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第61回関東地区大学準硬式野球選手権・準々決勝
3月26日(火) ダイワハウススタジアム八王子
〇東洋大3-0日大
(イニングスコア)
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
日大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | x | 3 |
(東洋大)
竹内(ラ1=石橋)ー西本(ラ2=岩国)
本塁打:土屋(八回)
「ここで打てばかっこいい」という局面で打ち抜いた土屋
井上結の一打が先制点を引き寄せた
好投を見せ吠える竹内
ベンチの声援が勝利を呼び込んだ
第61回関東地区大学準硬式野球選手権大会(以下、関東選手権)準々決勝の相手は同じ東都リーグ1部に所属する日大だ。共に得点を許さない状況が続くも、東洋大が先制点を挙げ3-0で勝利した。
初回にチャンスは訪れた。伊藤(ラ2=成立学園)、井上結(ラ1=中央中等教育)が一、二塁へ出塁し、打席には高橋主将(社2=八戸学院光星)。犠打で駒を進め得点につなげることも考えられた。しかしそうではなかった。今日は「とにかく攻める」試合をするということでしっかりバットを振り抜いた。ここは惜しくも併殺される。
両者互いに譲らず拮抗(きっこう)した戦いとなった。試合が動いたのは七回。井上結が右前打で出塁し、さらに盗塁から相手の失策を誘い、三塁へ。1死三塁の場面で登場したのは吉澤(ラ2=長野西)。吉澤の犠飛によって井上結が生還し1点を先制した。さらに8回、2死二塁で打席に立ったのは土屋(社2=習志野)。前日の城西大戦ではフェンスに直撃となり惜しくも本塁打とならず。その悔しさを晴らすかのように勢いよくバットを振ると打球は右方向へ弧を描きフェンスを越えた。土屋は笑顔を見せながらダイヤモンドを駆け抜けた。
この試合では先発・竹内の腕が光った。全115球を投げ被安打は2とし、9回を完投。「守備もすごくいいテンポで守れた」と井上結も竹内の好投を絶賛した。東洋大の新エースとなるか、今後も竹内に期待したい。
試合は3-0で勝利。「今日はチーム全員がMVP」と松井友学生監督は試合を振り返る。攻守だけでなく、球場に響くベンチからの声もチームの流れを引き寄せた。次戦の相手は中大。準決勝も確実に勝利を掴んでいく。
◼️コメント
・松井友学生監督(社2=前橋南)
いいゲームだった。本当に締まった試合で緊迫感があってこのゲーム勝ちきれないと優勝はできないので、竹内はじめ本当に全員で勝ち取った勝利です。昨日首脳陣と誰をスタメンに使うかということを話して、浦田も昨日ヒットが出ているし、田部井も調子よくて、剛(土屋)も昨日3本打っていて。剛は練習試合で全然ヒットが出なかったけどそれでもめげずに一人で残って練習している姿を見ていたらなんかやってくれそうな気がして、野球の神様にかけてみようかという感じで(笑)。やってくれました。(MVPは)決められないですね。結太(井上)も良く先頭でたし、あれがなかったら点が入ってなかったし吉澤も犠牲フライ打ってくれて、剛もホームラン打ってくれた。田部井も粘ってくれて、陸はバント決めてくれて、ベンチもずっと声出してくれていたので本当に今日はチーム全員がMVP。(日大は)戦略を練ってくるチーム。昨日瀬下さんとも話したけれど、うちのやってきたことをやるだけだと言っていただいたので、やってきたことうちのスタイルを貫こうと。今日はとにかく攻めようということを話していて。練習量とか日大はたくさんやっているのでとにかく攻めようと。やらないで負けるならやって負けようということでどんどん攻めた。(中大戦)今日中大はコールドで勝っていて、うちは厳しいゲームをきっちり勝ち切れているので分はうちにあるかなと思う。誰が投げるとか決めていないが誰でも自信をもって送り出せる。
・高橋主将(法2=八戸学院光星)
今日はノックがない中でいつもと違って、入りを意識してやっていた。そのことをみんな意識してやってくれて、それが得点につながったかなと思う。(竹内投手の好投を見て)完璧ですね。頼もしかった。ピッチャーも頑張ったし野手もよく守って頑張ったので完封につながったと思う。バッテリーも逃げずにずっと攻めていたのでバッテリーが頑張ってくれたおかげだと強く感じた。(土屋選手の本塁打は)あいつはやるときはやる男なので、そんなに驚きはしなかった。(次戦に向けて)今日みたいに攻める気持ちを忘れないで絶対勝つという気持ちを持ってやったら良い結果になると思う。頑張っていきたい。
・土屋(社2=習志野)
日大は東都リーグで試合している相手で予想通りの試合の進み具合だった。竹内がああいった形でいいピッチングをしてくれた中で、井上が出て吉澤が犠牲フライ打って1点取ることができていい流れに乗れた。いい試合運びで勝てたと思う。(自身のホームランは)打席に入って相手がタイムを取ったときに監督の松井友希が声をかけてくれて気持ち的にも吹っ切れて打つことができた。昨日は打てなかったので。ここで打ったらかっこいいなって思いながら打席に入って(笑)。打てなくても1点入っているから大丈夫だと思って思いっきり打ったらああいった形になったので良かった。(調子は)個人的にいいかなと思っているけど練習試合で全然打てなくて、レギュラーにも入ってなかったけど、昨日のバントヒットで吹っ切れたかなと。自分のプレースタイルを確認できたのでより思いっきりスウィングしたりプレーできている。(ベンチの応援)すごい聞こえてくる。海保と大石が中心になって声出ししてくれている。東洋の良さは去年に引き続き声で勢いを持っていけるところだと思う。(中大戦に向けて)中大は東都の1部で何回も試合した相手でお互いにどういう相手か分かっているのでその中でも今日の試合みたいに厳しい戦いになると思う。ピッチャー中心なって野手がいいところで出ればいいと思う。
・井上結(ラ1=中央中等教育)
ここまで勢いがついてきてチームの雰囲気もすごく良かった。日大はこれまでに対戦したチームとはまた一個レベルの違った相手でどうなるか不安だったが、去年優勝しているが今日は挑戦者の気持ちでやっていこうってう気持ちでみんな固くならずに思いっきりプレーできたと思う。(竹内投手の好投を見て)いつも以上に球もはしっていてコントロールも安定していた。一回二回と0点を重ねていくごとに竹内も調子良いんだなというのが分かって、守備もすごくテンポ良く守れた。本当に竹内のお陰ですごい良いリズムができたと思う。(七回は)2番の自分から始まる打順で絶対ここ出たら点はとれると思っていたので絶対ここは出てやろうと思っていた。セーフティバントも考えたが、バッティングの調子が良いので、振って駄目なら諦めがつくので思いっきり振っていこうと思ってそういう思いがああいう結果になったと思う。走塁はちゃんと次の塁を狙っていこうと思っていたので、弾いたのが分かった瞬間にスタートを切れた。(次戦に向けて)ここまで3戦やってきてみんな攻守ともに良い感じに仕上がってきている。これまでの結果に満足せずにしっかり切り替えて準決、決勝と一つずつしっかり勝っていけば優勝できると思う。
・竹内(ラ1=石橋)
相手のレベルが今までと全然違くて個々の力が強いチームだったので、もっと打たれるかと思ったが意外と抑えられた。こんなに上手くいくと思っていなかった。(調子は)調子は良かった。ところどころ修正するところはあったのでそこは修正していかないといけないというのが見えた。(気持ちも出ていたが)優勝しようということでやっていて、今日は結構重要な試合だったので。ここまでくれば流れでいけるかなと思う。コールド勝ちが2戦続いたあとに、苦しい試合を勝てたのは気持ちも盛り上がった。勝てたのはうれしい。(土屋選手の本塁打は)1対0で最終回かなと思っていたが、あそこで一本打ってくれた。やっぱり1対0だと気持ち的にもプレッシャーがあったりするが、3対0だと今日の自分なら大丈夫だろうと思った。あそこで勝ったんじゃないかなと思った。(次戦に向けて)勝っても負けても次の試合があるっていうのは考えないほうがいいかなというのはある。そこは監督の考えがあると思うので、投げるんだったら調整するだけ。自分が投げる試合は勝ちます。
TEXT=伊藤なぎさ PHOTO=川口朋珠、伊藤なぎさ