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2019.06.12
硬式野球

[硬式野球]「入っちゃった」弾!ルーキー松本が全出塁の大活躍で全国デビュー飾る

第68回全日本大学野球選手権大会・2回戦

6月12日(水) 神宮球場

○東洋大7ー1桐蔭横浜大

松本は持ち味を味を存分に発揮


目いっぱい伸びてハイタッチをする松本


 松本(営1=龍谷大平安)にとって大学野球初の全国の舞台となった第68回全日本大学野球選手権大会(以下、全日本選手権)がリーグ戦同様の活躍を見せる。まずは、初回。チームのリードオフマンがモットーに掲げる「初回出塁」。そのテーマを先発・関野(桐蔭横浜大)が投じた高めの直球を叩き実行。後続が倒れ、この回は得点こそあげることはできなかったが全国の舞台でも適応力を見せた。


 六回に神宮球場に衝撃が走る。桐蔭横浜大の三浦が投じた初球を引っ張ると、打球はぐんぐんと伸びスタンドへ。「完璧な当たりではなかったんですけど、ラッキーでした」とはにかみながら大学初ホームランを振り返る。いつもと変わらぬ全速力でダイヤモンドを駆け抜けると歓喜に沸くベンチへと一直線。ベンチ内では先輩たちが高々と上げる手に飛びながらハイタッチをし喜びを分かち合った。


 この日も持ち前の選球眼を駆使し、四回には10球粘った末に四球を勝ち取った松本。センタリング以外にもこの男を支えるルーティンがある。「試合前夜にアイボンをやって、バスの中ではホットアイマスクをしてます」と万全の目のケアをしているという。次戦もこの男の目が生み出す大きな流れに期待したい。


 「今日のことは切り替えて明日に臨む」。そう語り、東京六大学野球連盟との一戦を見据える。頂まであと3つ。我ら東洋大がノンストップで全日本選手権を駆け抜ける。


■コメント

・松本(営1=龍谷大平安)

試合前は少し緊張してたけど、いつもと同じ神宮球場に入っていつも通りの気持ちでプレーできたと思う。自分自身、先頭打者として打席に入るときはなんとしても出塁することを心がけている。チームとしても「先制パンチ」というのがキーワードなので。そういう点では初回の直球を叩いた安打は良かった。でも、その後の走塁が問題。(龍谷大平安高校の原田監督はスピードへの慣れを指摘していたが)それもあるとは思うけど、ずっと出してもらっててその言い訳は通らないと思う。足元が少し滑ったんですけど、そういうことも含めて自分の準備不足です。ホームランを打ったのはたぶん直球系。もしかしたらツーシームとかかも知れないです。打った瞬間はジャストミートしたわけじゃなかったので入ってくれてラッキーという感じ。自分はホームランバッターではないので、これを過信せずに偶然くらいに思って自分の打撃を続けていきたい。最後のセーフティバントはまだ納得できるものではなかったので、今後も高めていきたいです。昨年は自分はいなかったんですけど、先輩たちと昨年の分今年はコールド勝ちを仕返そうという話になっていた。でも、ここから日を追うに連れて厳しい戦いになるのでそういうことを考えずに勝ち上がっていくことを考えていきたい。今日はミスもあったりして、自分のプレーに100点をつけれる日ではなかったので満点をつけれる日を増やしていきたいです。明日は明大との一戦で手強い相手なので、今日のことは忘れてしっかりと備えたいです。


・原田監督(龍谷大平安高校)

松本は本当にマイペースな子です。大学入学後に見るのは開幕戦に来ているので2回目です。そんなに高校から見てて変わった点というのはないですね。(初回の走塁ミスは)高校の時はなかったですね。捕手のスピード感とかの部分の差なんじゃないかなとは思います。高校の時はあれでセーフになってたのかもしれないけど、大学だとそうはいかない。あれはいただけないプレーです。彼は身体が小さいでしょう。ここから先、社会人に進むのかプロに行くのかは分からないけど誰かの目に止まらなければいけない。そういう点も含めて、大きい声を出すというのが重要になってくると思いますね。今の彼には走力という大きな武器があります。誰かの目に止まれば、プロでも社会人でも進む可能性は大いにあると思います。(松本選手に一言声をかけるなら)今日はホームランも見れて、粘った末の四球見れた言うことなしです。


TEXT=須之内海 PHOTO=齋藤洋、谷口遥菜