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2018.12.29
アイススケート

[アイスホッケー]DF渡邉&FW古川誠の窮地を救うゴール! 中大を下して2年連続決勝の舞台へ

91回日本学生氷上競技選手権大会

1228日(金) 白鳥王子アイスアリーナ

東洋大4―2中大

 

[ゴール(アシスト)]

23:26 渡邉(阿部)

48:25 渡邉(出口、小堀)

49:18 古川誠

58:30 坂元(柴田、阿部)

 

POS背番号名前
GK34古川駿(社4=八戸工大一)
GK31水田(社3=駒大苫小牧)
DF46渡邉(社4=日光明峰)
DF12福田(社1=日光明峰)
FW11所(社3=駒大苫小牧)
FW13出口(社4=駒大苫小牧)
FW27小堀(社1=白樺学園)
DF29中村(社3=八戸工大一)
DF26川口(社3=白樺学園)
FW18阿部(社4=白樺学園)
FW16武部(社2=苫小牧工)
FW19柴田(社4=武修館)
DF23佐藤(社4=駒大苫小牧)
DF坂元(社4=清水・北海道)
FW14久米(社1=駒大苫小牧)
FW48清水(社2=白樺学園)
FW21古川誠(社4=白樺学園)
DF奇(社3=宣徳・韓国)
DF33千葉(社2=駒大苫小牧)
FW24石橋(社3=駒大苫小牧)
FW22石倉(社3=八戸工大一)
FW20猪狩(社2=駒大苫小牧)



貴重な同点打に喜びを爆発させるDF渡邉



DF渡邉は前試合に続く活躍だった


攻守でチームを助けるFW古川誠とGK古川駿(中央)


 91回日本学生氷上競技選手権大会(以下、インカレ)は4日目、一つの山場を迎えた。相手は昨年、同じ準決勝で破った中大。1ピリに先制を許すが、粘り強くゴールを狙い続ける。DF渡邉(社4=日光明峰)の2得点やFW古川誠(社4=白樺学園)の決勝点で見事、2年連続の決勝の舞台へと進んだ。


 1ピリはシュート数こそ上回るものの、我慢の時間が続く。中大GK金子の好守備を破ることができない内に素早くゴール前に躍り出た中大に先制される。2ピリ開始早々にはPP(パワープレー)のチャンスが。しかし、決め切れないまま時間が過ぎていき、このまま終わると思われたその時――。この好機を逃すまいとDF渡邉が空いたスペースに放ったパックが守護神・金子の壁を破って待望の1点目。その後1失点し、1点ビハインドという厳しい状況で迎えた3ピリでも「決められる気がちょっと今日はしていた」と、またもDF渡邉が同点打でチームを活気づける。大接戦の試合展開で勝負を決めたのは主将・古川誠だった。一人ゴール正面に抜け出すと、常に大事な場面でチームを救う男の1点が決勝点に。その後、DF坂元(社4=清水・北海道)がダメ押しの1点を決め、4―2で勝利を収めた。


 「自分たちのプレーをやれば勝てるっていうのを、ベンチからも選手からも感じた」と鈴木監督。そして、リードされる展開が続く中でも、連日のGK古川駿(社4=八戸工大一)の好セーブが幾度となくチームの窮地を救い、ここまで来ることができた。決勝戦は昨年のインカレで負けを喫した明大。FW古川誠、DF坂元は口をそろえて「この1年、明大よりも練習してきた」と言う。ようやく、目の前で優勝を奪われた昨年の無念を晴らすときがきた。



■コメント


・鈴木監督

中央さんもすごくいいチームで堅い守りだったので、簡単な試合ではなかったが最後まで選手たちがチームの力を信じて戦ってくれた結果が、最後のいい結果に結びついたんじゃないかと思う。(1、2ピリのシュート数は上回っていたが)守りが堅かったのもあるし、(中大の)GKの金子選手のすごくいい守りをしていたので、特に1ピリは東洋のペースで進められたがなかなかGKの壁を破ることができなかったのが難しかったゲームではあった。(3ピリで一挙3得点)試合を進めていく中で、3ピリビハインドからスタートするというのはすごく難しい状況ではあったと思うが、選手全員が自分たちのプレーをやれば勝てるっていうのを、信じる力っていうのをベンチからも選手からも感じたので最後までチームの力を信じて戦ってくれた結果が最後の逆転に結びついたんじゃないかと。(MVPは)選手が選んだMVPは渡邉亮秀です。あの3ピリのゴールも素晴らしかったし、攻守ともにチームを引っ張ってくれたと感じている。(昨日はあまりできなかった東洋らしいホッケーは)もちろん細かいミスやこれからレベルアップしなくてはいけない部分もあるが、本当に今日の試合に関してはうちらしい戦いを60分間できたんじゃないかと思う。(ロースコアで抑えてる守備面に関して)ディフェンス面はもう少しレベルアップしなくてはいけないが、昨日も今日もGKの古川が素晴らしいセーブをしてくれているので、明日に向けてはプレーヤーがもう少しいい守備を固めて、キーパーを助けてあげられればいいなと感じる。(次戦に向けて)やっとインカレの決勝の場に立てるが、個人的に昨年も明治さんに負けていて、決勝で明治と戦いたいという思いもすごく強かったので、個人的にすごく楽しみにしている。ここから明日までまたいい準備をして、まずは自分たちの力を全て出し切れるようにやっていきたい。

 

・FW古川誠主将(社4=白樺学園)

ずっと我慢の展開だったが、誰一人マイナスの発言することがなかった。60分間全員が絶対勝つって気持ちでできたのが、最後こういう結果につながったと思う。(中大戦は一つの山場だったと思うが)個人的には法大戦からチーム的にも山場だと思っていた。法大戦はゲーム内容よくなかったががなんとか勝てて、中大戦も最後の最後まで3ピリの途中まで我慢の展開で最終的に残りわずかなところで42の2点差つけて勝ったのが、ロースコアで抑えられたし、4得点も取れたので明大戦につながるいい試合だったと思う。(自身のゴールシーンを振り返って)インカレに入ってからシュート面で調子が良くて。リーグ戦中からずっと低いシュートを心掛けてやってきたので、ああいった同点の場面で「絶対自分が決めてやるんだ」って強い気持ちで、自分の得意なコースを打った。(得点した時の心境)2―2でゲームが均衡して得点が動かない試合だったので。ずっと気持ちを切らさずにゴール狙いつづけてた結果がつながったと思うので、素直にうれしかった。(改善したい点)守りの部分でキルプレーになって、ちょっとのズレで失点してしまった。まず反則をなくせば絶対5対5だったら自分たちの方が動けるし絶対強いと思っているので。明大よりも練習してきたってとこを証明したい。(決勝に向けて)昨シーズンはインカレ決勝という舞台で明大に負けて、準優勝で終わった。この1年間この悔しさをずっと持ってやってきたので、今季こそはリベンジして優勝して終わりたい。


・GK古川駿(社4=八戸工大一)

決勝進出できたということでまずはホッとしている。すごくハードな苦しい展開だったが仲間が絶対に決めてくれると信じていたので、それが本当に結果に結びついてくれてうれしい勝利だった。自分の調子はいいと思う。(中大の印象は)全員ハードワークしてきて簡単には勝たせてくれない相手だと思っていた。(チームの雰囲気は)合宿のときからずっとすごくいい雰囲気でやれていたので、難しい相手だったが負ける心配は無いと思っていた。全員というか、4年生以外にも下級生とかも率先してチームを盛り上げてくれているので、いい雰囲気のなか試合ができている。(3ピリで攻めこまれる場面が多かったが)プレーヤーみんなハードに戦ってくれてブロックもバンバンしてくれたので失点することなく3ピリを終えることができて良かった。(ロースコアで終われていることについては)ロースコアでの試合が続いてるということは自信にもなるし、チームが成長してきている証だと思うので明大戦もロースコアで勝って優勝したい。(決勝戦に向けて)このチームでやれる最後の試合なので勝って優勝して終わりたいと思う。

 

・DF渡邉(社4=日光明峰)

中大相手で、スタートから東洋大の時間があまりつくれない中で先制された。そこからみんな下がることなく自分たちのプレーに徹していて、焦ることもなく。P Pで決められて0―1で(1ピリを)終えた。みんな最後まで相手にリードを許している中でも、マイナスな発言とかなく自分たちのプレーに徹してやれてたかなと思う。(ゴールシーンについて)1点目は混戦で、相手の選手がゴール前にかたまっていたのでこぼれていたパックをスペースに狙って打ったら入った。2点目は小堀(社1=白樺学園)がパスを受けたので、サイドを走っていたのでもらえるかなと思った。ちょっとパスが悪かったが(そのまま)入れた。(どちらもチームを救うゴールとなった)そこまで意識していなかったが、チャンスがあったら決めるというか決められる気がちょっと今日はしていたので。あまり意識することなくチャンスがきたら絶対決めるという気持ちで狙っていた。(守備について)そんなに悪くなかった。もっとコミュニケーション取ってやっていけばもっとできると思う。(チームの調子は)みんなすごく気持ちも入っている。変な気負いをせずにみんなで楽しく自分たちのプレーをすればきっといい結果が付いてくると思うので、あとは泣いても笑っても最後の試合なので楽しんで自分たちのプレーできればいいなと思う。(昨年と同じ決勝での明大と対戦だが)あまりリベンジという気持ちはない。とりあえず自分たちのプレーを100パーセントできればいい結果につながると思うので、みんなが一人一人やれることをやりたい。



TEXT=越塚日南 PHOTO=外狩春佳、岡村珠里