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2019.06.12
硬式野球

[硬式野球]エース・村上 貫禄の投球で鬼門の初戦突破

第68回全日本大学野球選手権大会・2回戦

6月12日(水) 神宮球場

○東洋大7ー1桐蔭横浜大



東洋大
桐蔭横浜大



○村上、松澤、河北-佐藤都


本塁打:松本(六回)

二塁打:山崎基(三回)、木村(八回)


・打者成績

打順守備名前
(中)松本(営1=龍谷大平安)
(左)小峰(営4=帝京)
(右)山田(総4=桐生第一)
(捕)佐藤都(法4=聖光学院)
(指)山崎基(営3=愛工大名電)
(遊)小川(法3=霞ヶ浦)
(一)諏訪(総3=浦和学院)
(三)津田(総4=浦和学院)
(二)木村(総2=霞ヶ浦)


31



・投手成績

名前球数四死球三振
村上(総3=智弁学園)112
松澤(営1=帝京)23
河北(営1=浦和学院)19


ピンチを脱し吠える村上


1年生河北も落ち着いた投球を見せた


山崎基の適時打に沸くベンチ


 全日本大学野球選手権大会(以下、全日本選手権)の初陣。東洋大は初戦を制し勢いに乗る桐蔭横浜大と対戦し7対1と大差で勝利を収める。マウンドでは村上(総3=智辨学園)が躍動し七回112球無失点。自慢の打撃陣もバットが火を噴き、2年間の悔しさを晴らすように初戦を突破した。


 慣れ親しんだ神宮のマウンドに上がったのはエース・村上だ。「マウンドの歩幅が合わず、調整に時間がかかった」と立ち上がりを不安視したものの、初回から2三振をうばう好調なスタートを見せた。五回に4番の大神田(桐蔭横浜大)に内野安打でこの試合初出塁を許した。その後の打者に四球を出し1死一、二塁のピンチを招くも後続を打ち取り、七回を112球6奪三振という好成績でマウンドを降りた。


 八回は松澤(営1=帝京)が登板。四球と遊撃手・小川(法3=霞ヶ浦)の失策が絡み相手に1点を献上するも、普段通りの落ち着いたピッチングで切り抜けた。九回は春季リーグ戦に抑えとして大活躍した河北(営1=浦和学院)が安定した投球で二塁を踏ませずゲームセット。過去2年連続初戦敗退の雪辱を果たし、村上は見事全日本で初勝利を収めた。


 野手陣は三回に山崎基(営3=愛工大名電)の適時打や六回に松本(営1=龍谷大平安)の大学初本塁打で7得点と“打の東洋”らしさ全開で好調ぶりをアピール。今後のトーナメントも期待できる結果となった。


 明日の明大戦について「勝ちたい」という言葉を何度も続けた村上。杉本監督は「正々堂々相手をリスペクトして戦いたい」と明日へ意気揚々と語った。いわば本拠地ともいえる神宮球場で初戦を勝ち取った東洋大ナイン。帰りのバスへはファンなどから大きな声援を受け、笑顔で球場を去った。


■コメント

・杉本監督

リーグ戦終わってオープン戦投げた時はあまりよくなかったが試合勘という面で今日はまずまずかなと。常に練習から球数をかなり投げるので、今の選手にしては止めなきゃいけないくらい練習の球数が多い。ということはバランスが良くコントロールがいいということなのかな。五回1死でマウンドに行った時は、間を取りに行った。ここで一息入れに行こうかなと。松本は昨日授業だったんですけどね。全体練習してないんです。松澤も河北も全体練習せずに夕方練習して、松本は、今朝少し雨天練習場でボールを見てきた。松本は東洋の野球ではない、いい風を送り込んでくれてると思います。あれだけ軸のところまで投球を引きつけられる。うちの中だと山崎基と松本ぐらい。さらに足がある。他の打者は見切りが早いけど、松本は引きつけることができていますね。ストイックです。春のオープン戦でも安打が出ないと一人でスイングをしていた。今の選手は動いてるボールを打ちたがるけど、軸の強さは素振りでしかできないと思っている。そこの違いにみんなが気づいてくれるか。素振りは大変だから、マシンを打ちたがる。自分はやってますよという感じで汗をかいて終わる選手もいるが、松本は違います。(次が大勝負だが)勝負なので勝ち負けはあるが、自分の中ではワクワクドキドキしながらできるかなという気はします。東都と六大学、自分たちで大学野球を引っ張っているというプライドが僕たちにはあるので、正々堂々相手をリスペクトして戦いたい。(小川について)ミスをしてしまったが、今日の夜どう過ごすか、切り替えられるかというところだと思う。切り替えられなかったら駄目。それは何もアドバイスできない。自分がしてしまったことなので。昔だったら選手間がもっとガンガンいく。今の子達は変な忖度をする。しっかり投げろと言えばいい。そんな強さがあってもいいのかな。時代なんですかね。本人にとって、チームにとって、変な忖度は良くない。でも、監督が言っちゃいけないと思うから言わないです。(村上投手が112球投げたが、明日は)毎日それぐらい投げてるから、ピッチングの一環としてと言った感じで。今日、村上以外の選択肢はなかったですね。一発目だし、去年一昨年のこともあるので。試合の流れを壊したくないなと。そんなに力の差はないから、流れが悪いと怖い。学生がやることだから、その流れを止める力は無いと思う。

・村上(総3=智弁学園)

(今日を振り返って)カウント悪くしてしまったので次なくしていきたい。立ち上がりにマウンドの歩幅が合わず、調整に時間がかかった。ストライク先行させるのを意識した。緩急を使って工夫した。(ペース配分はセーブしたのか)特にしていない。普通に投げて今日はこんな感じか。というように思いながら投げていた。明日のことは考えず、目の前の打者にリズムよく投げた。カーブの球速がスクリーンに表示されて欲しい。カーブは90㌔くらいだと思う。緩急の差を自分でも知りたい。緩急を使わないと打ち取れないので。同じ球種でも緩急をつけてやれたので良かった。(チームを勝たせるピッチングができたか)初戦突破を目標にやってきた。突破できてよかった。(監督から途中交代の話は)無かったが、途中で変わるとは思っていた。点差が開けば、明日もあると思っている。(明日は明大・森下との対決になると思われるが)負けたくはない。連投はリーグ戦でもしているので特に嫌ってことはない。明大とは優勝するには絶対当たるのでそれが早いか遅いかというだけ。(序盤ランナーを出さない投球だったが)記録は狙ってはない。ランナーを出してしまうと、苦しい投球になってリズムも悪くなってしまうのでランナーを出さないようにとは意識した。(リーグ戦終了後からどのような調整をしてきたか)ランナーを出してからの場面を想定した練習をやってきた。コントロールも乱れることなかったので良かった。(チームや自身で初戦の入り方等どのように確認したか)2年連続負けているので自分的には初回が大事だと思っていて、うまく切り抜けられたので野手ものってくれたのかなと思う。(トーナメントの緊張感はチームであったか)今日は全体的に無かった。いつもの神宮球場でやれているので変わったことはなかった。知り合いが他大で勝ったりしているのでこのトーナメントで戦いたい。(明大・森下はどういう投手と見ているのか)自分と違って身長も大きい。球も速いし、三振も取れる理想的な投手。でもやるからには負けたくない。勝ちたい。高校時代にセンバツでも連投はしていたので苦ではない。体に染みついている。まだまだいける。連投の秘訣はない。気持ちで行くだけ。


・佐藤都主将(法4=聖光学院)

とにかく初戦はすごく大事でむずかしいっていうことを改めて実感したので、初戦をしっかりと大事にしていこうとチームで決めていい形で入れてよかった。バッティングに関して、仕留められるとこ仕留められたのでそこが一番。ボールの見極めに関しても四球2つで、そのあと山崎が打ってくれてそこで結構点が入ったので。そういった意味ではリーグ戦の時手を出しがちだったもったいないボール球を、今日は集中して見れたのも大きい。全日本で初安打出たのはうれしいが、ここで終わりじゃないので目標はMVPだったり首位打者だったりのタイトルを目標にやっているのでまだまだこれから。村上は最初かたさとか緊張とかもあって制球乱してツースリーのカウントが多かったかなというイメージ。この初戦を勝つことの難しさを知ったから明日以降いい形で入れると思うし、いい意味で緊張感持てたと思う。打たせる球をバッターが振ってくれなかったっていうのもあって、振ってくれないからボールカウントが増えた。自分の中ではもう少し簡単に勝負してもよかったのかなと。村上の1番良い球であるまっすぐを生命線としてそこだけを軸に。トーナメントは何が起こるかわからないので。相手が最後まで食らいついてくるというところで慎重にいかないと、単純なリードをするとそこで打たれてしまうという印象を去年受けたのでそこを意識した。リードに関して村上自身首をあまり振らないタイプだから自分に任せてくれてる。村上どうすると監督に言われて、河北など1年生のピッチャーを初戦緊張するのでちょっとでも明日以降に向けて経験させておきたかったので。(東海大の海野が活躍していたが)あんまり意識していなかった。決勝で会えればいいかなと。(明日東都と六大学の戦いになるが)もう意地と意地のぶつかり合い。森下自身は、東洋しか見ていないと言っていたのでお互い勝って準々決勝で戦おうと話していた。(明大監督が明日は森下でいくと明言しているが)森下の力を借りて打ちます。いいピッチャーなんでいいピッチャーの力を借りて食らいついて、一点でも多く勝てるように。対戦はしたことないが、バッテリーを組んだことがあるので。明治は抜け目のない打線のイメージなので、つくところついてっていうのを意識して自分が焦らないようにリードしていきたいです。


・齊藤監督(桐蔭横浜大)

完敗。先発は腰を痛めていた。投げてない分が出た。投手戦で四回五回ぐらいまで行きたかった。そこからつないでなんとか、という考えだった。村上君に対して4点を追いかけるのはしんどいので。とにかくいろんなボールを追っかけるのは駄目なので絞れということと、あとはセーフティーを試みろと言っていた。でも選手たちはやっぱり打ちたいという気持ちがあふれていた。とにかく投手を動かして後半勝負だと言っていたが。選手たちが打ちたがった。村上は絶対打てないと思っていた。結果的に、ほらねと言った感じ。打って勝ってきただけに過大評価してしまった。とにかく我慢して守って、発想を変えて負けないようにしようと。それしかチャンスがなかった。村上君はとにかくコントロールがいい。亜大1回戦を見たが本当にコントロールがいい。大学生の中で一番いいのでは。森下君ももちろんですが。選手たちには、いい教訓になったという話はしようと思う。本当にいい投手なので全員で攻略しなければいけなかった。先頭の杉山にしても、難しいと思ったらセーフティーで揺さぶれと昨日から言っていた。初回から揺さぶって欲しかった。それがピッチャーは嫌だと思うので。それができなかったのがよくなかった。なんでやらないのかと途中で行った。ただ、打てると思ってる選手にそういうことをやらせるのも違うなと。130キロ台もあったけど、スピードガンが絶対におかしい。球速で油断したことは絶対にない。難しい投手を相手に、勝つためには細かいこともしなければならない。ただ、選手を大きく育てたい、そこが難しい。打ってきたチームだけに打てると思ってしまう。過大評価しすぎてもよくない。指導も難しい。勉強になった。


・大神田主将(桐蔭横浜大)

村上はいい投手だった。あのようなタイプの投手と対戦する機会なかったし、打てなかったのはすごく悔しいが次に向けてのいい経験。狙い球はチームとしてはまっすぐ待ちの変化球だったり、その逆の変化球待ちのまっすぐで三振ならしょうがないと割り切って臨んでいたけど、予想通り完全に力負けしてしまって。変化球は一級品。そのなかでも途中まで球筋が一緒でも落差が急に変わったりする球もあったので。それを打てなかった自分たちがいかに井の中の蛙でやってきたかを実感した。自分たちが次に向けて進化していくしかない。佐藤さんもうまいリードで迷うような配球でバッテリー自体にやられました。


・渡部(桐蔭横浜大)

さすが東都の優勝校だなと思った。先発の村上は直球のキレがすごかった。実際にリーグ戦でスタンドから見てたけど、その時には感じなかった球威も打席では感じた。同い年の良い投手なのは見てて分かっていたので、その良い投手を打つんだという心持ちで望んだ。タイプというかストレートに自信がある組み立てなのは、甲斐野さん(H30年度営卒=福岡ソフトバンク)に似てるのかなと思った。甲斐野さんはズドンと来る感じで、村上の場合はなんというか言葉に表しにくいんですけどスッと来る感じでした。言葉で表現できないです。チームとしては右打者はスライダーを左打者は落ちる系に変化球の狙いを絞ってたんですけど、上手くかわされてしまった。


TEXT=齋藤胤人 PHOTO=須之内海、齋藤胤人