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侍ジャパン大学代表直前合宿
7月10日(水)~13日(土) バッティングパレス相石ひらつか(12日のみ亜大グラウンド)
稲葉監督を囲み集合する代表メンバー
オープン戦で好投した村上
トスバッティング中の佐藤都
合宿最終日で会見が開かれた(左から、生田監督、明大・森下、筑波大・篠原、佐藤都)
第43回日米大学野球選手権大会(以下、日米野球)に向けた直前合宿が4日間にわたって行われた。東洋大からは選考合宿で選ばれた佐藤都(法4=聖光学院)と村上(総3=智弁学園)が参加。社会人チームとのオープン戦が2試合組まれ、ジャパンのユニフォームを着た佐藤都と村上の東洋バッテリーも組まれた。2戦とも大学代表が勝利し、16日から始まる日米野球に向けて弾みのつく合宿となった。
直前合宿1日目には結団式や守備練習、走塁練習が行われ、2、3日目には社会人チームとのオープン戦が組まれた。東芝と対戦した2日目には東洋バッテリーが実現。佐藤都は四回から八回まで出場したが、2打数無安打に終わる。しかしこの日見せたのは守備。内間(亜大)、村上とバッテリーを組み無安打無失点。村上は七回に味方の失策と死球で1死一、二塁となるも、その後の打者を三振に抑え、八回も三者凡退で切り抜けた。2回5奪三振の好投も「好調はたまたま。もうちょっと球速を出したいけど、自分は球の切れが持ち味なのでそこで勝負していきたい」と話した。その後試合は3―0で大学代表が完封勝利を収めた。
3日目はJR東日本と対戦し、佐藤都は5番・一塁手でスタメン。前日の無安打と裏腹に、この日はバットでアピールする。二回に右翼へソロ本塁打を放つと、五回には右越二塁打も放った。六回からは右翼の守備もこなす。試合は延長11回に柳町(慶大)の左越サヨナラ二塁打で大学代表が5-2で勝利した。
最終日は午前にシートノックやフリーバッティングなどの練習を行い、合宿を終えた。侍ジャパントップチームの稲葉監督が訪れ、「侍ジャパンの誇りを胸に、自覚と責任感を持ってみんなで野球界を引っ張っていくという思いをもってやっていってもらいたい」と激励を受けた。午後には日米野球初戦の地・愛媛県へ移動。14日の広島東洋カープ2軍とのオープン戦ののち、日米野球5試合に挑む。生田監督に「打の中心」と言われた佐藤都だが「今年の打線はつながりがあるのでその流れに乗れるようにチャンスで一本打ちたい」と2回目の日米野球へ意気込んだ。
◼️コメント
・生田監督
選考合宿が終わったあと、学生とスタッフでLINEをつないでいただいて、こういう野球をやりたい、そのためにこういう準備をしてきてほしい、とみんなに伝えた。きちんとみんなが準備をしてきてくれて、スムーズにチームの中に溶け込んで実践の中でも成果があがった。手応え充分です。(目指す野球は)日本チームもアメリカチームも良いピッチャーがたくさんいる。そのピッチャーを打ち崩して勝負するのが理想だが、これまでなかなか調整をしてきたピッチャーを打ち崩すということができなかった。最後にやっぱり役に立つのは、機動力。足をつかう野球で相手のフォーメーションを崩したり。そういう野球がここ一番では役に立つという想定のもとで人選をしたし、そういう野球を目指すよと彼らに注文をだした。(投打の軸は)ピッチャーで言ったら森下君。3大会代表に選ばれて経験も実績も十分なピッチャー。人間的にも信頼感、存在感があるのでチームの中の大黒柱になってくれている。攻撃のほうで言えば、ここにいる佐藤君。本職はキャッチャーだがファースト、外野と3ポジションを守れるし、打ってもクリーンアップを打つ。経験を十分に生かしてくれている。篠原君も高校時代からU18のキャプテンで、自らキャプテンに立候補してくれた。彼らがチームをまとめてくれて、例年にない良いチームになっている。
・佐藤都(法4=聖光学院)
昨年経験をさせてもらってすごく悔しい思いをしたりあと一歩のところで勝ち切れなかったり、1点差ゲームもあった。今大会もそういう1点差のゲームが多くなってくるかと思う。少しでも1点勝っている状態でなるべくミスのないように、アメリカに勝てるように頑張っていきたい。(打の中心として)中心と言われたが、今年のチームを見ていると基本的につながりのある打線だと思っているのでその流れに乗れるようにチャンスで一本打ちたいと思っている。(意気込み)5連勝という目標を持って、一戦一戦絶対に勝つという気持ちを忘れずに戦っていきたい。野手は盗塁タイムだったり50mとかの記録を見たときに、塁間の速い選手がとても多く生田さんの求める機動力を生かした野球にそった選手がすごくそろっているという印象がある。期待に応えられるようにやっていきたい。
・村上(総3=智弁学園)
まずは代表メンバーに選ばれてうれしかった。レベルが高い選手が多くてすぐ置いていかれそうなので常に追いつけるように頑張りたい。平塚での合宿では周りからいろんなことを教えてもらったり、自分の成長につながるようなことができたかなと。JAPANを背負ったからには恥じないような行動をしていきたい。マウンドのときは気負わずいつも通りのピッチングでいきたいと思います。(東芝戦では2回5奪三振でしたが)好調はたまたまですね。もうちょっと球速を出したいけど、自分は球のキレが持ち味なのでそこで勝負していきたいです。起用法については先発が崩れた時にいくっていう形だと思うので、投げる機会は少ないと思いますけど投げるときは頑張りたいですね。稲葉さんから「アメリカと試合することで自分のレベルを知る」という言葉をかけられてそれが印象に残りました。日本代表に選ばれたということはもちろん選ばれなかった人もいるので、その人たちの分もしっかりと頑張りたいです。
TEXT=川口朋珠 PHOTO=川口朋珠、須之内海、谷口遥菜