので本当に申し訳なかった。(レースの展開は)自分が前半飛ばしすぎてしまった。自分のこれからの課題でもあると思うので、前半抑えて後半で勝負できるように、これからの駅伝で走っていきたい。
・3区大倉(食3=埼玉栄)
(レースプランは)監督から前半の上りは落ち着いて、後半の下りになってからリズムに乗っていくようにということだった。(レース展開は)後半ペースが落ちて前に離されてしまったので反省点かなと思う。(9位という結果だが収穫と課題は)去年も9位ということでシード権に1歩及ばないというところで、やっぱシード権とるのは甘くなくて、そんな甘い気持ちじゃ取れるものではないということが今回よくわかったので、来年に向けて今以上の強さをつけれるように頑張っていきたい。(富士山駅伝に向けて)去年はかなり悔しい結果になっているので全日本駅伝の悔しさを力に富士山駅伝ではいい結果で終われるように、全員で笑えるように頑張りたい。(来年の杜の都に向けて)来年は最後の年なので流れを変えられるくらいのいい走りをして、シード権は必ず獲得してそれ以上の順位を狙っていけるようにしたい。
・4区田浦(食1=ルーテル学院)
(今日のレースプランは)前の人に1秒でも速くタスキを渡せれるような走りをしたいと思っていた。次の区間の先輩が9.2kmと長い区間なので、助けられるような走りをしたいと思って、前の人を追い越そうと思って走った。(レースの課題や収穫)思っていたより中盤で上がって走れなかったので、次の富士山駅伝ではチームに貢献できるような選手でもっと走れるように頑張りたい。(来年の杜の都へ向けて)来年も今日走ったメンバーは残っているので、シード権を取って、チーム目標の再入賞を勝ち取れる大会にしたい。(最後にもう一度富士山へ向けて)今回の大会で悔しい思いをしたので、それを越えられるような走りをみんなで頑張りたい。
・5区白川(食3=常総学院)
5区で最長区間というとこで、今まで駅伝で7km以上走ったことがなくて、10000mのレースもやったことがない中で、緊張と不安でいっぱいだった。緊張はしたが、1区から4区の選手を信じて、6区の(山口)いずみにしっかり渡せるように、自信を持って最後まで粘り強く、自分らしい走りができた。(タスキを受けた時は)8位以内のシード権が欲しかったので、どれだけ8位の選手に追いつけるかが勝負だった。大阪芸大の選手も力のある人だったので、差を詰めることができなくて悔しい結果になってしまった。(最長区間での起用について)監督から1週間前に言われて、あまり自信がなかった。しかし、高校の顧問の先生に連絡したら、自分らしく走ればいいというアドバイスをもらって、自分でしっかり走ろうという思いがあった。(富士山駅伝、今後について)まだまだ自分の力の無さを体感したので、ずっと大事にしている基礎をもっともっと深くやって、体力の強化のためにもジョグのやり方を工夫して練習していこうと思う。
・6区山口(食3=順天)
プランは前は立てていなかったが、タスキをもらったときに8位と1分差ぐらいだったので、9位とか10位とかを考えずに8位だけを目指して頑張って走った。(アンカーでの起用について)1年生のときにも走った6区なのでそこは自信を持って、余裕を持って準備ができた。(走っていて前は見えていたか)道によっては見えなくなったりしたので、結構遠いなと思ってしまったのはある。(順位について)やっぱりもっと上で戦えるようなチームにしていかないといけないなと思った。自分たちで言うのもあれだが9位をとるメンバーではなかったと思うので、この結果には満足していない。(富士山駅伝に向けて)このチームでの最後の駅伝なのでしっかり集大成となるいい走りで、しっかり結果を残せるように頑張りたいと思う。
TEXT=小野由佳莉 PHOTO=大谷達也、斉藤胤人、両角あずさ、稲村真織、並木星夏、小野由佳莉