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第68回全日本大学野球選手権大会・開会式
6月9日(日) 明治神宮会館ホール
ベストナインバッテリーが全国に旋風を起こす
杉本監督の指揮にも注目だ
「日本一」を誓った佐藤都主将
チーム全員で日本一を目指す
曇り空の中、第68回全日本大学野球選手権大会(以下、全日本選手権)の開会式が行われ、出場27大学の関係者が明治神宮会館ホールに集った。一番長い春を過ごすために選手各々が決意を胸に開会式に臨む。
東都大学野球連盟(以下、東都)の1位を”奪還”した東洋大が次に目指すのは2011年以来の大学日本一。監督は「東都の名誉にかけても今年はいい成績を残したい」と語る。また、「『奪還』という目標があるので、優勝しなかったら何も意味がない」と並々ならない思いで日本一を目指す。
チームは昨年、全日本ではコールド負けで初戦敗退に終わった。佐藤都主将(法4=聖光学院)は「去年を経験している選手が結構多い。今年はそのメンバーを筆頭に全員で、チーム力で頑張っていこうと思います」と一言。そして、「優勝すれば連盟として2011年の東洋大の優勝以来になる。それを超えられるようにここから歴史を作っていければと思う」と優勝への思いを語った。
また、今季リーグ戦を大車輪の活躍で駆け抜けた村上(総3=智弁学園)は「どのタイミングでも行けるように準備をしている」と大舞台を前に決意を固めている。意外にも全日本選手権での登板経験のない右腕が慣れ親しんだ神宮球場のマウンドで、全国の猛者たちをなぎ倒す姿に期待したい。
ようやく訪れたリベンジの機会。東都大学野球リーグとして、平成23年度以来となる王座奪還への挑戦が始まろうとしている。チームの初戦は12日9時より神宮球場で開催される。
■コメント
・杉本監督
(去年の全日本を振り返って)去年は選手の方もそうですけど、僕の方が初めてだったので、何をやったらいいのかどういう風にやったらいいのかというのがわからずにそのまま試合に臨んだというのがあるので、その何をして、なにをしなきゃいけないかっていう経験値というのは去年経験しましたので、そこの僕自身のモヤモヤとしているものはないです。去年はリーグ戦終わってから全日本までの期間が近かったので最後まで調整というのではなくてそのまま何もせずに試合を迎えてしまったという形だった。今年は練習のやり方などを短期決戦に合わせたような練習のやり方というのを選手たちの方にはお願いした。トーナメントで、負けたら終わり。リーグ戦のトータル的な戦力っていうのは東洋大にはあるかもしれないが、短期決戦はトータル的な戦力ではないので、そこの難しさがあると思う。それは、覚悟しなさいと伝えている。去年はそれを伝えきれていなかった。(トーナメントに合った練習の方法について)フリーバッティングの仕方にしてもちょっとは変えました。でも、それはトーナメントというよりも今後の東洋大のバッティングに対する練習というか、意識をそういう風に持っていきたいと思っていたので、バッティングの部分についてもただ単に打つのじゃなくて、ある程度の負荷をかけて、打席に立つ意識を持たせるようにした。練習の定義というのは試合で結果を出すためなのでそこにイコールがないと駄目なんですけど、それがなかなかイコールにならない。でも、よりイコールに近づけるような練習のやり方とか意識の持っていき方などはやっている。(連戦になる可能性について)大変だろうなと思います。バッターの方には頑張ってほしいという風には話している。(野手で期待している選手は)小峰とかが後半調子悪かったんですけど、ああいう風な感じの感覚的な選手の方がいいんじゃないかなと思う。(東洋大のトーナメントが一番の激戦区のように感じるがそのことについて)全然そういうことは考えない。佐藤が掲げた「奪還」という目標があるので、優勝しなかったら何も意味がない。そういう風な宿命はあると思う。1回戦で負けようが決勝で負けようが僕は同じなんじゃないかなと思っています。それぐらいの意識はしています。だから本当に東都の代表なので、そういう風にして自分たちにプレッシャーをかけていきたいと思う。東洋大学だけじゃなくて自分たちのリーグのレベルの高さというものを全国に知らしめたいと思っています。(全日本の意気込みは)去年コールド負けしているので、やはりリーグを代表して、東都の名誉にかけても今年はいい成績を残したいと思います。
・佐藤都主将(法4=聖光学院)
(決意表明)今年の目標は「奪還」。その目標にチャレンジをすることができるので、東都代表として日本一を取れるように頑張っていきたいと思います。(チームの雰囲気は)徐々に士気が上がっているかなって感じはありますし、ピリピリした状態っていうのを作っていかないといけないって思っているのでキャプテンとしてもそこは注意しながら、「奪還」という目標もあるのでそれにあった雰囲気づくりをしている途中なので、いい感じで来ていると思います。(去年の悔しい試合を振り返って)相手に圧倒されるじゃないですけど、チームとして1つ越えることが出来なかったっていうのが、どうしても自分が縮こまってしまったっていうのが去年の経験ではあるので。(今年のチームには)去年を経験している選手が結構多いので、今年はそのメンバーを筆頭に全員で、チーム力で頑張っていこうと思います。(個人的に)全日本を今までに3試合経験しているんですけど、まだヒット打っていないのでまずはそこを目標に。最終的にはMVPだったり、首位打者だったりっていうところを目指して、勝ち続けていきたいなと思います。(神宮球場での試合について)やりやすいですし、そういった面ではアドバンテージがあるかなっていう風には思うので、それを利用して勝ちを狙っていく(東都代表として)秋は立正大が優勝してくれたので、春は東洋がということで頑張っていきたいと思います。(挑戦者という気持ちは)変わらない。(村上について)終わってからのシーズンがちょっと空いているのでちょうどいいと思う。徐々に徐々に調子を上げてもらえればいいかなと思う。あとは、連戦とかも入ってくると思うので、今度は外野手が全日本では助けられるように、点を取れるだけ取って代われるような試合を作りたい。(研究されていることについて)変に考えずに、データはあると思うんですけど、それが本当かどうかっていうのは、こっちからしても条件は同じだと思う。その日その日の体調は変わってくるので。その見極めをして、変化を見過ごさないように臨機応変に対応していきたい。(全日本にかける思いと意気込みは)全日本は2011年以来、東洋大は優勝をしていないので、その意味も含めて「奪還」というスローガンを掲げている。東都では2011年の東洋大以来の優勝になるのでそれを超えられるようにここから歴史を作っていければと思う。また、令和元年というのもあるので、新たな歴史を作れるようにと思ってやっています。
・津田(総4=浦和学院)
(全日本選手権のキーマンを挙げるなら)投手陣は山下雅と河北ですかね。絶対に投手は村上だけでは勝てないので。そういう中継ぎを任されている投手陣が長いイニングを投げ抜けるか。そこがカギになると思います。打者は自分ですかね。リーグ戦は不完全燃焼で終わった分、全日本選手権ではしっかり打ってチームを勝たせたいです。3年連続の出場だけど、2年連続で不甲斐ない結果に終わっている。でも、そういうのを意識しすぎないで一戦必勝で臨んでいきたい。そうやって戦って日本一を目指したい。
・山田(総4=桐生第一)
開会式の会場で高校時代の同期に久し振りに会えた。懐かしかったですね。組み合わせが近い学校だと上武大にいます。自分自身は体調が良くて、練習でもいい感覚で入れているのでこの調子で全日本選手権に向かっていきたい。まずは勝てるようにというのが一番だけど、そのうえで自分の安打であったり、ホームランが出たら最高だと思う。
・小川(法3=霞ヶ浦)
調子は絶好調。体調含め全てを万全にして初戦を望めるように。九州産業大学と対戦したい。昨年負けてしまったのでそのリベンジに。とにかく日本一になる。それだけです。
・村上(総3=智弁学園)
疲れはそうでもない。全日本に出たいと思ってやってきた。2年連続初戦での敗退しているので、初戦勝って優勝したい。投げてみてよくないところは修正していく。初回が大事だからそこをうまく乗り切ればいい感じに乗っていけるはず。トーナメント戦は負けたら終わりなので、気を引き締めて負けは許されないのでチーム一丸となって戦っていきたい。まずは初戦を全力で戦って勝たないと。優勝のためには日替わりのヒーローが必要。大会のなかで絶対ラッキーボーイというのは出てくると思うので、全員そういう風になれるように目指していければいいと思う。先発じゃなくてもいけって言われたらすぐマウンドにいけるように準備をしたい。明治大学は強い印象だし、キャプテンでエースの森下さんはすごいので負けたくない。先頭打者を塁に出さないように意識して。高校も3年春に日本一をとって、今年は大学3年目の春ということでいい時期だと思うので出るからには日本一を目指したい。リーグ戦の力をそのまま出せれば。高校の同級生であったり、先輩後輩と対戦したい。打のキーマンは諏訪。同級生で期待してるので頑張ってほしい。
・山﨑基(営3=愛工大名電)
調子はいい感じ。去年は負けているから、今年は優勝するという強い気持ちでチームとして練習ができている。とりあえず先制攻撃をすることを意識して。六大学の代表である明治大学と神宮で対戦してみたい。チームに貢献出来るように全力で頑張る。
・河北(営1=浦和学院)
調子はそんなに悪くないですね。入りが大事なのでしっかりと体調を整えてよい状態で初戦を迎えたい。チーム全体は勝つという1つの方向に向かっている。1年生から出られることはいい経験なので、先輩たちにも気持ち負けずに精一杯のプレーを。たとえば明治大学にいる西野さんなど高校の先輩と対戦してみたいです。強打者がそろっているので一人一人しっかりと抑えることが大事なので。全日本でチャンスを掴みとってチームに貢献し、優勝できるように頑張ります。
・松本(営1=龍谷大平安)
開会式を迎えてやっと始まるなという気持ち。明治神宮には高校の神宮大会に出てないので初めて来ました。大きいなと思いましたけど、甲子園の組み合わせ抽選も同じようなところでやってて似てるなと思いました。まずは一戦ずつ勝てるように残りの期間で振り込みなどをやって身体のキレを出せるようにしたいです。
・渡邊(総1=報徳学園)
(チームの雰囲気は)いい感じで来ている。緊張感があって以前よりも良くなっている。(調子は)だいぶ良くなってきている。この調子を維持していきたい。(対戦してみたいチームは)東海大と立命館。先輩がいるので。(全日本に向けた思いと意気込み)初めての全日本。これから経験する立場なので出ても、出れなくてもしっかりと経験を積んでいきたい。上に上がった時に一番いいパフォーマンスができるように頑張る。1試合1試合を大事にしていく。
TEXT=加藤勇大 PHOTO=須之内海、谷口遥菜