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2018.12.10
ラクロス

[男子ラクロス]最後は主将が決めた!入れ替え戦を制し2部残留決定

31回関東学生ラクロスリーグ2・3部入れ替え戦

 

12月8日(土)富士通スタジアム川崎

 

東洋大6-5国士大


2部残留に思わず満面の笑みがこぼれた
松尾主将は応援してくれたすべての人たちへ感謝の言葉を述べた
今試合2得点を決め勝利に貢献した緒方
チーム全員で喜びを分かち合った


 絶対に負けられない試合だった。第31回関東学生ラクロスリーグ戦(以下、リーグ戦)5試合全敗で3部との入れ替え戦に進むこととなった東洋大男子ラクロス部。リーグ戦5連勝で2部の入れ替え戦に進み勢いに乗る国士大を相手に迎える。


 第1Q開始4分。最初にゴールネットを揺らしたのは東洋大であった。リーグ戦最終戦2得点の活躍を見せたAT緒方(ラ2=朝霞西)が、下に転がすように強烈なショットを決め先制点を奪う。直後の7分、MFの武田(ラ3=桐生)がゴール裏から攻め込み2点目を決めチームを勢い付ける。


 すっかり日も暮れた第2Q。グラウンドボールを積極的に取りにいき、ショットを放つもなかなか枠を捉えられない。そんな中、MT中野宏(ラ4=星陵)がロングショットを決め、多くの観客が詰めかけた会場を沸かせた。高いオフェンス力を持つ国士大も負けじと攻め込む。ゴール前でボールを回し何度もショットを放つも、ゴーリーの川崎(食4=法政第二)ら中心に堅い守りを貫く。3点差で迎えた第3Q。AT伊藤(ラ1=岩倉)がゴールの左上の一瞬できた空間にボールを押し込み、リードを4点に広げる。しかし直後に失点を許すと、ファールが増え始め思うようなラクロスができない。ファールをとられ東洋大が一人少ない状態で攻撃を受け、2点目を決められる。


 勢いに乗った国士大を止めることが出来ず、第4Q開始直後再び失点しあっという間に1点差まで詰め寄られる。その後、国士大が放ったショットを1度は止めたものの、ゴール前で再び奪われ同点に。すると勢いそのまま追加点を許し、5連続失点でついに逆転される。


 AT松尾主将(ラ4=立川国際)が懸命に声をだし、全員を鼓舞させる。先制点を決めた緒方がこの試合2点目を入れ同点に追い付く。振り出しに戻った試合は両者一歩も譲らない。残り3分半。試合を決めたのは主将だった。「気持ちよく振り抜くだけだった」と華麗なショットを決め、そのまま1点リードを守りきり6-5で試合終了。劇的勝利で2部残留を決めた。




「ほっとした、それだけです」と試合を振り返った松尾。後輩たちに2部での舞台を残せたことに安堵の表情を見せた。主将として迎えたリーグ戦で勝つことができず、悩み続けたラクロス人生を「苦しかった」と語った。それでも、最後の勝利は笑顔で締めくくった。来年は新主将となるLMF瀬田(ラ3=東京成徳)を中心に、先輩達が叶えられなかった「1部昇格」を胸に戦い続ける。


■コメント

・松尾主将(ラ4=立川国際)

ホッとしている。それに尽きますね。(今日の試合は)国士大は3部ではあるがすごく力のあるチームでオフェンス力があって、うちは粘って粘ってロースコアな展開でぎりぎりで。理想のプランが8-6だったのだがディフェンスが粘ってくれて勝てたかなという印象。ゲームプラン以外の練習はせず狙い、的を絞った練習をしてきた。(逆転されたとき )正直終わったなと一瞬思ったが、主将としてそんなんじゃだめだなと思いすぐに気持ちを切り替えてチームを鼓舞しようとした。そこでヘッドコーチが相手のクロスチェックをしてくれて、相手のクロスが違法だったので得点取り消しでうちが1人多い状態でラクロスができた。それが1番大きかったと思う。(最後は自身の得点だが)シーズン始まる前は自分が得点王になると言っていたのだが、1試合2点3点しか取れずに、チームにも迷惑かけてきて。今日の試合はグラウンドボール、グラボにこだわってマイボールの時間を長くして自分が1番早くグラボ寄っていいオフェンス続けさせようと思っていて。ゴール前でフリーでいいところでボールがきて、あとは気持ちよく振り抜くだけだった。(決まったときは)何も考えられなかった。とにかく嬉しくて。(4年間振り返って)苦しい4年間だった。でももっとできて4年間だったと今思えば。自分に嘘つかずに無我夢中で頑張ればと思うがそういうことを後輩に最後に伝えられればと思う。(主将としての1年は)とにかく苦しくて。今だから言えるが本当に苦しくて。チームがバラバラになりかけているときや、自分も気が向かないときも自分はチームをまとめる立場なので、本当の自分と主将の自分と二人の自分がいて。でも最後に勝てて本当に良かった。(同期に向けて)僕らの代の同期めちゃくちゃ辞めたんですけど。 (笑) 最初26人いて、辞めた同期も残った同期もみんないい同期だったので本当に感謝しかない。みんなに出会えて良かったなと思う。(後輩に向けて)自分に嘘つかずにラクロスと向き合って2部残留のチームではなくて1部昇格、日本1を目指せるチームをつくってほしい。今年「ALL OUT」というチームスローガンを掲げて全力を出しきるという意味だったが、全力を出しきれない試合もあった。結果は伴わなくても全力で無我夢中で取り組んでほしい。


・瀬田(ラ3=東京成徳)

(試合を振り返って)今までのリーグ戦の5戦全て負けていたが、全部立ち上がりディフェンスから大量失点して、4Q通して間に合わないという試合展開だったが、先制点も取れて、1Q終わって2ー0とリズムをつくることができてよかった。(始まったら0ー0だからという声かけてが見られたが)東洋の傾向として練習試合で勝っていても後半ズルズルいって負けてしまう、雰囲気でやられてしまうというところで、やはりQで考えて、1Qで2ー0でも2Qで例えば0ー0だという、全部のQで勝てば試合に勝てるという考え方だった。そういう気を緩めない80分で、集中して戦えたんじゃないかなと思う。(現主将について)松尾主将はすごい人で。普通のチームにないことで、この時期になって4年生が辞めたり。1年生の時から松尾さんに頼ってる代っていう印象があった。その中で一人でチームを変えようとしている姿を見て僕も感化されてきた。今年1年は本当に松尾主将のチームだったと言っても過言ではないと思う。来年自分がそのチームをつくれるかどうか分からないが、また違うつくり方で東洋ラクロス部を、5年後に日本一という長期目標も掲げてやっているので、今試合で2部残留という最低限の結果を残せたので、ここから東洋大の快進撃を見せたいと思う。


・緒方(ラ2=朝霞西)

(1得点目を入れたが)東洋はいつも先制点を取られて結局そのまま負けるっていうのがずっと続いていたので、何としてでも先制点を取るとみんなで決めていた。自分が決めてやろうという思いだった。もう気持ちだった。(国士大にリードされた中での同点を決めたが)3ピリのとき、追い込まれると東洋は下がってしまって、それがずっと敗因でここまできた。今日はみんなの気持ちが一つになっていて、本当にみんなが勝つという一つの目標に走ってたので、みんな落ちずに走り切れたのが勝因だと思う。本当に自分はバカだが、4年生が前に教えたことこかも何回も教えられないと分からなくなってしまうが、それでも4年生がずっと教えてくれて、4年生のためにもなんとしてでも2部に残らないとなと。勝つことしか考えてなかった。みんなの気持ちが一つになったと思う。最高だ。


TXET=鶴田華穂 PHOTO=小野由佳莉