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第32回関東大学女子サッカーリーグ戦 1部第9節
11月11日(日) 東洋大学板倉キャンパスグラウンド
東洋大0ー2帝平大
<出場メンバー>
▽GK
垣内愛菜(食4=大商学園)
▽DF
青木美尋(食4=成立学園)
山幡あや(食3=常盤木学園)→69分 出来村亜美(食1=飛鳥)
常田菜那(食2=大商学園)
林みのり(食1=大商学園)
▽MF
松井彩乃(食4=聖和学園)
牛久保鈴子(食1=作陽)→63分 楠春佳(食3=千葉U-18)
常田麻友(食2=大商学園)
斎藤麻由(食3=常盤木学園)→82分 増淵彩乃(食2=仙台育英)
▽FW
塩谷瑠南(食1=前橋育英)
大内梨央(食2=常葉学園橘)
何度もCKからチャンスを作った松井
常田麻は勝つことだけを考え懸命にプレー
幾度もシュートを防いだ垣内
第32回関東大学女子サッカーリーグ戦(以下、リーグ戦)の最終節。直近の試合が2連敗中の東洋大は、優勝がかかる帝平大との負けられない試合だったが、終始主導権を握られ0–2で敗戦となった。
試合が動いたのは試合開始すぐの3分だった。素早いパス回しで相手に突破され、打たれたシュートにGK垣内(食4=大商学園)が懸命に飛びつくも届かず、先制点を許す。
その後も相手に主導権を握られてしまう。何とか縦のパスやドリブルで仕掛けるも、相手の硬いディフェンスに阻まれ、無得点のまま前半を0−1で折り返す。
なんとか追いつきたい後半。得点にはならずとも55分には常田麻(食2=大商学園)、57分には牛久保(食1=作陽)がシュートをし、東洋大も自分たちの流れを作っていく。だが65分にスピード感のあるカウンターに対応が追いつかず、追加点を与えてしまう。
このままで終われない東洋大。82分には常田菜(食2=大商学園)が競り合いになり、CKを得る。松井(食4=聖和学園)がゴール前に上げたボールに大内(食2=常葉学園橘)が食らいつく。試合終盤のこのチャンスを物にしたいところだったが、相手に阻まれクリアされてしまう。ここから続けて2度のCKを得るも、惜しくも得点につなげることはできなかった。
その後も相手の攻撃に耐えつつ、果敢にゴールを目指すが、0–2のまま無念の笛が響く。この結果に松井は「試合を通して自分たちのペースに全然なれなかった」と悔しさを滲ませた。
3連敗という締めくくりで終わったリーグ戦だが、監督は来月末の全日本大学女子サッカー選手権大会に向けて「この連敗を逆にプラスに捉えたい」と前向きな姿勢を見せる。今年は昨年のベスト4以上の結果を目指したいところだ。トーナメント戦という一発勝負の場で、東洋なでしこらしさは発揮できるか。「最後は笑って終われるようにしたい」キャプテン松井のその誓いと共に、1ヶ月後に向けての準備が今始まった。
◾︎コメント
・戸田監督
関東大学リーグの最終節で、勝ってインカレに行こうって選手と言って今週トレーニングしてきたが、敗戦という形になってしまったのは非常に残念だったと思う。(プレーについて)うちは基本的にボールを大切に扱って相手を崩していくというスタイルだが、そこを上手く守られていってしまったという印象。(今リーグの結果について)色々情報を調べたら5位という成績なので、インカレに行くためのシード権を獲得できたということは、最低限チームとしてやらなきゃいけない目標は達成できたと思っている。だがやっぱり最後の3試合、早大、日体大、帝平大で3連敗が続いているので、この連敗を逆にプラスに捉えて12月末に始まるインカレでは、東洋大なでしこが躍動できればと思っている。(1年生の活躍について)昨年がインカレベスト4で、その前はベスト8という形で、OGの選手たちが良い結果を残してくれたことによって、創部してから1番良い能力を持った選手たちが集まったという印象はある。そこは先輩たちが築きあげてきた力だと思う。(選手層の厚さについて)僕のコンセプトとしてはうちのチームでいい選手ではなく、外に行っても上のカテゴリーのなでしこリーガーになったとしても必要とされる選手というのを目標に掲げてトレーニングをしているので、色々なポジションをやらせたりだとか、切磋琢磨して色々なシステムが出来たり、色々な選手を使うことができるっていうのが、去年にはない今年のチームのプラスの材料だと思う。(インカレへの意気込み)インカレは難しいところで言うと一発勝負なので、いかに12月末の時期にチームのピークを持って来れるかというのが重要な状況になってくる。今日もずっと出ていた久保真理子が体調不良で今日欠席して試合にも出られなかったが、まずは全員がコンディションを良い状態にもっていくということを頭に入れて、残り1ヶ月トレーニングしていきたいと思う。
・松井(食4=聖和学園)
試合を通して自分たちのペースに全然なれなかった。流れが悪い中で誰が改善するか、どこを修正するかっていうのがピッチの中で明確じゃなかったことが今日の敗因の一つだと思う。(インカレへの修正点)身体能力が高い相手FWに対して自分たちDFラインがどう処理するか、どうやって守っていくか話してはいたが実際にやってみると全く違かった。対応の仕方とかのDF面での課題がここ3試合上位3チームと当たることで失点数を見て分かる通り明確になった。インカレに向けて失点しないチームが上位に入ると思うので守備を徹底して、無失点でいくくらいの気持ちでやらないといけないなと思う。(リーグ戦総括)最初は守備が良くてセットプレーとPKの2失点、攻撃が良くない客観的な印象。だんだん上位と当たるにつれて、得点は取れても失点数が多すぎて負ける原因になっていた。自分たちの方が能力が勝ってる相手だと勝ち点を取れるが、相手の方が身体能力が高かったり決めきる力があるチームに対しては勝ち切る力がこのチームにはないのかなと思う。(5位について)自分は優勝を目指してやっていた。一時は3位とかまで上がったがそこで優勝争いに食い込めないチームの弱さがこういう結果になったと思う。(選手層の厚さについて)プラスに捉えている。去年はスタメンの中で怪我人がいたら代えがいない状況で、もし代えたら自分たちの穴になってしまう感じだった。今年はスタメンが固定されてないように誰が出てもピッチで活躍できるところがいいところだと思う。1年生の能力が一人一人高いのでそれをチームの中で融合できていたらもっと上の順位にいけていたのではないかと思う。(インカレへの意気込み)インカレはこのチームの集大成。どんな内容でもどんな結果であれ現実を受け止めるためには今から1日1日大切にやっていかないと、もし初戦で負けたら絶対後悔すると思う。今を大切に最後は笑って終われるようにしたい。
・垣内(食4=大商学園)
今日は絶対負けてはいけない試合で、自分たちも勝ちにいこうといつも以上に気持ちが入った試合だった。立ち上がりから失点してしまって、あれがなかったら違かったなと思う。(見えた課題)自分たちのベストを出して負けたと思うので、点を取るところとか立ち上がり失点しないとか課題がさらに明確になった。インカレまでにそこをしっかり改善したいと思う。(リーグ戦総括)引き分けとか勝ち切れない試合が多かった。そこはチームとしてしっかり勝ち切れるチームにならないといけないと思う。(インカレへの意気込み)負けたら終わりなので絶対勝ち切れるように、守備は統率をしっかり取って0で抑えて行きたいと思う。
・常田麻(食2=大商学園)
(今日の試合を振り返って)今日は相手が勝ったら優勝ということだったので、その姿は絶対見たくなかったし、2連敗していて今日負けて3連敗のままインカレに行くのは絶対に嫌だったので、勝つことだけを考えてプレーした。だが。立ち上がりから自分のクリアミスで失点してしまって、あんまり全体的に上手くいかなかった。(インカレへの意気込み)この関カレでチームとしても個人としても足りないところが見つかって、今のままではインカレで1勝もすることができないと思う。なので、この期間でもっと駄目なところを突き詰めて、良いところを伸ばして、インカレでメダルを取れるようにしたい。
・常田菜(食2=大商学園)
(今日の試合を振り返って)相手のほうが勝ちたいという気持ち上回っていたと感じた。練習から自分たちがやろうとしていたことが上手くいっていなかったのでそれが完全に今日の試合に出たと思う。(インカレへの意気込み)この期間で自分達が改善しないといけないと気づけた部分も変えれていないことが多いので練習の中から積み重ねていくしかないと思うので、チーム全体で意識して、インカレは最高の状態で臨みたいと思う。
TEXT=酒井菜摘 PHOTO=金澤瑞季