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平成31年東都大学野球1部春季リーグ戦・国学大1回戦
4月16日(火)神宮球場
○東洋大3-0国学大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
東洋大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 |
国学大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
(東洋大)
〇村上(1勝)ー佐藤都
二塁打:佐藤都(八回)、松本(九回)
本塁打:小峰(七回)、小林直(七回)
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (中) | 松本(営1=龍谷大平安) | 5 | 2 | 0 |
2 | (三) | 津田(総4=浦和学院) | 3 | 0 | 0 |
3 | (遊) | 小川(法3=霞ヶ浦) | 4 | 1 | 1 |
4 | (一) | 酒巻(営3=成田) | 5 | 0 | 0 |
5 | (捕) | 佐藤都(法4=聖光学院) | 2 | 1 | 0 |
6 | (指) | 山崎基(営3=愛工大名電) | 3 | 1 | 0 |
7 | (左) | 小峰(営4=帝京) | 3 | 2 | 1 |
8 | (二) | 小林直(法3=八戸学院光星) | 4 | 1 | 1 |
9 | (右) | 井奥(営3=東洋大姫路) | 3 | 0 | 0 |
(打) | 岡崎(営2=帝京) | 1 | 0 | 0 | |
(右) | 佐々木(営2=帝京) | 0 | 0 | 0 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 責 |
村上(総3=智弁学園) | 9 | 125 | 2 | 3 | 11 | 0 |
2年ぶりの完封勝利を収めた村上
村上はマウンド上でガッツポーズをした
投手戦となった国学大戦。新エース・村上(総3=智弁学園)の力投で相手に得点を許さず、7回には小峰(営4=帝京)の本塁打で先制する。続く小林直(法3=八戸学院光星)も本塁打を放つなど打線が奮起し3-0で勝利した。
「自分がやろうという自覚がいい結果につながった」と語ったのは約2年ぶりとなる完封勝利を挙げたエース・村上だ。雨でノーゲームとなった中大戦以来の登板だったが、「中止になってしまって悔しかったんですけど今日はその分まで」と悔しさをバネに力投。四回まで相手を無安打で抑える好投をみせた。そして、迎えた五回。ここまで完ぺきな投球を続けていた右腕がピンチを迎える。連続三振で簡単に2死を取り、打席には山崎晃(国学大)。3球目を弾き返されると打球は松本(営1=龍谷大平安)の頭上を越える二塁打に。続く中山(国学大)に右安を浴び万事休す。スタンドの誰もが先制を覚悟したが、この日今季初スタメンの井奥(営3=東洋大姫路)から矢のような送球が送られてタッチアウト。昨季には崩れる場面であったが、今季の村上は違った。終わってみれば、浴びた安打はわずか2本。村上は9回まで三者凡退で抑え完封勝ち。エースの風格を感じさせた。
「コースにしっかり投げれて、ファールもしっかり取れてカウントも取れた」と語るように、この試合では直球と変化球を自在に使い分けて勝利をつかんだ。中でも注目なのがフォークボールだ。「投げ始めたのは中央戦から」と語るようにこのリーグ戦から使い始め、この試合でも相手の4番打者・鎌仲(国学大)を打ち取るなど新たな武器に手応えあり。村上は「2ストライクに追い込んでから決め球がなかった。それでフォークができて幅が広がった」と話し、「できるようになって使ってみたら良かった」と満足げだ。
「悔しいシーズンばかり過ごしてきた」と振り返るように、苦悩の日々が続いたエース。昨年は甲斐野(福岡ソフトバンク)や上茶谷(横浜DeNA)、梅津(中日ドラゴンズ)らの存在もあって出番は少なかったが、「来年はやってやるぞ」と前を向いて練習に取り組んできた。原動力となったのは「来年はお前しかいない」という卒業生の言葉。その言葉を胸にマウンドに上がっている。エースとしてチームを支えているが「気負っているつもりはない」と語るようにプレッシャーは感じていない。「自分で気負わず、まだ一年生にもいいピッチャーがいるので自分はそれに『負けない』と思ってやっています」と話し、チームで切磋琢磨をしながら勝利を目指す。
チームは開幕から3連勝で順調に首位を走る。前評判を覆す投手陣と"打の東洋"再建を目指す野手陣。投打のかみ合った試合展開で戦国東都完全制覇まで突き進む。
◼️コメント
・杉本監督
村上はあれぐらい投げられると予想していた。ストレートでも緩急をつけられていた。フォークが増えた。えげつない落ち方をする。それがバッターには邪魔になるんじゃないかなと。揺れて落ちる。急に投げられなくなるかもしれないけれど。本当は打たせてとるピッチャーだと思うけど、あれだけのコントロールを持っているので。今年に関しては佐藤のリードがいい。そこに関しては全幅の信頼を寄せている。去年一年間経験してるので今年はそれを返してほしい。途中まで無得点だったけど、あれはあれでいいと思う。ノーアウト満塁で無得点、最後のチャンスで3番4番で点を取れなかった。寝ずに振ったらいい。悔しい思いをするだろうが、それが嫌なら4番を外れればいい。いつでも外す。プレッシャーと戦わなければならない。振り回してもいい。一試合に一回しか当たらなくてもいい。それがまだ分かっていない。良さが分かってない。思い切り狙い球を絞って。4番目だから身体が大きいから相手も怖がってくれるんじゃないかなと。5、6、7番は自信を持ってる。1年生が活躍してくれた。大したもの。ピッチャーが課題だと言っていたが、村上が意地を見せてくれたと思う。一人出てくることで相乗効果で全てが上手く回るのが勝負の世界。1週目2週目というところで踏ん張っていい形で入っていければと思っていたので今のところはいいと思う。
・佐藤都主将(法4=聖光学院)
今年はチームで勝つというのがテーマでみんなで頑張っていけたらいいかなと思う。(村上投手は)いい球をしっかり使って相手が意識していない球を使ったりというふうに配球は意識した。(リードする上で意識していること)しっかりピッチャーとコミュニーケーションとった中で根拠のあるサインを出すこと。根拠があったなかで打たれてもそれは自分のせいだからとピッチャーに話している。(国学大の横山は)あのモーションがあるのでタイミングの取り方をビデオを見ながら合わせた。金曜はまたどのピッチャーがくるか分からないが、頭に入れながらやっていきたい。
・酒巻(営3=成田)
練習では調子がいい。チームを勝たせてもらってる状態。自分が勝たせないといけない。これで負けていたら自分の責任だと思う。なんとかしたい。
・小川(法3=霞ヶ浦)
チームが2点を先取し、さらに追加点が欲しい場面。あそこで打球が抜けて点を取ることができてよかった。国学大先発の横山投手はタイミングが取りづらくて。でも、その中で徐々に自分の間で打席に入ることができたのでそれがヒットに繋がったと思う。(村上は)守ってても打たれる気がしなかったですね。小林直とは仲がいいので嬉しいです。次は自分が打てるように頑張るだけ。2日空くけどこのチームの勢いを無くさずにまた戦っていきたい。
TEXT=加藤勇大 PHOTO=齋藤洋、川口朋珠