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東都大学野球春季1部リーグ戦・駒大1回戦
4月25日(木)神宮球場
○東洋大3ー0駒大
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
駒大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東洋大 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 3 |
(東洋大)
村上(2勝)ー佐藤都
・打撃成績
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 |
1 | (右) | 山田(総4=桐生第一) | 3 | 1 | 1 |
2 | (三) | 津田(営4=浦和学院) | 3 | 0 | 0 |
3 | (遊) | 小川(法3=霞ヶ浦) | 4 | 0 | 0 |
4 | (捕) | 佐藤都(法4=聖光学院) | 4 | 1 | 0 |
5 | (指) | 山崎基(営3=愛工大名電) | 3 | 0 | 0 |
6 | (左) | 小峰(営4=帝京) | 3 | 2 | 1 |
7 | (一) | 酒巻(営3=成田) | 2 | 0 | 0 |
8 | (二) | 木村(営2=霞ヶ浦) | 3 | 1 | 1 |
9 | (中) | 松本(営1=龍谷大平安) | 2 | 0 | 0 |
計 | 27 | 5 | 3 |
・投手成績
名前 | 回 | 球数 | 安 | 四死球 | 三振 | 責 |
村上(総3=智弁学園) | 9 | 126 | 3 | 1 | 6 | 0 |
令和に入って初の完封勝利を挙げた村上
村上はマウンド上でガッツポーズをした
津田は犠打でチームを援護した
左前打を放ちチームを勢いづけた佐藤都主将
平成から令和に変わって初めての試合となった駒大1回戦。雨が降る中での試合だったが東洋大の選手たちの士気は高く二回に木村(営2=霞ヶ浦)の適時打でで2点目を、その後六回には小峰(営4=帝京)の適時打で1点を加えた。その気迫に応えるように村上(総3=智弁学園)も力投を続け、完封勝利。3-0で令和最初の勝利をつかみ取った。
「一発目っていうことで勝ちたいっていう気持ちはやっぱり一番強かった」と令和初戦を振り返る村上。対峙する先頭打者はこの日が初のスタメンになった伊藤史(駒大)。11球を要するこの対戦には「先頭に四球だとその後に影響があると思った。意識して投げました」と一言。しっかりとこの打者を内野ゴロに打ち取ると村上劇場の幕が上がる。この日は打たせて取る投球で試合を組み立て、元号を跨いでの完封勝利。これには村上も「0点で抑えるっていうことで野手の皆さんも流れに乗っていけると思うので、三者凡退というイニングをなるべく多く作っていくという風にやっています」と少し得意げな表情に。また、「自分でも1点取られて勝つのと、0点で抑えて勝つのでは全然違うのでピッチャーやっている以上0で抑えたいという気持ちは一番強いですね」と貪欲な姿勢も見せた。
ここまで天気に嫌われた男が今回は救われた。「正直言うとまだ2日前ぐらいまで疲労はあった」と語るように連日の投球で疲労を感じていた村上。だが昨日の試合が雨によって流れ、疲労を取ることができた。村上も「昨日の雨は自分にとっては大きかったです」と語り、令和という新時代にようやく天を味方につけた予感。
2戦連続の完封勝利で波に乗るエース。大黒柱としてシーズン前から期待されていた右腕が「良い投手ばかりですよ」と語る投手陣の令和初陣にも期待したい。平成元年に1部復帰したチームが新時代の頂点を目指す。
■コメント
・杉本監督
昨日の試合が雨で流れて、うちとしてはラッキーだった。投手コーチが村上が疲れてたと言っていたので1日良い休みになったと思う。ピッチャーの色や疲労も含めて戦うリーグ戦。去年とはピッチャー陣が違う。良い状態でマウンドにあげさせたい。今日の村上のピッチングは文句のつけようがない。言うなら若林(駒大)からスローカーブで三振とったあとに四球を出したところだけですかね。前から言っているが私がキャッチャーとして組みたいのは、上茶谷、甲斐野、梅津よりも村上。佐藤(都)も1年間やって学生らしくないリードになってきた。ナイスガイじゃなくなってきた。そこは佐藤の成長。今日も一本出た。やっぱりキャッチャーの仕事があるので、これからあがってくると思う。(打線は)一発放り込めるやつを並べている。他のピッチャーが疲れてきたころに火を吹いてくれたら。ピッチャーがへばってきたころにバッターがバックアップしてくれたらと思う。
・村上(総3=智弁学園)
野手の方々が守ってくださって、津田さんのファインプレーだったり、ショートゴロやセカンドゴロだったり打たせて取ったのでそれが完封につながったのではないかなと思います。先頭に粘られて、フォアボール出したら崩れるなと思ってたので、フォアボール出さないようにっていうのを意識していました。変化球でアウトをとれたのでストレート狙ってるのかなと思って変化球で行きました。正直言うとまだ2日前ぐらいまで疲労はあった。そういう意味では昨日の雨は自分にとっては大きかったです。監督さんには信頼してもらえていると自分でも捉えているので、その信頼を裏切らないようなピッチングしていきたいと思っています。0点で抑えるっていうことで野手の皆さんも流れに乗っていけると思うので、三者凡退というイニングをなるべく多く作っていくという風にやっています。(同じゼロでも)ランナーためていくのと三者凡退でいくのでは違うので。(0に抑え続けることの美学について)自分でも1点取られて勝つのと、0点で抑えて勝つのでは全然違うのでピッチャーやっている以上0で抑えたいという気持ちは一番強いですね。同じ相手と何回もやるっていうので対策も練られる中自分も成長していかないと抑えれないので。そこはリーグ戦のいいところかなと思います。令和一発目っていうことで勝ちたいっていう気持ちはやっぱり一番強かった。ここで完封できたっていうのはうれしいです。九回はそんなに余裕がなかったんですけど、最後っていうことで思い切って投げました。最後の打者は三振を狙いにいきました。自分的にメリハリを意識してて、それが今できているなと思います。あまり試合中長いイニング投げても終盤に疲れてこなくなった。3年間やってきたっていうのが大きいと思う。
・谷川主務(営4=神村学園)
まずは、令和初戦。勝てたのは良かったと思います。監督からもチームミーティングで、元号が変わるということは歴史が変わる。それに合わせて、野球部としても変わっていくシーズンという話もあり、その中で令和の中の初戦が大切だよと言われていたのでそれが取れたのは良かった。ベンチでは他大学に比べたら声は出ていないと思う。でも、そういう中でしっかりと投手の傾向であったりを共有したりはできていて雰囲気は良い。ただ大きな声を出すのではなくて、情報共有とかそういう風な声が今年の特徴だと思う。リーグ戦がこのカードで折り返し地点になってきて、明日勝てて勝ち点を取れれば3つ目。落とせない試合が続いてて、亜大が実際勝ち点としては並んでいる。終盤になったら絶対に一勝や一敗が大切になってくるのがこのリーグであるというのはこれまでの3年間で学んでる。なので、1試合ずつ必ず勝ちにつなげられていければ良いと思います。
・佐藤都主将(法4=聖光学院)
(村上投手は)フォークは元々投げていたけど村上もコントロールがまだという中であまり自分もとれる自信がなかった。でも投げれるようになって、一球増えるだけでリードも変えられる。投げ始めたのはシーズン前。駒澤は左打者が続いてまっすぐに強いという印象だったので、序盤に変化球を多めにして相手が切り替えてきたかなというときにこちらも切り替えた。(打撃は)いい打球を飛ばすことと欲を出さないことをチームとして意識している。次につながるバッティングができれば。シーズン前から打ち勝つ、ということを言っていた。村上が抑えてくれたことで打者陣が安心してしまった部分があったかもしれない。今日六回に先頭で出て、1点とれたことは良かった。(杉本監督が「学生らしくないリードになった」と話していたが)社会人あがりの監督で、これまでマンツーマンで教えてもらったりして引き出しが増えた。教えてもらった分をかえしたいと思う。
・山田(総4=桐生第一)
2打席目の内野安打は当たりが良かったのでセンターまで抜けると思ったが、投手に当たってしまった。そのおかげか3打席目は入る前から感じも良かった。空振りも良い空振りが出来ていたので打てる気がしていた。当たりがとても良かったのがセンターに阻まれて悔しいが仕方ない。今日は感覚も戻ってきたのでけがからの復帰1戦目としては収穫は大きい。この駒大戦で勝てば優勝も確実に見えてくる。しっかりと狙っていきたい。
・松本(営1=龍谷大平安)
(令和初戦ですが)特に意識はしていなかった。いつも通り1打席目を大事にしようと臨んだ。四球を取れて良かった。自分の持ち味は出塁すること。それを出せた。ファールの数は、追い込まれたら粘るつもりでいるというだけ。3打席目の内野ゴロは、タイミングが微妙だったけど、神様がクリーンヒットを打てと言っているのかなって。(久々の9番)1番に山田さんといういい打者がいるので、つなぐという気持ちだけ。1番の時はチームの顔という意識を持っている。チームが勢いづくような打撃をしたい。でも、後ろにつなぐというのは変わらない。
TEXT=加藤勇大 PHOTO=川口朋珠