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2018.12.10
ラグビー

[ラグビー]専大に敗北で2部残留 後輩に1部昇格を託す

平成30年度関東大学ラグビーリーグ戦1・2部入れ替え戦

12月8日(土) 熊谷ラグビー場Bグラウンド


●東洋大 24 {12ー14、12ー28} 42 専大


東洋大スコア専大
前半後半得点前半後半
T
G
P
D
12121428
24合計42



番号選手出身高学年
深澤 翔祐深谷
舘澤 徹士盛岡工
小山内 健昌平4 
葛見 達哉千葉経済
鴨澤 享佑黒沢尻工
土肥 航長崎海星
吉尾 凌平昌平
高野 雅義報徳
高橋 太一延岡星雲
10杉野 幹太長崎海星
11菊池 優介国学院栃木
12田中 衆歩大村工業
13國分 英昂長崎北
14川上 捷太昌平
15大内 錬佐野日大
 Reserve Member  
16福冨 端樹同朋
17矢川 海太日体荏原
18齋藤 瑠晟目黒学院
19葉室 廉静岡聖光
20日野 諒太郎佐賀工業
21菅原 優大秋田工
22老田 龍平興国
23溝口 大希大村工業




チームを率いた4年生



小山内は体を張ったプレーを見せた



トライに喜びを爆発させる


点差を縮めるトライを決めた吉尾



 今季最終試合は1部リーグ7位の専大との入れ替え戦。悲願の1部昇格を狙ったが、24―42で敗北し2部残留を決めシーズンを終えた。


 20年ぶりの入れ替え戦の切符をつかんだ東洋大。熊谷ラグビー場には1部昇格の瞬間を一目見ようと多くの観客が応援に駆けつけた。その応援を受けながら前半は互角の戦いを見せた。試合開始から専大に2本のトライ、コンバージョンゴールを決められると0―14と大きく点差を離される。しかし、前半20分、土肥(済4=長崎海星)がチャージしマイボールにするとすかさず見方が反応。小山内(済4=昌平)が走り込みトライを決めた。続けて大内が冷静にコンバージョンキックをし、7―14。さらに、26分、左サイドから吉尾(総3=昌平)が抜けトライ。「前半の戦いに関しては良いアタックができた」と菊池(総4=国学院栃木)が言うように12―14と2点まで点差を縮め、後半へと望みを残した。


 逆転を狙う後半、開始早々から専大に2連続トライを許す。再び離されてしまった点差を國分(総2=長崎北)のトライで17―28と巻き返そうとするが、その後ディフェンスラインの中央を相手に突破され、さらに失点。「東洋、落ちるな」とグラウンドのメンバー内で鼓舞し合い、迎えた後半31分にはラインアウトからモールで押し込み、土肥がトライを決めた。「自分ひとりのトライではなくてフォワード全員でトライ」と最後まで力を振り絞り、チーム全員で戦い抜いた。試合終了間際まであきらめず、何度もアタックしたが相手の強いタックルに阻まれ、最終的に24―42で試合終了。悲願の1部昇格は叶わなかった。



 今季はリーグ戦を6勝1敗と全体の2位に付け、「期待した以上に4年生は声を出して体を張って頑張ってくれた」と昨年からの躍進に福永監督も4年生をねぎらった。格上の相手にも見事な試合展開を見せ、今季の課題となっていたディフェンスが機能したに違いない。入れ替え戦では惜しくも1部昇格とはならなかったものの、「最後まで諦めないプレーをできた事が一番良かったし、後輩にも受け継がれたと思う」と高野主将(文4=報徳)は振り返る。来季も目指すは1部昇格。東洋大ラグビー部の挑戦は終わることはない。


◾コメント

・福永監督

(試合を振り返って)貴重な試合をやらせてもらってありがたい。(反省点)ちょっとした息の乱れや、間合い。隣の人とのコミュニケーション。ギャップを作ってしまうということ。ちょっとしたミス。ディフェンスのコミュニケーション。こういった大きな試合では小さなミスが命取りになる。持っている力は出せたと思う。(専大との差は)小さなことだが、ちょっとしたコミュニケーション。プレッシャーのある試合を積み重ねてるかどうかというのが大きな差。(4年生にかける言葉は)期待した以上に4年生は声を出して体を張って頑張ってくれた。本当にお疲れ様という思いが強い。(メンバー交代は)本当はもちろん4年生の全員をつかってあげたかったし、23人に入れないメンバーも含めて最後という試合につかってあげたい気持ちはあった。こういう試合で力を発揮するのは4年生だし、そういう背中を後輩たちは見てくれてたと思うので来年はまた楽しみなシーズンになると思う。(来期のチームはどんなチームにしていきたいか)これから一つ一つ話をして、コミュニケーションをしながら、進めたい。最上級生がどういう行動を起こすのかみたい。(小山内のベスト15選出について)彼は本当に持っている能力が高いので、将来はトップリーグでやってほしい。十分、力を発揮しているので、継続して努力を重ねれば未来は明るいと思う。


・高野主将(文4=報徳)

(試合を振り返って)コンディション的には最高だった。3週間空いていて、気持ちも高ぶっていたので、その気持ちを出せたが、1部との壁があったなと思う。後半の最後のフォワードのプレーが前半から出せれば、もっと優位に進められたなと思う。相手に先手先手で取られたので、そこをもう少し改善できれば勝ちが見えたのかなと思う。(良かった点)全て良かったが、最後まで諦めないプレーをできた事が一番良かったし、後輩にも受け継がれたと思う。(4年間を振り返って)あっという間だったが、自分たちの同期が良かったからここまで来れたと思う。(主将としての1年)新体制になって、監督が新しくなったことによっていざこざもあったが、そこで自分が主将として裏方に回りながら選手とのコミュニケーションをとったりなど、いい経験ができたなと思う。(後輩へ向けて)来年は1部昇格して欲しいなと思う。


・菊池(総4=国学院栃木)

チームのコンディションはいい感じに仕上がっていて、万全の状態で専修大に臨むことができた。前半は、やっぱりDFもしっかりしていて相手に最初に2本取られたが、そこから修正して2本取り返して自分たちのラグビーができた。2点差で折り返すことができてたので、前半の戦いに関しては良いアタックができたと思う。後半は、組織DFとしての穴があって、内側のラインをブレイクされるときついものがあるなと思った。(専修大には)アタックに関して、前半はキックを多めに使ってプレッシャーを掛けていこうと。それがハマった結果が前半の結果だったかなと思う。(大学4年間を振り返って)1年生からずっとスタメンで出させてもらって、たくさんの良い経験ができて、すごく成長できた4年間だったなと思う。(副将として)やっぱりBK陣が若い連中が多いなかで、ひっぱれたかどうか分からないが2年、3年の奴らがすごい積極的にラグビーに取り組んでくれて頑張ってくれてたので、副将として楽にできたかなと思う。(後輩に向けて)もうこれから目指すところは決まっているので、1部昇格。その1部昇格というのを口だけにせずに、僕らが引退した後も練習の質を高めてもらって、今度は圧倒して1部昇格してほしい。


・土肥(済4=長崎海星)

トライを取って取られて、拮抗する中でいい流れができていたが、自分と館澤のところでミスが出て流れが向こうに行ってしまった。しかし、悲観することもなくて、いいディフェンス、いいアタックはできていたので良かったと思う。(試合を迎えるにあたっての心境は)とにかく緊張していた。最後の試合というのと、みんなが声を掛けてくれたので気持ちを上げることができた。そこはメンバーに感謝したい。(20年振りの入替戦だったが)今年の目標がディフェンスだった。みんなが規律を守ったからこそ24点取ることができたので、後輩たちにはディフェンスから流れを作っていくことを意識して欲しいと思う。(最後のトライについて)自分ひとりのトライではなくてフォワード全員でトライを取った感じだったので、他の8人を褒めたいと思う。(4年間振り返って)2年と3年の時にけがをしてしまって、その分あっという間に終わったなと思う。特に2年のときは、後ろのハムストリングスを切って8ヵ月プレーできなかった。けがしなければという思いもあった。


・小山内(済4=昌平)

試合前に監督からは「いつも通り」と言葉をいただいた。しかし、専大のほうが上手だった。(今試合フルタイム出場して)フォワードはセットプレーは安定していて良かったが、要所要所が、特に前半の入りと後半の入りの両方があまり良くなかった。それで簡単にトライを許してしまい厳しい結果となった。(ベスト15に選ばれて)素直にうれしい。自分自身選ばれると思っていなかった。(4年間振り返って)長かったようで短かったシーズンで、チーム高野としては最後の試合。最後は勝てなかったのは心残り。


TEXT=水野桜 PHOTO=大谷達也森美香子、吉留奈津、仲宗根優介