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平成31年度東都大学野球1部春季リーグ戦・中大1回戦
4月9日(火) 神宮球場
○東洋大5-2中大
落ち着いた投球を見せた山下雅
ルーキー渡邊(総1=報徳学園)が粘投を続けていた五回裏1死一塁。杉本監督は「一人一人に対して腕を振ってこい」と山下雅(営4=東邦)をマウンドに送る。「ボール自体は悪かった」と振り返るも、4番・牧(中大)を二邪飛に打ち取り2死。そして、佐藤都(法4=聖光学院)が盗塁を刺殺し無失点で切り抜けた。その後も、カウントを「強いて言うなら一番良かった」というカットボールで整え、持ち味の直球を低めに集めて相手打線を封じていく。そのまま八回まで淡々と腕を振り続け3回3分の2を1失点で投げ切った。本人はいつぶりか分からないという勝利投手の権利。2年春以来となる一勝を手にしたが、「渡邊の勝ちを取ってしまった」とこれには苦笑いを見せた。
この男の売りは"精神力"だ。オープン戦終盤、不調に陥ったが特に修正はしていないという。意識したのは「全てはメンタル」。これは山下雅が度々口にする言葉だ。その通りの落ち着いた投球を昨春国学大2回戦以来の公式戦マウンドで披露し、チームに勝利をもたらした。
学生野球ラストイヤーに下級生時代の輝きを取り戻せるか。横手から繰り出す変幻自在の投球と強心臓を併せ持つ背番号15が、神宮のマウンドで躍動する姿から目が離せない。
◼コメント
・山下雅(営4=東邦)
久しぶりの勝利だけど、勝ったなというより取ってしまったなという感じ。オープン戦終盤不調だったが、特に修正はしていない。今日もボール自体は悪かったのを相手が打ち損じてくれただけ。気持ちで投げた。やっぱりメンタルが大事。強いて言うならカットボールでストライク取れたのが良かった。
TEXT/PHOTO=齋藤洋