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2019.04.30
アイススケート

[アイスホッケー]全勝で関東選手権が閉幕 10年ぶり6度目の春の王者に!

秩父宮杯第67回関東大学アイスホッケー選手権大会

4月29日(月) 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナ

東洋大3ー1法大

 

[ゴール(アシスト)]

7:49   武部虎(宮田、中村)

29:46   猪狩(久米)

41:09   武部太(川口)


POS背番号名前
GK31水田(社4=駒大苫小牧)
GK35石川(社2=八戸工大一)
DF29中村(社4=八戸工大一)
DF23武部太(社1=苫小牧工)
FW11所(社4=駒大苫小牧)
FW16武部虎(社3=苫小牧工)
FW24石橋(社4=駒大苫小牧)
DF12福田(社2=日光明峰)
DF石田(社1=武修館)
FW14久米(社2=駒大苫小牧)
FW27小堀(社2=白樺学園)
FW20猪狩(社3=駒大苫小牧)
DF21川口(社4=白樺学園)
DF奇(社4=宣徳・韓国)
FW38宮田(社1=白樺学園)
FW48清水(社3=白樺学園)
FW37阿部(社1=駒大苫小牧)
DF33千葉(社3=駒大苫小牧)
DF49長原(社3=白樺学園)
FW19前田(社1=白樺学園)
FW22石倉(社4=八戸工大一
FW13藤原(社1=武修館)




鈴木監督を初めて胴上げした選手たち


猪狩のゴールが決勝点となった

決勝リーグ大活躍の武部太はダメ押しの1点を追加


「今年は大活躍する」と意気込む久米



 ついに、王者の地位を勝ち取った。秩父宮杯第67回関東大学アイスホッケー選手権大会(以下、関東選手権)最終戦の相手は法大。10年ぶりの優勝が懸かった一戦で1ピリから先制し、勝利を収めた。


 ここまで1ピリで多くの点を取ってきた今大会にしては、順調な滑り出しではなかった。鈴木監督も「すごく固いスタート」と評したが、開始7分のPP(パワープレー)の場面でFW武部虎(社3=苫小牧工)がゴールの前で相手をかわし、先制点を決める。その後も多く訪れるPPのチャンスに次々とゴールを狙うも、GKに弾かれてリバウンドも決め切れず。リードは1点で2ピリに臨んだ。


 開始わずか1分30秒、法大FWが1人抜け出し、GK水田(社4=駒大苫小牧)と1対1の状況に。ここで同点に追いつかれる。しかし選手たちは活気を失わなかった。2ピリ中盤、FW猪狩(社3=駒大苫小牧)が法大をかわしてFW久米(社2=駒大苫小牧)へパス。そのまま久米は相手DFを振り切ってゴール前でシュートを狙う。これはGKに阻まれたが、1ピリ終わりに監督から「ゴール前結構パックが流れてる。しっかりつっこんだらチャンスがくるぞ」と言われていたのは猪狩。惜しくもこぼれたパックをすかさず押し込み、これが決勝点となった。


 2ピリの終盤からはペナルティが相次ぎ数的不利の場面が続くと、3ピリに入ってからもその空気は払拭できない。そんな中でも、決勝リーグ2試合連続で得点しているDF武部太(社1=苫小牧工)がペナルティボックスから出てきた瞬間にもったパックをそのままゴールまで運んで3点目。今大会を通して課題だったペナルティという課題については持ち越しとなったものの、怒涛の法大の攻めに負けずに2点差を守り切った。


 「今年は全試合自分たちのプレーを貫き通せた」とDF川口主将(社4=白樺学園)。強みであるスピードと運動量、そしてフィジカル面がどの試合でも発揮できた。10年ぶり6度目の優勝を手にした東洋大が目指す先は「3冠」ただ一つ。「これから東洋の時代を作っていけたら」と猪狩。平成最後の関東選手権王者に輝いた東洋大が令和の大学アイスホッケーを牽引(けんいん)する。


■コメント


・鈴木監督

最終的に勝ち切れたということは選手が本当によく努力してくれたゲームだと思う。ただあまりうちらしいゲームができなかったのと、ちょっといつもよりエネルギーが足りなかった。それと引き続きだがペナルティが多かったのでそこが苦しんだゲームかなというように思う。ただ本当に結果を選手の努力でよく出してくれたなという風に思います。(2・3ピリでペナルティが増えたが)ちょっと1ピリがすごく固いスタートではあったので、2ピリ、3ピリもっと上げていこうっていうことで少しまた空回りした部分もあった。(スタートは固かったのか)ペナルティを気をつけたというのもあるが、やはり2試合の反省はペナルティだったのでそこもすごく大きく、選手の精神的な部分ではあったと思う。(1ピリ終わり、4分間5-3があってその後もすぐに2分間の6分。少し嫌な雰囲気で2ピリ入ったかなと思ったが)少し固さというか、大事にいきすぎていた部分もあったと思うので、2ピリスタートのときは勝ち切らなきゃいけないというので「この試合に勝った方が優勝だ」と少し選手に話した。(それまでは意識させないように?)そうですね。自分たちのプレーをしようってことを。あまり法政さんの分析のビデオとかも選手には見せずに、自分たちがやってきたものを信じてやり続けようって話はした。(同点に追いつかれたがベンチの雰囲気は)選手はすごくポジティブに声かけしてプレーしていた。(優勝は)監督になってから初めての優勝なので素直にすごくうれしい。(勝因)今日はあまりうちらしいゲームはできなかったが、このトーナメントを通じてうちのスピードと運動量っていうのが他を勝ったのがいい結果につながったんじゃないかなという風に思う。また、準備の段階から他のチームよりもコンディションがよかったんじゃないかというところが1番。あとはずっと数年悔しい思いを上級生はしてきたので、みんな例年より勝つための覚悟っていうのを感じていたのでそういう部分が勝利につながった。(春を勝つことの意味)この大会終わってから長い期間チームが空くので、そういう意味ではここを勝つとシーズンをよりポジティブにトレーニングもはげめるのと、大学の1番の目標である3冠を目指せるチームの権利を得るというのはすごくうれしく思う。(今期のチームの特徴)ずっとやり続けているのは努力と規律。まだまだ足りてはいないけどずっと言い続けてきたので。ただ、毎年チームは選手が入れ替わって選手の色が変わるので。このチームは本当に人数が少ないのもあって1人2人が強いリーダーで引っ張るっていうよりは全員が力を合わせて進んでいくようなチームだと感じている。(秋までに夏強化したいところ)まずはうちのストロングポイントであるフィジカルの部分を鍛え上げて、そこの努力と規律というところをもう1回作り直して。春は正直、精神的に安定したような試合が多くなかったので、そこをもう1回鍛え直して秋リーグを迎えたい。


・DF川口主将(社4=白樺学園)

もちろん優勝を目指してやっていたが、優勝するには簡単な試合はないっていうことを選手全員が自覚していたので、そのなかで選手一人一人の役割を全員が果たしてくれて、それが3-1、優勝という結果につながって、10年ぶりの優勝、僕自身も初のタイトルなので率直にうれしい。(キャプテンとして優勝へ導くのは)ときには大変なこともあったけれど基本は選手みんな言ったことをやってくれるし、自主的に行動してくれていたのでその分は大変というよりもみんなにはありがとうという気持ちが強い。(大会総括)初戦から東洋のホッケーができていて、例年だと毎試合続けるということができていなくてあまり良くないときもあった。今年は全試合自分たちのプレーを貫き通せたのでそれがこういう結果になったのではないかと思う。(1年生の活躍)1年生は誰が出ても活躍してくれるので、僕ら上級生にとっても心強い。毎回やることやってくれるので本当にありがたい。(今年の他校のレベルは)選手全員感じていると思うが、5対5でやっているときは圧倒していた場面が多かったと思う。僕らの反省点は反則が多かった部分だと思うので、次の大会へむけて修正していかなければと思ったが、常に圧倒できているなと自分でも感じていた。(守備は)新しく取り入れたシステムが機能して結構取り返してからダッシュで攻めれた場面も多かったので、もっとシステムの面でも追求してやっていけば守りの面ももっとよくなって、それが攻めにもつながると思う。今回良かったがもう少し精度を上げていかなければならないと感じた。(三冠への一歩を踏み出して)優勝できたことはうれしいけど、まだスタートしたばかりなので、選手一人一人がしっかり考えてリセットして、しばらく氷上練習はないけれどそれぞれいい練習をしていい合宿を迎えたいと思っているので、今回たくさん課題がみつかったと思うのでそこを修正してリーグ戦に臨めたらと。リーグ戦、インカレと優勝できるようにもっともっといいチームをつくっていきたい。(1ゴール6アシストという結果は)僕は特にポイントしたいという気持ちは持っていなくて毎回でたらやれることをやるだけと思っていたので、それがこういう結果につながったのはうれしい。今回調子も悪くなく、良かったほうなのでこの調子を保つだけでなく上げていければと思う。


・FW猪狩(社3=駒大苫小牧)

今年は合宿のときからみんながチームになっていて勝つっていう気持ちが強かったのでここまでこれたと思う。(2点目を振り返って)1ピリ終わりに監督から「ゴール前、結構パックが流れてる。そこをしっかりつっこんだらチャンスくるぞ」と言われていたのでそれでつっこんだら本当にチャンスが来て、ありがとうございますって感じ(笑)。(法大のキーパーは高校時代の同期だが)試合前に勝ったほうがご飯おごるって言っていたので決めれて本当にうれしい。(今年優勝できたのは)毎年色々なカラーがあるが今年は1年生から4年生まで上下関係を無くして和気あいあいとやっていて、ファミリーみたいになっているので良かったと思う。(優勝して気持ち)大学入ってからずっと優勝したかった。今回優勝できて、まだ実感が無いがこれから東洋の時代を作っていけたら良いなと思う。(幹部陣が下級生も意見しやすいチームを意識していると言っていたが)今年の4年生は全員が優しくて、1年生から何でも言い合える関係をつくってあげたいっていうことで合宿がスタートして、それが1年生の活躍にもつながってると思う。これから9月からの秋リーグまでもう一回チームを作り直して頑張っていきたい。(目標は)春勝ったので秋とインカレを勝って三冠して、これから長く強い東洋をつくっていきたい。


・FW久米(社2=駒大苫小牧)
ここまでの試合で全部1ピリで点数取って、逃げ切りみたいな勝ち方をしていたが、今日は1点しか入らなくて苦しいゲームだった。反則とかが東洋は課題で反則を取ったら流れが悪くなってしまって、流れを持っていかれてゲームの勝敗に影響してくるので、まだこれから秋リーグやインカレにつなげるにはそこが課題かなと思う。(10年ぶり6度目の優勝だが心境は)優勝の実感はあるが、そこまで長い間優勝してないって言われるとちょっとわからない。(今大会2ゴール6アシストだったが自身の調子は)悪くもないが、良くもないかなと。チームのシステムでやらなきゃいけないことは少しはできてたかなと思う。(今年度のチームの雰囲気)すごくいい感じで、指摘し合えるし、みんな仲が良いので、そこは他のチームと違うところかなと思う。(今年の1年生は)可愛いですね。大活躍してますね。負けてられないです。(幹部陣が今年度はチーム全体で意見を出しやすい環境にしていきたいと言っていたが)下級生からもどんどん言いやすい環境で、全然上級生だけが何か言って提案してとかじゃなくて、1年、2年含めてチーム全体で意見を言いやすい環境であるなと思う。(関東選手権の総括)僕自身、今日3つ反則してしまったが、そこはやっぱりメンタルからくると思うのでそこを我慢したりして、秋リーグ、インカレでもっと強いチームを作れたらなと思う。(これからに向けて意気込み)今年は大活躍します。



TEXT=越塚日南 PHOTO=伊藤なぎさ、岡村珠里、越塚日南