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第43回全日本競歩能美大会
兼 Asian 20km Race Walking Championships in NOMI 2019
兼 ドーハ2019世界陸上競技選手権大会 男子・女子20km競歩代表選手選考競技会
併催 第13回日本学生20km競歩選手権大会
兼 第30回ユニバーシアード競技大会日本代表選手選考競技会
3月17日(日)日本陸上競技連盟公認能美市営20kmコース(往復2.0km)
Men Asian 20km Race Walking Championships in NOMI 2019
2位 川野 1:17’24
3位 池田 1:17’25
24位 成岡 1:22’49
男子全日本 20km競歩
2位 川野 1:17’24 ※日本学生新
3位 池田 1:17’25 ※日本学生新
13位 成岡 1:22’49
DNF 長山
女子全日本 20km競歩
DNS 竹中
学生選手権男子 20km競歩
1位 川野 1:17’24 ※日本学生新
2位 池田 1:17’25 ※日本学生新
9位 成岡 1:22’49
DNF 長山
学生選手権女子 20km競歩
DNS 竹中
日本学生記録を更新し、表彰台で笑顔を見せる二人(左から川野、池田)
悪天候のなか落ち着いてレースを進める
2大会連続で自己ベストを更新した成岡
※掲載が遅くなり、誠に申し訳ございません。
世界選手権とユニバーシアードの選考を兼ねる第43回全日本競歩能美大会(以下、能美競歩)が行われた。50kmの学生記録保持者である川野(総2=御殿場南)、20km競歩で世界ランキング1位の池田(済2=浜松日体)らが男子20kmに出場。20km競歩の日本学生記録を更新するとともに、ユニバーシアードの出場権を得た。
試合は雨が降る悪条件のコンディションの中行われた。スローペースで始まるかと思われたレースは東洋大OBの松永(H28年度工卒=富士通)や20km競歩の日本記録保持者である鈴木(富士通)が引っ張りハイペースな展開に。川野、池田は先頭と5秒差ほどの第2集団に位置取り様子をうかがう。世界記録更新の可能性のある高速レースが動いたのは16km過ぎだ。川野、池田それに続き山西(愛知製鋼)が先頭集団から抜け出し、優勝争いは3人に絞られた。18km付近で山西が勝負を仕掛けると、川野と池田はそれに反応することができない。そのまま山西がトップでゴールし、惜しくも全体での優勝は逃したが2018年に山西が記録した20kmの日本学生記録を二人で更新する学生ワンツーフィニッシュを決め、7月にイタリアのナポリで行われるユニバーシアードの出場権を獲得した。また悪天候ながらも、出場した4名のうち3名が自己ベストを更新。東洋大競歩ブロックの強さを見せた。
川野は50km競歩で東京五輪を目指す。その過程として出場した今大会は「ユニバーシアードをしっかりと決めてというのと、その20kmでどこまで勝負できるのか」を目的として出場したという。川野は今大会で50kmに続き20kmの日本学生記録も更新。「歴代の先輩方はすごく強いが、その選手に学生として勝てたというのはすごくうれしい」と素直な気持ちを語った。さらには「次は自己ベスト等でも勝てるように頑張っていきたい」と今後は力を注いでいく50km競歩へ向けての決意を新たにしていた。一方、池田は先月の日本選手権から1ヵ月での出場ながら日本学生歴代2位を記録。今回の能美競歩で目標としていた世界選手権への切符を獲得できなかった悔しさをにじませるも「日本選手権から1ヵ月間の短い期間の中でもう一度調整して仕上げられたというのは、今後の自信になる」と手応えを見せた。
7月に行われるユニバーシアードでは川野、池田ともに金メダルを目標としている。今大会で日本競歩界の歴史に名を刻んだ2人が、次に名を刻む場所は世界の舞台になりそうだ。
■コメント
・川野(総2=御殿場南)
もともと雨も降っていてコンディションも悪かったのでスローペースになると考えていた。最初のハイペースはかなりキツかった部分もあり焦ったが、一旦冷静に動きを落ち着かせて歩いた。(山西選手が出たときは)ラスト2kmで自分的にもキツくていっぱいいっぱいだったので正直強いなと思った。あそこにしっかり対応できるようにまた練習していきたい。(池田選手に勝ったのは)小さな記録会ならたまにあったが、このような大きな大会は初めて。でも池田は1ヵ月前に日本選手権も出ている中でこのタイムで歩いているので、まだまだこれから関東インカレ等で勝てるように頑張りたい。池田に勝ちたいという思いがあったので意識しながら走っていた。勝ってフィニッシュしたときは今までにないくらいうれしかった。(50kmと20kmはどちらに重点を置いていくのか)東京五輪は50kmで担おうと考えているので、今回はユニバーシアードをしっかりと決めてというのと、その20kmでどこまで勝負できるのかという目的で出た。また、これが終わってから世陸がどうなるか分からないが、50km競歩に向けてやっていきたい。(ユニバーシアードへ向けて)金メダルを獲れるように頑張っていきたい。(日本学生新について)歴代の先輩方はすごく強いが、その選手に学生として勝てたというのはすごくうれしい。また次は自己ベスト等でも勝てるように頑張っていきたい。
・池田(済2=浜松日体)
優勝して世界陸上をつかむというのが一つ目標だったので3位という結果で悔しい。(山西選手が単独でトップに立ったときは)18km付近で山西さんが出られたが完全に足が止まってしまっていて、対応することができずに最後はもがくだけになってしまった。(学生記録更新を果たしたが)ここまで速いペースになるとは想定していなくて自分でもここまで出せるとは思っていなかった。日本選手権から1ヵ月間の短い期間の中でもう一度調整して仕上げられたというのは、今後の自信になると思う。(雨と気温の低さへの対策は)雨のレースは何本かあったのでそこまで心配していなかったが、ここまでのハイペースで悪天候というのは経験したことが無かったので、やっぱり最後に硬まってしまったのが今後の課題になった。(今後の意気込みを)もちろんユニバーシアードも今年狙っている一つの大会で、そこでしっかり金メダルを獲って世界陸上に向けていいステップにしたいと思っていたので、しっかりもう1度そこに合わせてコンディショニングしていきたい。
TEXT=長枝萌華 PHOTO=長枝萌華、稲村真織