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第103回日本陸上競技選手権大会 FUKUOKA 2019
6月27日(木)~30日(日)福岡市博多の森陸上競技場
男子100m予選
5組(風:-0.4)
2着 宮本 10"45 ※準決勝進出
6組(風:-0.6)
4着 松尾 10"47 ※準決勝進出
男子100m準決勝
2組(風:+0.1)
5着 宮本 10"32
8着 松尾 10"42
男子800m予選
3組
4着 坂本 1'50"97
男子5000m決勝
5位 相澤 13'47"00
男子3000m障害予選
1組
11着 小室 9'27"36
5位入賞を果たしユニバーシアードへ弾みをつけた相澤
宮本はあと1歩決勝には届かなかった
松尾は、自己ベスト更新も悔しさをにじませた
前半から積極的なレースを展開した坂本
日本最高峰の大会ともいえる第103回日本陸上競技選手権大会(以下、日本選手権)に東洋大から5名の選手が出場。中でも男子5000mでは、相澤(済4=学法石川)が日本のトップランナーたちと肩を並べ堂々の5位入賞を果たした。
比較的落ち着いたペースながらも目まぐるしく先頭が入れ替わるレースとなった男子5000m。その中でも、相澤は終始先頭集団の中盤で様子をうかがい、入賞を狙った。「途中きつかったが、後半粘ることができた」という言葉通り積極的なレースを展開。ラスト1周、5位争いに5人が絡む大接戦となったが、最後は相澤が競り勝った。「ユニバーシアードに向けて刺激が入った」と相澤が語るように次の試合に向け好材料となる試合になった。
男子100mには、宮本(法2=洛南)、松尾(総3=神辺旭)の2名が出場。宮本は、予選で先輩、桐生(H29年度法卒=日本生命)に続く2着で難なく予選を突破した。松尾も予選4着となるが、各組の3着以下上位4名に入り準決勝へ駒を進めた。準決勝では、日本記録保持者のサニブラウン(フロリダ大)をはじめ強豪ひしめく顔ぶれの中に宮本、松尾が挑んだ。宮本は、前半やや遅れるも後半に伸びを見せ5着でフィニッシュ。あと1歩決勝進出とはならなかったが「最低限の走りはできたのでもう1段上を目指したい」と宮本はレースを振り返った。7月にユニバーシアードを控える宮本にとって意味のあるレースとなった。松尾は、得意のスタートダッシュで先行するものの後半失速してしまい8着。タイムは10秒42と自己ベストを更新した。それでも「10秒2台を狙っていたから悔しい」と松尾は満足していない。さらなる高みを目指す松尾はこれからも成長を続ける。
800mに出場した坂本(済2=越谷西)は前半から積極的なレースを展開した。1周目までは、先頭の後ろにぴったりつくというイメージ通りのレース運び。しかし、ラスト1周で粘ることが出来ず5着でフィニッシュ。「レースに対する経験の浅さが出た」と坂本は語った。この経験を全日本インカレ(以下、全カレ)へとつなげていく。
日本トップレベルを肌で体感した選手たち。ユニバーシアード、全カレと次なる舞台での奮闘に期待だ。
◼︎コメント
・相澤(済4=学法石川)
(レースを振り返って)5000mに合わせた練習はしていなかったので正直不安はあったが最低限の走りはできたと思う。(入れ替わりの激しいレースだったが)昨年よりは速かったが、比較的落ち着いたペースだった。途中結構きついところはあったが、後半粘れて、ラスト1周で結構離されてしまったが最後の1周までは粘る走りができたと思う。(ユニバーシアードに向けて)ユニバーシアードに向けて走り込んでいる中でのレースだったので、今回しっかり刺激が入ったと思うのでユニバーシアードでは金メダルを目指して頑張りたい。
・松尾(総3=神辺旭)
(予選、準決勝を振り返って)納得いくようなレースではなかったので悔しい。(10秒42での自己ベストだが)10秒2台を狙っていたのでもう少しいいタイムで走れたらなと思う。(課題は)後半で失速する部分が多く見られるので、しっかりそこを修正して次頑張りたい。強豪選手から得られるものはたくさんあった。(次にむけて)ベストを更新して日本のトップレベルに入れるようやっていきたい。
・宮本(法2=洛南)
予選は気楽にいったが、自分の中で体が重いという印象が強かった。桐生さんと同じ組だったが、桐生さんや周りは気にせず走れたと思う。(ユニバーシアードに向けて)膝の状況は良くなっているので、あとは結果を残せたらいいと思う。(具体的な目標は)出るからには決勝で走るというのを目標にやっていきたい。(準決勝はどのような気持ちで臨んだか)自分の持てる力を全てだそうと思い臨んだ。(レースを振り返って)予選が重かったので、しっかりここで修正しようという意識を持っていた。スタートはうまく決まらなかったが、後半は焦ったりせず走ることができた。いいところも悪いところもあったかなと思う。最低限のことはできたがもう1段階上にいきたい。(課題は)全体的な動きがまだまだなので全体的にグレードアップできたらと思う。
・坂本(済2=越谷西)
(レースを振り返って)最初のポジション取りはいつも通り決まって、先頭の後ろにつけたが300mから自分のペースに変えようとしても変えられなかった。川元さん(スズキ浜松AC)は全然上げているように見えなかったが全然抜けなくてずるずるいってしまった。そこからラストが強い瀬戸口さん(山学大)や新安さん(富士通)に負けてしまった。自分の実力を出し切れなかったという前に、レースに対する経験の浅さとかが全部出てしまったと思う。(収穫と課題は)収穫はまだ全国で戦えるレベルまで達していないというのがわかったこと。関東インカレで表彰台に上れなくて、ここで1つでも決勝に残って若手の力を見せようと思ったがまだまだ実力不足だった。(これからに向けて)日本インカレでタイトルを取りたい。日本選手権の決勝に残っている選手たちがそのままライバルになるので、夏合宿を挟んでもう1段階新しい自分を見つけ出せればいいと思う。
TEXT/PHOTO=小島敦希