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東洋大陸上競技部は各部門で新体制となり、それぞれが掲げる目標に向かって動き出している。そこで今回は、新主将を中心にインタビューを行い、この1年のビジョンと意気込みを聞いた。その模様を3日連続でお届けする。
第1日目は短距離部門。新しく主将に就いたのは松原(法4=九州学院)だ。松原は4×400m(以下、マイル)リレーの主力の1人であり、全日本インカレマイル初優勝時のメンバーでもある。持ち前の明るさで、チームを引っ張る熱い主将の今の思いを伺った。(取材日・3月30日、聞き手=長枝萌華)
ーー昨シーズンを振り返って
昨シーズンは全体だったら僕400ブロックなんですけど、全日本インカレ3連覇も去年は成し遂げて納得のいくシーズンで、短ブロ(100ブロック)も関東インカレも宮本大輔(法2=洛南)と津波響樹(ラ4=那覇西)と松尾(総3=神辺旭)とか現4年生と3年生と2年生で、まだまだ先がある奴らで優勝できたって言うのは今年に向けてのいい出だし、いい成長過程になったと思います。短ブロ4ブロどちらとも強いシーズン、特に学生の大会以上にシニアの大会で東洋としては納得のいくシーズンだったと思います。ただ、僕自身は全日本インカレは予選を走って決勝で走れなかったりして、関東インカレもジュリさん(ウォルシュ、H30年度ラ卒=富士通)抜きで走って2番で、僕自身は良い走りが出来なかったので決勝外されたときに「4年生3人と吉津(ラ3=豊橋南)で行くぞ」って話で、監督からは「来年は4年生3人いないし、確実に4ブロとしての実力が落ちていくんだけど、お前がしっかり引っ張っていかなきゃ始まらない」って言われたので、その点はしっかりと責任を持って、キャプテンですけど選手としても強くなりたいなって思っています。
ーー主将になった経緯は?
1年生からそのまま3年生まで主務で、4年になったときに監督にも「しっかり引っ張っていけ」と言われていたし、4年生の先輩からも「松原しかいない」っていうのは2年生のときから言われてたので、立候補っていうよりはみんなから推薦してもらったって形なので、推薦してもらった以上は頑張らないといけないなと、サボり癖もあったので(笑)。しっかり引っ張る上では今年は4ブロ弱くなる、確実に去年よりは戦力が落ちると言われていても去年のシーズンは桐生さん(H29年度法卒=日本生命)が抜けて、確実に戦力が落ちると言われながら関東インカレでは4×100mリレーで優勝して、新しい時代が短ブロにも来たので、次は4ブロの番かなと思っています。僕が主将になった以上、4ブロからの主将でもあるのでジュリさんが抜けて実力が落ちるこの世代をしっかり強くしてもう1回、全日本インカレは3連覇中なので4連覇やって、関東インカレはジュリさんがいても取れなかった優勝っていうのを部全体で目指してやっていきたいなと思っています。
ーーどういうチームにしていきたいですか?
僕らの大学なんですけど、みんなからも言われるし僕も思うんですけど、上下関係があんまりないというかフランクというか。他の大学と比べて上と下が仲良いって感じで、1年生でものびのびとやれるっていう環境がいい面だと思うので、そういったチームづくりをしたいです。前主将の人たちがそういう雰囲気をつくってくれたので僕もそういうのは崩さず、締めるところはしっかり締めてフランクな関係で上下関係があんまりない和やかなムードで練習をやることはいいことだと思うので、この雰囲気のまま全員が楽しく強くなれればいいかなというのが、僕自身含めてスタッフ陣もあると思うので、大事にしていきたいなと思ってます。
ーー新主将になるにあたり監督から言われたことは
「今年は松原だぞ」っていうのは念を押して言われて、4年の人たちにも「松原そろそろお前だぞ」っていうのはずっと言われています。1、2、3年生で全日本インカレで走って3連覇に貢献した年もあるし、チームに貢献してきたつもりはあります。でも、ちょっと腐っていた気持ちとかも僕自身はあるので、腐っているけど耐え忍ぶしかないというか、自分がずっと主力として走ってきた訳じゃなくて、メンバーを外されたり走れない大会とかもあって、いろいろなことを経験していると思います、他の奴よりは。そういったことを僕自身がいっぱい経験しているので、苦しんでいるやつとか上手くいかないやつにしっかり自分がアプローチできるかなと思います。それが主将としての役割でもあるし、自分が歩んできた3年間でもあるので、そういうのは生かしたいなというのはあります。監督からも期待されているので、今年はしっかり吉津とかも含めて戦力になる3年生や、新入生にも速い奴が入ってきているのでまとまって、4ブロとしてはジュリさんが抜けた穴を取り戻して。短ブロは強いと思うので短ブロと一緒に引っ張って、僕、総主将でもあるので。東洋大学陸上競技部全体が強くなっていければなという思いもあるので個人的には。しっかりそういうのは頑張っていきたいなと思っています。
ーー新入生の印象を教えてください
合宿で4ブロから川上(総1=西武台千葉)と塚本ジャスティン(総1=城西大城西)が、2週間でしたけど練習も一緒にやってきました。新入生はまだ何回かしか練習に来ていなくてコミュニケーションが取れていないんですけど、やっぱりチームのいい雰囲気でもある上下関係のなさっていうのが新入生に出ていると思います。やっぱり他の大学に比べてなじみやすいので、のびのびで。最初川上とか2週間オーストラリアで同じ部屋だったんですけど、いろいろ聞いたら「やっぱり最初は名門って形じゃないですか、速い人たちばっかり輩出して。なのでちょっと怖い雰囲気かなと思ったら先輩たちが優しくて、上下関係がフランクで練習しているのがすごく心の弾みになる」って言っていたのでそういういい雰囲気が新入生にも表れていると思います。しっかり1年生から走ってもらわないきゃいけない戦力だと思うので、本来の実力を取り戻して4年生だけで引っ張るんじゃなくてチーム全体で勝ちにいきたいなと思っています。
ーー春季休暇中のオーストラリア合宿での練習はいかがでしたか?
そうですね〜、気候が逆で夏だったので、走りやすくて僕らでいうシーズンがオーストラリアでやっているので1試合出たんですよ。で、試合に出てほとんどがタイムを出す気でいって、シーズンの入りだからちょっと遅いじゃないですか、結局タイムは出せなくてそれでみんな萎えていたっていうかもうちょっと走れたのになっていう感じのやつらが多かったです。監督と話をしたら「今年のシーズンインは例年に比べるとやっぱり速い」って、タイムもみんな入ってて。でもみんなの目指すところが上がってきているからここでこのタイムじゃダメだな、監督としては初戦だから上出来だなって感じのイメージだったんですけど、周りの奴らはこれじゃダメだって自分を律して頑張ってる連中で強くなりたい、上のステージにいきたい、っていう競争力が上がってきていると思います。そういう雰囲気づくりっていうか上を目指す環境は、桐生さんたちからつくられてきていると思うので、その点に関しては走りやすい気候で、試合も出て各々改善点を見つけてこれから日本のシーズンに入っていくので、オーストラリア合宿に行って競争力が高まったなという印象はあります。
ーー今シーズンの目標は
4ブロとしては関東インカレ優勝と全日本インカレ4連覇。短ブロとしては関東インカレで2連覇を目指してもらい、全日本インカレは予選落ちしている中で松尾とか宮本大輔が去年に入賞しているので、しっかりその辺は責任を持って上級生が僕ら少ないですが引っ張っていきたい。その中で2、3年生がしっかり結果を出して、僕が入学して1年目に桐生さんとジュリさんと前主将の櫻井朴也(H30年度総卒)でマイルの全日本インカレ初優勝して、そこから強い東洋はつくられていったと思うので、まぁもう桐生さんも抜けちゃって、ジュリさんも今年は抜けて前主将の朴也がこういういい雰囲気のチームづくりをしてくれた中で僕が託されたなと思っています。その辺は責任を感じているし、強い東洋をつくってくれた歴代の先輩たちを間近で見てるのって僕ら上級生しかいないので。ジュリさんと桐生さんがいて、リオ五輪で桐生さんが銀メダルを取ったとかそういう強い東洋をつくってくれた人たちの考え方とか、練習の態度とかいろいろな面を含めてそういうのを語り継ぐのは僕らしかいないと考えています。特にそのメンバーと走った僕は優勝したときは1年生だったので、戦力にはなってはいたと思うんですけど引っ張ってもらっていたのはあの3人だったので、教えられたことはしっかり受け継いでいかなきゃいけないと思います。今年さえ強ければ、来年はまた戦力が充実しているし今年でしっかりまた強い東洋、強いときの東洋を練習の態度とかいろいろなものを含めて僕が下に受け継いでいったらまた来年も強い東洋ができると思うので、選手としても僕自身は関東インカレに吉津と一緒に入賞して、全日本インカレも一昨年は7番で個人入賞してるので、それをしっかり超えるような目標立ててやっていきます。しっかり強い東洋を、僕が学んできたことを、受け継いでいきたいなと思っています。
ーー松原選手、ありがとうございました!
ーーおまけとして、4月号の企画「心に残る出会い」での松原選手の回答がこちらです!
桐生さんですね、誕生日が一緒なんですよ。衝撃じゃないですか。誕生日一緒だし、いろいろ共通点あって親父が空手家とか。僕の親父も空手家なんで。そういう共通点を含めて衝撃的でしたし、練習とかも一緒にやらせていただいて要所要所でこの人すごいなぁっていうのがたくさんあったので、誕生日一緒の桐生さんってことにしてください(笑)。
続いて、大型ルーキーとして今年度新加入した塚本だ。高校3年時のインターハイで100m王者になるなど、入学時から期待を寄せられている。東洋大の選手として歩む新たなシーズンの意気込みを伺った。(取材日・4月7日、聞き手=小島敦希)
ーー東洋大に入った理由を教えてください
陸上を一番楽しくできるかなと思い、入りました。
ーー卒業生の桐生選手の影響はありますか?
桐生選手をはじめ速い選手がたくさんいるので、日々の練習の中で速い選手とできるというのは、本当に大きいことだと思います。そこは生かしていきたいし、強みだと思います。
ーー今後の大会の出場予定はいかがですか?
5月の頭の試合を予定しています。足の状態と練習がどこまで積めるかで決めていこうと思います。慌ててはいけないので、けがをしない準備をしてレースに臨みたいです。
ーーけがをしないためにしていることはありますか?
お尻周りの筋肉が使えてなかったりしている部分があるので、そういうところをしっかり使えるようになっていければ、けがも減るしスピードも上がってくると思っています。
ーー今シーズンの目標は
けがをしない体づくりですね。結果どうのこうのよりもけがをしない体づくりを目指してやっていきたい。
ーー塚本選手、ありがとうございました!
明日は女子長距離部門のインタビューを公開します、お楽しみに!
◆春の3部門連続インタビュー・一覧
第1日目:短距離部門
第2日目:女子長距離部門
第3日目:男子長距離部門