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第61回全日本大学空手道選手権大会
11月18日(日) 日本武道館
男子団体組手
2回戦敗退
女子団体組手
初戦敗退
下級生の頃からチームの主力として活躍した成海男子主将も、今大会で引退となった
「東洋大でやってきてよかった」と振り返った女子主将・宮坂
今シーズンの最終戦となる第62回全日本空手道選手権・団体戦が日本武道館で開催された。各地区大会を勝ち抜いた精鋭に対し、男子は2回戦敗退、女子は初戦敗退と悔しい結果に終わった。
男子の初戦の相手は金沢工業大。先鋒の大澤(法1=高崎商業)が勝利しチームに勢いをつけると、今大会で引退となる次鋒・成海主将(法4=仙台城南)が気迫のこもったプレーを展開した。開始9秒で中段蹴りを決め2ポイントを先取すると、さらにその3秒後にもまた中段蹴りを決め4―0と大きくリードする。最後には足払いで倒した相手に中段突きを決め、相手に1ポイントも与えずに勝負を決めた。その後も中堅・伊藤(法4=埼玉栄)、副将・岡田(法2=埼玉栄)も6―0と大きく点差を付けて勝利し、大将の幸保(法2=横浜創学館)の不戦勝で、2回戦へ駒を進めた。
2回戦の相手は大阪商大。先鋒・大澤が積極的に攻めるも、一歩及ばず敗れてしまう。悪い流れを断ち切るべく果敢に攻める成海だったが、相手に突きと中段蹴り決められを先制点を奪われる。点差を埋めるために得意技の上段蹴りで積極的に狙うが、その上段蹴りが相手のあごに直撃してしまう。相手にドクターストップがかかり、成海は反則負けに。勝利への望みを託された中堅・伊藤(法4=埼玉栄)は相手に1ポイントを奪われるも突きを決め、さらにその後も突きを決めリードする。しかし、その後は相手に連続で突きを決められてしまい2―5で敗北。チームの勝利もなくなった。
4年生とっては今大会が学生最後の大会となった。成海は「負けたことは申し訳ない」と話すも、「悔いはない」と17年間の空手人生を振り返った。そして新チームに向け「1個でも多く勝ってほしい」とエールを送った。
一方、女子の初戦の相手は宮崎産業大。先鋒・都築(法2=日本航空)が5―2で幸先よく勝利をおさめた。続く中堅・宮坂主将(法4=日本航空)。強敵相手に果敢に攻め、引くことなく全力でぶつかりにいく。しかし、相手に上段突きを決められ、そのまま追いつくことができずに敗戦となった。勝敗を託された大将・真室(法4=光明相模原)だったが、開始27秒で突きを決められ、その後も必死に技を繰り出すが2点差のまま試合終了。初戦敗退という悔しい結果に終わった。
試合後、宮坂は「東洋大でやってきてよかったなと心から思う」と4年間を振り返る。また、後輩たちのことを「強さを認めている後輩たちでもある」と話し、「自分の可能性を信じて頑張ってほしい」と語った。
男女とも思うような結果が残せなかった今大会。だが、今大会には多くの1、2年生が出場。また今年度行われたの個人戦で下級生が上位進出を果たすなど、次の世代は確実に力をつけてきている。後輩たちが今大会の悔しさを胸に雪辱を晴らす、その姿に期待がかかる。
■コメント
・成海男子主将(法4=仙台城南)
(試合を振り返って)1試合目はすごく調子が良かった。2試合目の大坂商業大には去年負けていたが、勝てると思っていた。しかし反則負けになってしまった。反則になった技は得意技の上段蹴りで、「3-3に追いついた」と思ったら反則負けしてしまったという感じ。後輩には申し訳ないが、17年間空手やってきて、今日で引退することに悔いはないので、これからは最後失敗しないように人生頑張っていきたい。(次鋒というポジションについて)本当はキャプテンなので大将の予定だったが、最後の試合に出ないで終わるのは嫌だったのでコーチに次鋒にしてほしいとお願いした。 (今大会までに意識して取り組んできたことは)自分のこともそうだが、キャプテンとしてチームで勝つためにはどうすればいいのかとか、仲間のモチベーションをどうやってあげてこうかとか考えてやっていてオンとオフ切り替えてしっかりメリハリのあるような練習をしてきた。(4年間を振り返って)負けてしまったが自分の中では今日の試合が4年間で一番調子が良い試合だったと思うので、そう言った面では後悔いとかはない。(新チームに向けて)1個でも多く勝ってほしいなとおもっています。
・宮坂女子主将(法4=日本航空)
(試合を振り返って)強い人が何人かいるというのは知っていた。自分自身は次鋒だったので、(先鋒が勝っていたので)正直引き分けで次につないだ方がよかったところを、やっぱり引き分けで終わりたくない、できるだけ気持ちで勝負して、ぶつかっていって、という気持ちで臨んだ。結果的には負けてしまったんですけど、こうやって勝負出来たことや、同期と一緒に試合に出れたことをひっくるめて、本当に4年間やってきてよかったなと思います。(学生最後の試合でしたが、ここまでの4年間を振り返って)東洋大に入って、ここでよかったのかなと思うことがたくさんあって、もっと自分を追い込める環境に行ったほうがよかったのかなとかすごい考えたんですけど、でもやっぱり東洋大の仲間たちと一緒にやってきたこととか、逆にのびのびとやらせてくれた監督はじめコーチやOBの先輩方には感謝しているし、4年間を通して東洋大でやってきてよかったなと心から思うし、楽しかったなと思う。(来年のチームに向けて)高校でかなり強いところからみんなきていて、可愛い後輩たちだし、強さを認めている後輩たちでもあるので、だからこそ、もっと自分の可能性を信じて頑張ってほしい。関東でも上位、全日本でももっともっと上を目指していってほしいです。
TEXT=加藤勇大 PHOTO=永田育美