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平成31年度東都大学野球1部春季リーグ戦・中大2回戦
4月11日(木)神宮球場
○東洋大6-5中大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
中大 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
東洋大 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | X | 6 |
(東洋大)
山内、野木、◯松澤(1勝)、河北-佐藤都
二塁打:山崎基(三回)
本塁打:山田(七回)
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (右) | 山田(総4=桐生第一) | 4 | 1 | 2 |
2 | (三) | 津田(総4=浦和学院) | 4 | 2 | 0 |
3 | (遊) | 小川(法3=霞ヶ浦) | 3 | 2 | 0 |
4 | (一) | 酒巻(営3=成田) | 4 | 1 | 1 |
5 | (捕) | 佐藤都(法4=聖光学院) | 4 | 2 | 1 |
6 | (指) | 山崎基(営3=愛工大名電) | 4 | 3 | 2 |
7 | (左) | 小峰(営4=帝京) | 4 | 1 | 0 |
8 | (二) | 牧(営2=帝京三) | 2 | 0 | 0 |
(打二) | 小林直(法3=八戸学院光星) | 2 | 0 | 0 | |
9 | (中) | 松本(営1=龍谷大平安) | 4 | 0 | 0 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 責 |
山内(営2=東洋大姫路) | 1 1/3 | 35 | 4 | 1 | 1 | 3 |
野木(営4=九州国際大付) | 3 2/3 | 60 | 4 | 0 | 2 | 2 |
松澤(営1=帝京) | 3 | 54 | 1 | 3 | 1 | 0 |
河北(営1=浦和学院) | 1 | 17 | 0 | 0 | 2 | 0 |
同点アーチを放った山田
佐藤都はマルチ安打をマーク
河北が最後を締めた
勝ち点をかけて臨んだ中大2回戦。チームの命運を分ける一戦の先発のマウンドには山内(営2=東洋大姫路)が上がる。前半に5点のリードを奪われるも、絶好調の山崎基(営3=愛工大名電)の2点適時打などで1点差まで迫る。試合は終盤に山田(総4=桐生第一)が2打点を挙げ勝利。杉本監督の言葉にあった「打ちまくるチーム」を体現した一戦となった。
1点差で迎えた七回。1死でオープン戦チーム最多本塁打の山田が打席に入る。待ち望んだ同点の瞬間はすぐに訪れた。「(中大の皆川投手は)直球がいい。待っていた。打ったのも直球ですよ」と満面の笑みで語る一撃。打った瞬間、球場は水を打ったような静けさに包まれた。それと分かる当たりは右翼席中段に突き刺さる同点ソロ弾に。パワーヒッターの印象が強い山田だがこれが神宮球場ではなんと初めての本塁打。「そりゃもう素直に嬉しいですよ」と興奮そのままにバスに乗り込んだ。
この日波に乗っていたこの男は勝利打点も叩き出す。山崎、小峰(営4=帝京)が連打で出塁し、松本(営1=龍谷大平安)が敵失で続く。もう一発出れば4点差に広がる場面で思わず中大の清水監督がマウンドへ。グラウンドに緊張感が漂う中での3球目。好投を続けていた皆川(中大)が投じた一球が山田の足元へ届くと右足のつま先を直撃し、押し出し死球に。「痛みはないです」と本人は痛みよりも喜びを爆発させ一塁へと向かった。
「オープン戦だけ打ててもしょうがない」。幾度となく口にし続けたこの言葉と弛まぬ努力が実を結んだ。帰り際に球場を出るとチームメイトの手には山田の第1号ホームランボール。「ありがとう」と伝え大事そうにカバンにしまった。
山場と言い続けた中大戦を見事に2勝で勝ち切った。「チームの勝利が一番」と4年生が口々に語るチームは強い。戦国東都の頂奪還に向けて好スタートを切った今、怖いものは何もない。選手たちはさらなる高みに向かって鍛練を続ける。
◾️コメント
・杉本監督
中大は畠中くんで来るだろうなと思っていた。うちは村上を温存して、言い方は悪いけど一つ負けてもいいかなと。1勝1敗でもいいかなって。今日も今まで投げてないピッチャーばかりだった。そんな中で勝てたのは良かったと思う。打線には自信がある。11月から振り込んできましたから。やってきたことを出せましたね。みんな打てるんで。山田、酒巻、佐藤って。ホームランがあることは相手のストレスになるので。
(山田について)怪物だってみんな認めてます。芯食ったら打球方向関係なく放り込みます。去年は当たらなかっただけで。1番と4番と7番が大事。小峰も3番を打てる力を持っているけど、7番にチャンスが回るからそこに置いてます。皆川くん相手に三振ばかりでしたけど、全然オッケー。速いだろ?って自覚させたらバット短く持って打ち崩せましたね。逃げたら負け、どんな状況でも前を向こうと選手たちに言っている。山崎基はスイングがとにかく強い。それは去年から分かってたことで。キャッチャーとしても悪くないですよ。投手陣は、去年ほど確立できてないけど、僕の度胸次第で投げさせられる投手は沢山いる。数はいます。河北は度胸がありますね。1年生とは思えない。大したものです。村上は昨日中止になった時点で3戦目に回すと決めていました。先発は山内か渡邊かで迷った末の山内です。松澤もよかった。オープン戦後半、丁寧に投げすぎて打たれていたので、自信あるボールを使って腕を振ってパワーピッチングをしてくれと言った。佐藤もうまくリードしてくれました。
・山田(総4=桐生第一)
打ったのはストレート。相手の投手が直球が武器なのはわかったたので利用したというか狙いました。コンパクトに向かっていこうと思って打席に入った結果です。打った瞬間に行ったと思いました。(大学公式戦初本塁打は)素直にうれしい。これからもチームを勝たせられる打撃をすることを意識して打席に入っていきたい。
・佐藤都主将(法4=聖光学院)
(今日2安打)一本出れば気持ちも楽になった。(1年生の投手が投げることが増えて)野手が打ち勝つことが大事だと話していた。5点を先制されても逆転するから大丈夫だと声をかけていた。それが良い形になった。(戦力の残っている中大から勝ち点をとって)強いのは分かっていた。それでも引かずに諦めずに勝てた。
・小川(法3=霞ヶ浦)
序盤に5点取られてベンチ内の雰囲気もあまり良くなかった。そういう中でも1点ずつ返して活気が出ていったのが勝因だと思う。途中で皆川投手に苦戦してる中でみんなバットを少し短く持ってつないでいく意識は共有していた。それが功を奏した形で連打が出たと思う。開幕カードを取れて流れは良いので次のカードもしっかりと勝てるように準備をしていきたいと思います。
・松澤(営1=帝京)
1戦目に渡邊とか河北とか1年生のピッチャーが好投していて自分もそれに続こうと思っていた。いつも自分は腕を振れなくて弱気になってしまうが、常に腕を振れるようにと言われていた。今日は良かった。
・河北(営1=浦和学院)
九回での登板はもちろんプレッシャーはあります。でも、今はそういう役回りをもらってるので持ってる力を出して全力で投げていくだけです。
TEXT=須之内海 PHOTO=須之内海、川口朋珠