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「アミノバイタル®」カップ2019第8回関東大学サッカートーナメント大会《兼総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東予選》 1回戦
6月8日(土) 時之栖スポーツセンター裾野グラウンド
東洋大2-1立大
得点者 坪川、横山
<出場メンバー>
▽GK
松本健太(国4=柏U-18)
▽DF
坂本涼斗 (国3=柏U‐18)
土田直輝(国3=大宮Y)→21分 松田佳大(国1=京都橘)
大平陸(国4=前橋育英)
朝妻佑斗(国4=大宮Y)→79分 小林拓夢(国4=帝京長岡)
▽MF
坪川潤之(国4=矢板中央)
高柳郁弥(国1=大宮Y)
松崎快(国4=大宮Y)
野本幸太(国3=市立船橋)
▽FW
中村陸(国3=柏U‐18)→60分 横山塁(国2=FC東京U‐18)
小澤裕太(国3=千葉U‐18)→45分 荒川勇気(国4=旭川実業)
松崎は幾度もチャンスを作り出した
落ち着いてPKを決める坪川
決勝点を決めた横山は仲間と喜びを分かち合った
梅雨空の下、「アミノバイタル®」カップ2019 第8回関東大学サッカートーナメント大会が開幕した。東洋大を初戦で待ち受けたのは立大。前半に先制点を決められ難しい試合展開となったが、後半2点を挙げ逆転勝利を飾り、見事2回戦へと駒を進めた。
試合開始から一進一退の攻防が続いたこの試合。11分には野本がドリブルで上がりゴール前の小澤へとパスをつなぐもこれはオフサイドの判定。対する立大もサイドから攻めるが、朝妻や坂本を中心とする守備陣が体を張り突破を許さない。しかし27分、一瞬の隙からパスをカットされそのまま中へ切り込まれゴールを決められてしまう。その後東洋大は良い流れを作るもののゴールを奪うことができず、0-1のまま前半を終える。
1点ビハインドでスタートとした後半だったが、選手たちは落ち着いたプレーを展開する。69分には途中出場で積極的なプレーを見せていた横山からのパスに松崎が反応。ゴール前に持ち込むもGKに阻まれる。一方で追加点が欲しい立大のミドルシュートにヒヤリとする場面もあったが、守護神松本が好セーブをみせた。そして迎えた72分、前線でチャンスをうかがっていた松崎は中央へのパスに抜け出しペナルティエリア内で倒されPKを獲得する。これを任された坪川が落ち着いて決め、試合を振り出しに戻す。試合はこのまま延長戦までもつれ込むかと思われたが、終了間際東洋大にチャンスが訪れた。CKからのこぼれ球に頭で合わせたのは横山だった。ふわりと上がったボールはGKの頭上を越えゴールネットを揺らした。「気持ちで押し込んだ」という横山は得点後、応援席に駆け寄り仲間と喜びを分かち合った。これが決勝点となり、2-1で試合終了。見事1回戦を突破した。
「こういう苦しい状況の中での1勝が、ちょっとずつチームを上向きにしてくれる要因になると思う」と試合後安堵の表情を見せた古川監督。この勝利はリーグ戦で未だ1勝と伸び悩む東洋大に良い勢いをもたらすに違いない。主将坪川も「今回は逆転という形で行けたのは僕らのチームにとっては大きな変化だったと思う」とチームの成長を語った。2回戦で待ち受けるのは順大。今期のリーグ開幕戦で黒星を喫した相手だ。負けたら終わりのトーナメント戦で、難しい試合になるのは避けられない。しかし今回の逆転劇で弾みをつけた東洋大は、勝利に向け突き進む。
◆コメント
・古川監督
リーグ戦がなかなか結果が出なくてチームも苦しんでいた状況で、選手たちにはリーグ戦と切り離して新しい大会だから、流れを変えられるいいきっかけになる試合になると思うから、まず入りをしっかりやりましょうという感じで話した。先に失点してしまって、追いかける形になってしまって、またみんな精神的にもぐらついた感じはあったんじゃないかなと思った。その中で色々、例えば土田が負傷交代になってしまったりとか、そのようなアクシデントがあった分みんなの集中力が増した。応援の選手たちの後押しもあった。こういう苦しい状況の中での1勝が、ちょっとずつチームを上向きにしてくれる要因になると思うので、いずれにしても次に進めてよかったと思う。(逆転勝利の勝因は)選手たちが上手くいっていない中で先に先制されて、精神的に不安定になった時間帯もあったり、自分たちを信じきれない時間帯もあったと思うが、今日はそこを断ち切って、なんとか同点、逆転と持っていけたことが次のきっかけになってくれたらと思う。一番は応援の選手たちの後押しは選手たちもピッチで感じていたと思う。今日のひとつアドバンテージとしてはうちは全員で戦ったというところで、なんとか次に進めてトーナメントに残れたと思う。(後半活躍した横山選手について)やっぱりアンダー代表に呼ばれてる分のポテンシャルは持っている。あとは本人も中々90分体力的に持たないところがあったりすると思うので、彼をどのタイミングでピッチに立たせるのかというのがひとつこの大会のキーになるかなと思うので、彼にはもっと仕事をしてもらいたいと思う。チームにとっても本人にとっても重要なゴールだったと思う。(次戦に向けての意気込み)相手の順大さんは力のあるチームですし、今期の開幕戦で負けている相手なのでしっかり戦って、トーナメントの一発勝負の大会なので、何が起きるか何を起こせるかというところがまたリーグ戦とは違う意味合いを持っていると思う。しっかり1日リカバリー準備をして臨みたいと思う。
・坪川(国4=矢板中央)
かなり苦しい展開で自分たちのミスから招いた失点だったが、今まではリーグ戦通してこのまま失点してズルズル負けてしまうゲームだったのを、今回は逆転という形で行けたのは僕らのチームにとっては大きな変化だったと思う。(得点シーンについて)10番の松崎くんがPK取ってくれて僕は冷静に決めるだけだったし、勝つチームって2点目のゴールが生まれるチームだと思うので僕らは逆に7敗している時はあのようなミドルシュートとかが入ってしまったりすることが多かったので今回はその逆が起きていい雰囲気がチームに流れていると思う。(次の順天戦に向けて)かなり力のあるチームだと思うので僕らは1つ1つ謙虚に戦っていきたい。
・松崎(国4=大宮Y)
(試合を振り返って)難しい試合になるのはわかっていた上で、自分たちのミスで前半失点してしまって難しくしてしまったというのはあるが、今期先に取られてひっくり返すというのはなかったので、そこはひとつよかったと思う。(後半は1点ビハインドの状況だったが)流れができていたと思うので、ある程度ボールを動かしながら相手を走らせた。後半相手の足が止まってきていたのでフリーの選手も多くなっていたので、焦るということはそこまでなかった。(自身の攻撃について)これをスタンダードにしていかなければいけないと思うし、もっといけると思う。得点という結果を残せればよかったが、やっぱりそこはまだ課題かなと思う。(次の順大戦に向けての意気込み)開幕戦で0-1で負けていて、僕自身大学に入って順天堂さんとやって買ったこともないので、そういった意味でも相手は強いですし、こっちもこの流れを活かしながら勝てればいいと思う。
・横山(国2=FC東京U-18)
負けている状態の中で自分はチャンスメイクすることを意識して関東リーグなどで結果を出せていなくて同点になった時は本当にうれしかったし、相手も2部だったので負けないという気持ちで入った。(得点シーンを振り返って)セカンドボールだったのだが、こぼれてきて相手のカウンターにならないようにした結果で気持ちで押し込んだ感じ。それが入ったのですごくうれしかった。(1点ビハインドからの投入だったが)右サイドで突破することが自分の目的なのでどんどんチャンスをつくって勝ちにつなげていこうという感じ。(ドリブル突破からのチャンスメイクが多かったが)評価されている部分でそこでサイドハーフは違いをみせてなくてはいけないポジションだと思っているので次も違いをみせていけたらいいと思う。(次戦に向けて)順大には関東リーグでは負けているが負けたら終わりなので謙虚にチャレンジャー精神をもって頑張りたい。
TEXT=酒井菜摘 PHOTO=谷口奏生、友寄慈温