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12月12日に開幕する全日本大学サッカー選手権大会(以下、インカレ)に創部後初出場を決めた東洋大男子サッカー部。12/8~12/11までの4日間、スポトウ記者注目の選手たちを特集していきます。第4弾はDF浦上仁騎選手です!
浦上の声でチームはひとつになる
8位・流経大と勝ち点で並び、得失点差でインカレ出場権をつかみ取った。前期10位で折り返したチームを7位にまで押し上げたのは守備陣の奮闘が欠かせない。そして、常にその中心にいたのは浦上(国4=大宮Y)だった。
4年生となった今春、浦上は「失点数にこだわっていきたい」と今シーズンの目標を語った。しかし、いざリーグ戦が始まってみると、チームは第7節まで未勝利。後ろに目を向けると、前期は11試合で18失点を喫し10位という結果に。「実力をしっかり受け入れなくちゃいけない」と浦上は悔しさを滲ませた。それでもリーグ戦中断期間にチーム全体で修正を施し、後期で許した得点はわずかに9。粘り強い守備が10戦負けなしという結果にもつながった。そのうち5試合はクリーンシートで終え、インカレに向けて”負けない東洋”が仕上がっている。
中でも第16節の明大戦はチームにとって、浦上にとって大きな試合となった。8月の総理大臣杯を制した明大相手に2-0と無失点で封じ込めた。顔なじみが多く「一番負けたくない相手」とどの相手よりも浦上が意識する明大。昨季は2戦2敗と苦杯をなめた。その相手に今季は2戦2勝と昨季のリベンジに成功。さらに2試合共に無失点で抑えたことで、浦上も満足気な表情を浮かべていた。
2年前の1部昇格と共に当時CBを組んでいた徳市(H28年度法卒)が卒業し、3年時からDFラインの統率を任された浦上。後輩たちの台頭もあり、ついていく立場から引っ張る立場へと自身の役割も変化していった。中でも現在CBでコンビを組む土田(国2=大宮Y)は「見習わなきゃいけない部分はたくさんある」と浦上に対して絶対的な信頼を寄せている。また、今季はけがの影響もあって試合に出ることが少なかった主将の勝野(国4=浦和Y)に代わり、キャプテンマークを巻いた。「意識はしていない」と話す浦上だが、たとえ勝っている場面でも「絶対に切らすなよ、最後まで最後まで!」と表情を一切緩めることなく味方に檄を飛ばす。チームに一切の油断を与えない、これぞ闘将の在るべき姿だ。
「東洋大学に入って本当に良かった」。リーグ戦を終えて、走り続けた4年間を改めて振り返ると浦上の口から出たのは感謝の言葉。東洋大に入ってできたつながりが、浦上をここまで成長させてきた。春先からチームの中で誰よりもタイトル獲得に対して強い想いを抱いていた浦上。インカレという大学サッカー最高峰の舞台で何を残せるか、4年間の集大成を見せる時がきた。
大学最後の大会に挑む
[次戦試合予定]
第67回全日本大学サッカー選手権大会
1回戦 12月12日(水)vs IPU・環太平洋大
浦安市運動公園陸上競技場にて 13:30キックオフ
TEXT/PHOTO=美浪健五