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第22回日本学生ハーフマラソン選手権大会
兼 第30回ユニバーシアード競技大会日本代表選手選考競技会
3月10日(日) 陸上自衛隊立川駐屯地滑走路、国営昭和記念公園とその外周道路コース
ハーフ学生
1位 相澤 1:01’45
21位 今西 1:03’23
34位 定方 1:03’50
40位 蝦夷森 1:03’56
96位 小田 1:05’06
129位 田上 1:05’29
149位 吉川 1:05’43
190位 岡里 1:06’20
251位 浅井 1:06’55
294位 吉田 1:07’19
491位 土壁 1:09’53
499位 山本瑛 1:10’02
786位 藤城 1:18’33
DNS 西山
DNS 大澤
DNS 鈴木
DNS 大森
DNS 中村駆
DNS 野口
DNS 杉村
DNS 中野
DNS 石川
DNS 八重樫
圧巻の走りで見事優勝した相澤
先頭で集団を引っ張りレースをコントロールした
故障明けながら自分のベースを守り切り奮闘した今西
定方はベスト更新をしたものの終盤の落ち込みを課題に挙げた
昨年冬から状態を上げてきている蝦夷森は今季の注目株だ
国営昭和記念公園にて学生ハーフマラソン選手権が開催され、相澤(済3=学法石川)が優勝を果たした。この大会はユニバーシアードの代表選考会を兼ねており各大学の強豪が集う中であったものの、余裕すら感じさせる走りで代表権も獲得した。
レースはスローペースで始まり、5kmを通過したあたりから先頭で集団を引っ張る形に。共に先頭を走っていた国学大の浦野を意識し「負けたくない」と、ペースの揺さぶりを掛ける。徐々に先頭集団は絞られていき、公園内に入ると細かいアップダウンが続くが相澤の余裕は崩れない。18km付近でギアチェンジをして仕掛けると駒大の中村大聖との一騎打ちになり、ラスト400m辺りまで並走を続ける。ここで終始余裕を持ってレースを進めていた相澤が抜け出し、トップでゴールテープを切った。
記録は1時間1分45秒と、自身の1年生のときのタイムを久しぶりに更新した。さらに2012年に設楽啓太(H25年度済卒=日立物流)が記録したハーフの東洋大記録と並び、着々と鉄紺の主将を担う強さを身に付けている。酒井監督は2月の故障に触れつつ「勝ち切ったレースができたというのは良かった」と、相澤の走りを評価した。
さらに今西(済3=小林)、定方(工3=川棚)ら最上級生となる3年生と昨年の冬に復活を遂げた蝦夷森(ラ1=愛知)、中間層を担う小田(総2=浜松商)がそれぞれ自己ベストを更新。近年選手層の薄さが弱点に挙げられるが、明るい兆しが見えてきている。新主将の相澤は、まずトラックシーズンの活躍を誓った上で「三大駅伝でしっかり結果を残せれば」と意気込んだ。頼もしい主将を中心に、新チームの機運は高まっている。
■コメント
・酒井監督
まずはユニバーシアードの選考で3番以内ということが選考基準なので、そこにしっかりと入るということが第一。あとはやはりハーフマラソンの成績は箱根駅伝に直結してくるので、ユニバの選考以外で他校との駅伝を見据えたところ、あとはトラックに向けた移行期の中でハーフでしっかりとした走力をつくることもトラックにつながるということで、現時点でのチームの現状を見る上での大事な大会だと思って臨んだ。(相澤選手がユニバーシアードの代表権を獲得したが)2月に練習が途切れることもあったので、この中できちんとした勝ち切ったレースができたというのは良かったと思う、評価できる走りだった。1時間1分45秒で彼のベストなので、こういうコンディションと気候で(設楽)啓太と同じ東洋大記録が出せたのは良かった。(棄権した西山選手は)福岡クロカンの後故障したので今トラックシーズンに向けて調整している。(主将となる相澤選手への期待は)駅伝もそうですし今年は世界大会があるので、しっかり存在感をアピールして駅伝の主役となれるようにやってほしい。(本格的にトラックシーズンが始まっていくが意気込みを)トラックからしっかり三大駅伝、そして世界を見据えた学生時代の世界もそうですし卒業後も持ち回れるようなそういうものを高いレベルで、あとは底上げと両面にわたってしっかりやっていきたい。
・相澤(済3=学法石川)
あまり速いペースでいかなかったので自分としては結構余裕を持って走れたが、やっぱり公園に入ってからアップダウンがあって、そんな中でも自分から仕掛けて勝ち切れたので良かった。(ラストに仕掛けたタイミングは)走りながらどの辺りでスパートしようかなというのはそのときの状態で見て考えていて、ラスト1kmだとなかなか差が開き切らないので2kmくらいでスパートした方がハーフだし、トラックと違って一旦離されるとなかなか追い付くのが厳しいのでラスト2kmでスパートしようと思っていた。(終始先頭でのレース運びだったが他大の選手は意識していたか)國學院の浦野くんはすごく力のある選手でずっと自分と一緒に引っ張っていて、浦野だけには負けたくないと思ったので勝てて良かった。(ベスト更新となったが)大会記録が1時間1分36秒で狙えるかなと思ったが、途中から勝負に徹していてあまり気にせずに走ったのでタイムは切れなかったが、切れなくてもいいレースができたので自分としては満足している。1時間2分5秒というのが1年生のときのベストなので、1年生のとき以来更新できたのですごく良かった。(主将として取り組む今後への意気込みを)これからトラックシーズンが始まるがまずは関カレでトラック優勝、そして三大駅伝につなげるためにしっかり夏合宿で練習をして三大駅伝でしっかり結果を残せればなと思う。
・今西(済3=小林)
故障明けで練習をあまり積めていなかったので、追い込みの一環として出場した。思ったより自分で追い込めていい試合になったと思う。(レースプランは)全く考えていなかった。心肺を追い込んだのがいい結果につながった。(レース展開は)思ったよりも先頭のほうでレースを進めることができて、13km以降は遅れてしまったが自分のリズムで押し切ることができたので上出来だと思う。(収穫と課題は)相澤との力の差を感じた。今回さらに強く感じたので、4年生の自分が相澤に少しでも追いつけるように、そしてチーム力向上に努めていきたい。(これからに向けて)今年は、三冠という目標を掲げているので、相澤、西山という主力に頼るのではなく、中間層が存在感を発揮できればいいと思う。
・定方(工3=川棚)
今回は多くの選手が出場して、今年一発目の試合になる人も多かった。これからのトラックシーズンに向けて、いいスタートを切るためのレースだったと思う。(レースプランは)63分台というのを目標にしていたので、最初から落ち着いていって、タイムを確実に狙っていった。最初から慌てず自分のペースを刻んでいこうと思い走った。(レース展開は)最初から落ち着いて入ることができて、練習の力をしっかり出そうと思って自分のペースを刻むことができた。(収穫と課題は)15kmまでいい走りができたが、ラスト5kmでだいぶ落ちてしまって、目標は達成できたが、さらにその上のステージには自分の力では足りないと感じた。後半5kmの落ち込みをしっかり克服していきたい。(これからに向けて)自分はまだ駅伝で走ったことがないので、今回結果しっかり残すことができて2019年いいスタートを切ることができたと思うので飛躍の年にしたい。
・蝦夷森(ラ1=愛知)
2週間前に犬山ハーフに出て63分58秒でいい自信になったので今回は最低限63分30秒を目標として走ったが、結果63分54秒で目標は達成できずに悔いが残るレースになった。でも最近は63分台で2本走れているので、この1年の前半を考えると安定してきたかなと思う。(最近の調子は)入学してからの半年はけがでずっと苦しい思いで、やっとけがが治って練習が積めてきた分しっかりレースでも走れていて順調にきているので、これから関カレとかもあるのでそれに向かって今の調子を維持していきたい。(トラックでのレースの目標は)関カレは10000mかハーフマラソンで狙おうと思ってるので、今のところハーフマラソンで狙える位置にはいるのでしっかり1部でライバルチームに勝てるようにチームの力になれたらなと思う。(三大駅伝に向けて)去年は1年生から鈴木が1人しか出れなくて学年として悔しい思いをしているので、今年は自分が引っ張る覚悟を持って三大駅伝で結果を残して、最終的に箱根で王座奪還できたらいいなと思う。
TEXT=稲村真織 PHOTO=長枝萌華