Article

記事


2019.06.24
硬式野球

[硬式野球]佐藤都、村上が大学代表に選出 「東洋バッテリー組めたら」

侍ジャパン大学代表選考合宿

6月21日(金)〜23(日)バッティングパレス相石ひらつか


外野もこなす佐藤都


自身初の代表入りを果たした村上


佐藤都(左から2人目)はこの合宿で副キャプテンを務めた


渡部(桐蔭横浜大)とウォーミングアップをする村上


佐藤都は紅白戦で捕手としても出場(写真提供:中大スポーツ新聞部)



第43回日米大学野球選手権大会(以下、日米野球)の代表選手の選考合宿が3日間にわたって行われた。全49名が参加した今回の合宿に、東洋大からは佐藤都(法4=聖光学院)と村上(総3=智弁学園)が参加。最終的に24名のみに選考される中、2人そろって代表入りを果たした。



 合宿1日目は午後から練習を開始。根拠を持って選考に当たるため、様々な計測が行われた。野手は50mタイムや打球速度などを測り、加えて捕手は二塁送球タイムを計測。投手も50m走や投球の回転数などを計測した。佐藤都は50m5秒97を記録。「体も少しきつい中でこのタイムを出せたことは良かった」と話した。



 2日目は変則式の紅白戦が予定されていたが、大雨のため全面人工芝の日体大グラウンドへ移動。紅白戦を2試合行い、1試合目では佐藤都は3番・右翼手として出場。田中(立大)との対戦では四球を選んで出塁したが、津森(東北福祉大)と伊藤(苫小牧駒大)には凡退に抑えられた。2試合目では3番・捕手としてプレー。日体大の北山から中前打を放ち、「雨の中で難しい部分もあったが、自分の中でまあまあな結果は出せた」と振り返った。


 3日目にも変則式の紅白戦を1試合実施し、村上が先発として登板。珍しくコントロールに乱れがあり「手応えは全然だった」と振り返ったが、郡司(慶大)や安本(法大)ら強打者に対して2回を無四球1安打無失点で抑えた。


 午後に会見が開かれ、生田監督が選ばれた24人の代表選手を発表。東洋大の2名とも選出され、村上は自身初の代表チーム入りとなった。海野(東海大)が捕手の中心となるのではと生田監督は話すが「村上と佐藤っていうバッテリーも組める」とも話した。ジャパンのユニフォームを着た東洋大バッテリーの実現もありそうだ。


 代表に選ばれた佐藤都と村上は7月10日から15日まで直前合宿に参加し、7月16日に開幕する日米野球に挑む。日本での開催となり、愛媛県や山口県、佐藤都の地元である福島県でも開催。最終日の第5戦は神宮球場で行われる。



◼️コメント

・生田監督

スタッフと見たかったデータを取ることができた。今年と去年の代表チームのデータを比較しながら参考にしていきたい。学年的に4年生が少なめで下の学年が出てきているので1、2年経ったら成長してくるのでは。去年のライオンズに行った松本(日体大)やソフトバンクに行った甲斐野(東洋大)は去年ボールの回転数などデータ的に図抜けていたが、それに近いデータを出した選手もいて期待できる。見た目で球が速いことや打球を遠くに飛ばすということで判断もできるが、データを計測することで代表に選考する上で公にはっきりとしたデータを出せるのでとても良い。大学球界だけがやってる取り組み。データと実際見ての結果が結びついている。(選手たちの動きについては)さすが選ばれてきた選手だなという印象。佐藤都(法4=聖光学院)も去年国際大会を経験しているので頼もしい。キャッチャーだけではなく外野も守ってくれる2ポジションをできる選手がいると選手の登録枠24人というのがあるので強みになるのではないかと思う。前回の日米野球は2勝3敗と負け越してしまって悔しい思いをした。今年は日本開催ということで去年の雪辱を果たすためにあらゆる角度から選手を選んだ。正直なところ去年のチームと比べてどうかな、と不安もあったが3日間の合宿で去年以上の手応えを感じている。(投手で中心になるのは)明治大学の森下君はかなりの期待をしている。(野手では1年生が2人入ったが)1年生というところで若干心配はあったが中央大学の森下君、亜細亜大学の田中君。同じ東都リーグで彼らの活躍は見ておりますのでこれくらいのレベルだったら代表選手として堂々と競えるのではないかと思い、選ばせていただいた。(自国開催での優勝が懸かっているが)アメリカチームもかなりの投手陣を中心に良いチームをつくってくると思う。前回、日本の投手陣は空振りを取れる選手を選んだ。アメリカチームも同じように空振りがとれるピッチャーが多かった。(主将は)筑波大の篠原選手に。今回の合宿のときに「僕にキャプテンをやらせてください」と自ら話してきましてスタッフと相談し、そういう意気込みであればやらせて良いんじゃないかということで任せた。選考してメンバーに選ばれたので、そのまま継続。U18のときもキャプテンをやっていたようでそういうキャプテンシーを持っているので任せようと思った。(捕手の起用法は)キャッチャーを4名選ばせていただいた。基本的には去年マスクを被っていた海野君が中心になると思うが、東洋大の村上君と佐藤君のバッテリーコンビとか、東海大の山崎君と海野君とか、色んなバリエーションができる。そのときの調子の良いキャッチャーを使いたいと思っている。スローイングで言えば、海野君が捕ってからセカンドまでが1.8秒台だが、他のキャッチャーも遜色は無いと思う。色んなケースを考えながらやっていきたい。去年佐藤君がファーストもしくはライトを守ることができ、郡司君もファーストができる。DHも含めて2、3ポジションできる選手がいる。古川君に関してもサードもファーストもできるということで練習はしていますので、キャッチャーで打てる選手をうまくポジションを変えながらチーム編成をしていきたい。(優勝への意気込み)基本的には5連勝する気持ちで選手を選ばせていただいた。打つことも大事だが点をやらない、しっかり守り切るのが大事なので小技の効く選手、守りの良い選手を選んだ。全部勝つつもりで臨みたい。ロースコアになるかと思うが自国開催ということで堂々と戦いたい。



・佐藤都(法4=聖光学院)

去年はすごく緊張してどうしようという感じだったが今年は楽しかった。一人じゃなくて村上がいたので良かった。(選考合宿までの過ごし方は)変わらない。いつも通り練習してきた。初日はよい形で入ろうとしたが少し緊張というか張り切りすぎて、空回りしてしまったかなという感じはあった。(外野守備は)本当に久しぶりだった。合宿前に少しノック受けたくらい。本格的に入るのは去年のこの時期以来。久々すぎて怖かったがそれなりに頑張れたと思う。(2回目の選考合宿)去年とまた違う。去年は先輩がいて、いろんな先輩を見て必死に食らいついていた感じだったが、今年は去年を経験しているのもあって自分が引っ張っていかなきゃなという思いはある。この合宿の副キャプテンを任されている。ちゃんとやろうと思う。キャプテンは筑波大の篠原。副キャプテンはもう一人明治の森下も。(去年の日米野球で得たものは)正直必死に食らいつくことで精一杯だった。迷惑かけないようにと思っていた。アメリカ人との対戦であったりという経験は他の人には無い特徴でもあると思うので、そこはその経験を生かしたい。(データの測定は)全日本終わってからまだそんなに経っていなくて体も少しきついが、意外と出たなという感じ。50mの計測タイムも自分の中でこんな速かったのって。ベストではないが、この体の状態で出せたのはすごく良かった。2日目の紅白戦は)雨という状況の中で難しかった部分もあったが、楽しかった。色んな環境でやるのは良い経験にもなるし、自分の中でまあまあな結果を出せたのは良かった。キャッチャーが意外と楽しかった。自分はもうここにきたら外野っていう感じだったが、キャッチャーやったら楽しかった。球を受けたのは早稲田の早川、宮崎産業大の杉尾と亜細亜の内間。(最終日に村上選手が投げたが)直前までずっと緊張していて、昨日も「やばいっす」って言っていた。村上と一緒に代表に入ってジャパンで村上と一緒にバッテリーを組みたい。去年は甲斐野さんと組むのは無かったので今年はちょっと東洋バッテリーで組めたら良いなって思う。(日米野球は福島開催の日もあるが)プレッシャーをかけられました。もうチケット買ったから代表入れよって(笑)。なんとか入って応援してくれる人もいると思うので頑張ります。



・村上(総3=智弁学園)

はじめての代表選抜入り。他大学の選手と交流できたり充実した三日間を過ごせた。 みんなレベルが高いなと。(練習中他の選手とはどんな話を) ふざけあってましたね。(一番きつかったメニューは) ランニングですね。ブルペンでは30球くらいキャッチャーを座らせて投げた。投球の手応えもまあまああった。(東洋大のチームメイトからはどんな声がけを) すれ違った人みんなから「頑張ってこいよ」と。いろんな人の期待があるので裏切らないように頑張りたい。今日の登板は手応えは全然だったけど、結果的に四死球も出さずにヒット1本に抑えられて良かった。コントロールが生命線なのにバラバラになってしまったところが今回満足いかなかった部分。(普段とは違うバッテリーで)かなり違くて困惑したが、自分の投げたいと思う通りに投げることができた。中大の牧に今日打たれたので次はリーグ戦で抑えたいですね(笑)。早大の早川と東海大の山崎はすごい投手だと思った。代表戦でも色んな人に色んなことを聞いて自分のピッチングや成長につなげていきたい。



TEXT=川口朋珠   PHOTO=齋藤胤人、川口朋珠、谷口遥菜