Article

記事


2019.06.10
ボクシング

[ボクシング]激闘を繰り広げるも4-5、王者日大にあと一歩及ばず

第72回関東大学ボクシングリーグ戦


6月8日(土) 後楽園ホール


東洋大4-5日大


【LF】○川谷(判定)墨田●

【F】●田村(判定)飯村○

【B1】●金城(判定)小川○

【B2】●大畑(判定)西岡○

【L1】○木村(判定)金子●

【L2】○今永(ABD)村松●

【LW】○渡来(判定)湯田●

【W】●兒玉(RSC)石灘○

【M】●田中(判定)荒本○


今回の試合でも川谷が自身の役割を果たした


木村はキャプテンとしてチームを盛り上げた


2試合連続でストップ勝ちをした今永


ディフェンス力で見事勝利した渡来



 折り返し地点の3戦目は今季無敗対決という注目の1戦。相手はリーグ戦5連覇中の強豪校日大だ。最後まで勝敗が決まらないという大接戦の末4-5と惜しくも敗れ、今季最初の黒星となった。


 「トップバッターの1勝はすごく重みがある」。自身でそう語ったライトフライ級の川谷(営2=豊国)はワンツーやボディーブローを確実に決め勝利。今回もしっかりとトップバッターとしての役割を果たし、東洋大に流れを作った。しかしフライ級、バンタム級で連敗が続いてしまう。


 1-3で回ってきたのはキャプテンであるライト級の木村(営4=飛龍)。相手は仲が良く、お互いをよく知っているという金子との対戦。相手はスピードのある選手だが、作戦通りのプレーで見事判定勝ち。東洋大に流れを戻し、チームを盛り上げた。次の今永(営2=王寺工)も安定したプレーを見せ1R目でABD勝ち。「家族からの応援が力になった」と試合を振り返った。同点に追いついたなかで登場したのはライトウェルター級の渡来(営3=武相)。苦手なタイプの選手で力んでしまったというが、力強いパンチとデフェンス力で勝利。だが、ウェルター級は相手に取られてしまい4-4。勝敗は最後のミドル級まで持ち越された。



会場は1番の盛り上がりを見せた。そのなかでリングに上がったのはミドル級の田中(文3=享栄)。対戦相手は高校時代から注目されている荒本だ。1R目は相手に取られてしまうが、2R目は田中が取り返す。迎えた最終ラウンド、応援にもより力が入る。両者互角のプレーを見せ、どちらが勝ってもおかしくない展開で試合は終了。判定を待つ間、会場全体が緊張感に包まれた。選手、観客全員が固唾をのんで結果を見守る。しかし、レフリーが手を挙げたのは日大だった。結果は4-5、あと一歩及ばず悔しい結果となった。



 選手たちは目に涙を浮かべる。それだけ優勝への思いが強かった。しかし、今回の試合でチームの団結はより一層深まったに違いない。これからの試合に向けて「負けたあとだからといって変に気落ちするのではなく、さらに盛り上げていくかが大事」と三浦監督。自力優勝は無くなってしまったものの、まだ優勝のチャンスはある。残り2戦、気持ちを切り替えボクシング部の挑戦は続いていく。



■コメント

・三浦監督

作戦として全体的に中盤は自身があったので、B級が終わって2ー2でいきたかった。LF級の出だしは良かったが、F級とB級1、2が立て続けに負けてしまったので、そこが敗因。LF級の川谷はボディーブローもあって、リード、ワンツーも決めたので非常に安心した。F級の田村はけがからの復帰ということもあり、能力のある選手だが、少しスタートが良くなかった。3R目は取ったが、大事な1R目が少し相手のブロッキングに遮断されてしまった気がする。B級1の金城は技術よりも気持ちの面で負けてしまった。中間距離だったり、攻撃力というものをもう少しつけていかないといけないかなと思った。B級2の大畑は、相手も強い選手で同じ1年生同士というところで、これからライバルにもなるし勝たないといけないというところもあってぶつけたが、少しの気の緩みでパンチをもらった部分があって、後半だいぶ気持ちを入れて打ち合いにいってポイントを挙げたとは思うが、やはりもう少しボクシングの技術を作っていかなければいけないと思った。ただ2ー3と接戦だったので惜しかったという気がする。L級の(木村)蓮太朗は相手も非常に強い選手だったが、キャプテンとして勝たないといけない、よく前に出て、ボディーブローも決めて戦ってくれて勝てたのでチームの盛り上げ方も良かった。今永も自分のボクシングをして、リラックスしてできていた。ストップ勝ちできたので、非常に頼もしいL級だった。LW級の渡来は相手がパンチがあったので、少し固いなと思ったが、固いなかでもボディーブローをよく決めて、ディフェンス力で上回ったのかなと思う。結果的に5ー0で勝ったので良かった。W級の兒玉はリーグ戦初登場ということもあって、いかにリラックスしてリングに上げさせられるかというところで、リラックスして上げさせることはできたと思う。相手がパンチのある選手なので、離れて戦うように言った。中盤まで良かったが、後半に気を抜いてしまったのか、ワンツーをもらってしまって倒れてしまったので、仕方ないかなと思う。4ー4でM級田中の相手は、高校のときにものすごく強かった荒本。自信を持って打てば勝てると思って送り出したが、1R目取られて2R目取って。3R目のラスト30秒までは互角だったかなと思うが、山場を作っていなかったという意味で最後の30秒で相手にパンチをもらって空振りもしてしまったので、そういう意味では力負けかなと。やはり3Rまとめきるボクシングをしないと勝てない。応援とか全体的なものは非常に良くていいチームに仕上がっていると思うので、残り2戦しっかり勝って、まだまだ優勝の可能性もあるので、このまましっかり追い求めていきたい。(次戦に向けて)ポイントゲッター、取るところはしっかり取って、強いところ弱いところすり合わせると駒大はうちと同じようなタイプのチームだと思う。あとは勢い。気持ちでいかにやるか。(この2週間でどんなところを修正していきたいか)負けたあとだからといって変に気落ちして、落ち込むのではなく、さらに盛り上げていくかが大事なのかなと思う。技術もそうだが、気合い負けをしないようにしたいと思う。


・木村(営4=飛龍)

作戦は前から考えていて、単発ではなくてジャブからついて、相手からきたところをはずしてまとめるっていうのを意識した。それが見事にはまっていけたので良かった。(相手の印象は)自分は仲良いのでよくわかっているが、スピードのある選手だったのでそこを気をつけようと意識した。(チームの雰囲気は)最高だったんじゃないですかね。これで負けて納得してはいけないが、納得できるくらいみんな頑張ってくれたので良かったと思う。(課題は)個人は1R固かった部分があったので、1Rからそういう動きができるのと、チーム自体はこのまま行くだけです。(次戦に向けて)自力優勝は無くなってしまったが、あと2戦勝てば優勝のチャンスはまだあるので、絶対に勝っていきたい。


・渡来(営3=武相)

前回、前々回と2勝しているなかでいい流れでいこうと思ったが少し力みすぎたところがあって失速したところが結構痛いところだった。対戦相手は自分が見たことのない選手だったので動画で直前に試合を見たが大きいサウスポーでクセのあるタイプで自分としては苦手なタイプかなとは思ったが、案の定力んでしまって思うように出来なかったところが反省点。(3-3のなかでまわってきたが)正直自分のなかでは個人が勝つことでチームの勝利にもつながると思っていたので流れとかは気にせず自分が勝つことだけを考えていた。プレッシャーとかはなかった。(次戦へ向けて)今日はあまりいい試合ではなかったが個人的に3連勝できたのでもうは全勝することを考えて気を抜かずにやっていきたい。


・川谷(営2=豊国)

試合内容的には全然ダメダメだったがトップバッターとしての仕事を蓮太朗さんがキャプテンになって花を持たせたいという気持ちがすごく強くて気持ちで頑張ったら結果につながったかなと思う。対戦相手は高校時代の最後の国体の決勝で戦ったことのある選手。大学に上がってもすごく強くなってる印象だったのでプレッシャーもあったが自分のボクシングができたら勝つことができた。すごく強かった。トップバッターの1勝は中間の1勝とかに比べてすごく重みがある。しっかりトップバッターとして仕事が流れを持ってこれたと思う。(次戦へ向けて)自力優勝は出来なくなったが残り2戦しっかり頑張って、駒大、中大にもしっかりとした勝ちを見せたい。東農大が日大と戦って日大が負けることがあれば東洋の優勝の優勝も見えてくると思うので最後まで希望を捨てずしっかりとやっていきたい。


・今永(営2=王寺工)

もう少し練習通りのことをしていればもう少し早く倒せたかなと思う。内容的にはあまり良くなかったがチームの流れや活気をつけれてよかった。家族からは応援してもらった。力になった。次の対戦相手は前回負けている相手になると思うのでそういう意味でしっかりと練習をして勝てるように頑張りたい。


TEXT=岡村珠里 PHOTO=岡村珠里、長枝萌華、森美香子