Article

記事


2019.04.10
硬式野球

[硬式野球]「弱い自分とは決別した」。山崎基が2本の適時打含む猛打賞で中大戦先勝

平成31年度東都大学野球1部春季リーグ戦・中大1回戦

4月9日(火)神宮球場

○東洋大5-2中大



東洋大
中大


(東洋大)

渡邊、○山下雅(1勝)、河北ー佐藤都

二塁打:小峰(五回)、松本(六回)


・打撃成績

打順守備名前
(右)山田(総4=桐生第一)
(三)津田(総4=浦和学院)
(遊)小川(法3=霞ヶ浦)
(一)酒巻(営3=成田)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山崎基(営3=愛工大名電)
(左)小峰(営4=帝京)
(二)小林直(法3=八戸学院光星)
(中)松本(営1=龍谷大平安)


33


・投手成績

名前球数四死球三振
渡邊(総1=報徳学園)41/383
山下雅(営4=東邦)32/341
河北(営1=浦和学院)13



山崎は猛打賞をマークした

存在感を発揮した山崎

適時打に盛り上がるベンチ


  リーグ戦前、選手が口々に山場と語った中大戦。前日の雨天中止から再試合となった一戦は、先制を許すも山崎基(営3=愛工大名電)の2本の適時打が飛び出し5対2で勝利した。


   「2人で1点を取ろう」。これは1つ前の打順を打つ佐藤都(法4=聖光学院)からの言葉だ。その言葉を胸に立った第2打席。小川(法3=霞ヶ浦)と酒巻(営3=成田)に加え佐藤都が四球で出塁、2死満塁の好機で打席に入る。「打ったのはストレート。1年生の渡邊(総1=報徳学園)が頑張ってるので楽にしてやりたくて」と6球目を振り抜き2点適時打に。ベンチでは下級生たちが喜びを爆発させた。
   勢いに乗ったこの男は止まらない。五回にも小川・酒巻が出塁し、2死一、三塁で打席を迎える。「‪村上(総3=智弁学園)の昨日の力投を無駄にしたくなかった」と未来の女房役が決意を固めた一打。気持ちの強さが伝わった打球は遊撃手のグラブをかすめ左前適時打に。これがこの日2本目の適時打となり3打点をあげる大活躍を遂げた。
   
   オープン戦から好調を維持している山崎基にはある思いがあった。それは昨年度秋季リーグ最終戦でのこと。好機で代打に送られるも、三振。「中村稔(亜大)投手から打てなくて。悔しかった」と自分の弱さを知った。その試合から「チャンスに弱い自分とはそこで決別して、試合を決める活躍をする」と心に決め、戦地・神宮球場に戻ってきた。「絶対に打てると思っていた」という気持ちがこの日の活躍につながった。

   「中大が1つの山場になる」と異口同音に唱えてきた中で掴んだ1勝目。優勝へ弾みをつけられるか。このリーグ戦、この男の台頭に期待したい。

◼コメント

・杉本監督

(山崎基選手が猛打賞)スイングの強さが良い。打ってくれましたね。(先発の渡邊選手は)1年生が初先発で打たれても1失点に抑えて、五回の途中までよく投げてくれた。あのまま投げさせたかった気持ちもあるがチームのために交代させた。また機会はあると思うので期待したい。意地を見せてくれた。投手陣を短くつないでいく勝ち方をしていくので毎回ベンチ入りする選手は変わるかなと思う。(勝ち投手の山下雅選手は)1イニングごとの積み重ねだから一人一人の打者に腕を振れと言っていた。その積み重ねで4イニング投げて。久しぶりに勝ち投手で。良かったと思う。(4番の)酒巻も今日打てなかったが、最後の打席であいつが気づいていることと自分が気づいていることは同じ。期待しています。


・山崎基(営3=愛工大名電)

三回のはインコースの真っ直ぐ、五回は外のスライダーかカットボール。打席の中では昨日の村上の力投をムダにしたくなかったし、1年生の渡邉も先発で頑張ってたからそれに応えたかったので楽にさせてあげたいと考えいてた。好機での打席が2つあって、特別な思いとしては去年の秋のリーグ戦で最後に亜細亜の中村投手(千葉ロッテマリーンズ)からチャンスで三振したのが悔しくて。そこから弱い自分と決別して試合を決めれるくらい強くなって神宮に戻ってきたいと思って練習してきた。だから、自分なら絶対打てると思っていた。都志也(佐藤)さんとはよく2人で1点取ろうとよく話しているがいつもチャンスメイクをしてくれるからなんとかランナーを返す意識をしてる。指名打者は守備が無い分打てなかった時に考える時間が増えるが、その分打席に行くまでの準備の時間もあるから気持ちをしっかりリセットすることを意識している。昨日ノーゲームになったけど今日勝てばこれからのチームの雰囲気も一気に良くなってくると思っていた。勝てて良かった。とりあえず勝ち点を取ることしか考えていない。まだまだリーグ戦も始まったばかりだしこれからもチームを勝たせる1本を打てるようにやっていきたい。


・佐藤都主将(法4=聖光学院)

いい展開で試合ができた。昨日が雨で中止になって調整もできたし、昨日よりもしっかりバットが振れていたと思う。そういう中でみんなヒットが出てよかった。投手陣では1年生2人がよく投げてくれたと思う。渡邊はピンチもあったと思うが、要所要所をちゃんと締めて投げてたのでさすがだなと。そういうメンタルの強さが持ち味だと思うので良いところが出てたと思う。河北も試合始まる前は緊張するってすごい言ってたが、始まったらあれですからね。マウンド度胸はすごいですよ。本人には後ろに村上もいるからとは伝えました。山下雅はオープン戦の終盤で少し調子落としてたが、あれは喝を入れるだけというか。技術面じゃなくて気持ちの問題なので。次の試合は、一戦一戦やっていくだけですしそれがうちの強み。しっかりと勝ち点を取れるようにやっていきたい。


TEXT=須之内海   PHOTO=川口朋珠、齋藤洋、須之内海