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2019.07.15
ボクシング

[ボクシング]悲願のリーグ戦初優勝「東洋大学最高です!!」

第72回関東大学ボクシングリーグ戦


7月13日(土) 後楽園ホール


東洋大6-3中大


【LF】○川谷(判定)金谷●

【F】●田村(判定)永田○

【B1】○堤(判定)山本●

【B2】●馬場(判定)松下○

【L1】○木村(RSC)簗●

【L2】○今永(RSC)村野●

【LW】●渡来(判定)冨田○

【W】○田中(判定)五ノ井●

【M】○須永(判定)吉村●


リーグ戦初優勝を飾った東洋大


安定した試合を見せた堤


RSC勝ちをした今永


初めてウェルター級で試合に挑んだ田中


川谷はライトフライ級の階級賞を受賞


最優秀選手賞とライト級の階級賞 2つを受賞した木村



 東洋大ボクシング部に新たな歴史が刻まれた。第72回関東大学ボクシングリーグ戦(以下、リーグ戦)は最終週を迎え、これまでの結果は3勝1敗。今回の対戦相手である中大に勝ち、その後の日大と東農大の試合結果で優勝校が決まるという大接戦のなか、東農大の勝利から東洋大が悲願のリーグ戦初優勝を飾った。


 勝利がチーム2勝分くらいの価値があるというライトフライ級には、川谷(営2=豊国)が登場。1R目から相手の顔にパンチがヒットするなど今回の試合も勝利し、チームに流れをつけた。「今年1番成長した選手なのではないかと思う」と三浦監督は川谷を評価した。次のフライ級を落とすも、バンタム級では今季初出場の堤(営2=習志野)が安定したボクシングを見せ判定勝ちを収めた。


その後2-2でリングに上がったのは今回がリーグ戦最後の試合となるキャプテンの木村(営4=飛龍)。ジャブを確実に何度も相手に決めるなど、圧倒的な力を見せつけ2R目でRSC勝ち。チームを盛り上げ、最後までキャプテンらしい試合展開を繰り広げた。そして今永(営2=王寺工)もストレートが相手に決まり、RSCでの勝利。ライト級の2人がストップ勝ちを収めた。ライトウェルター級で登場した渡来(営3=武相)は個人全勝をかけた試合ではあったが、惜しくも敗戦となった。


ウェルター級で登場したのは、これまでミドル級で戦っていた田中(文3=享栄)。1つ階級を落としての出場は初めてであったものの、これまでと変わらず落ち着いた試合で白星を挙げた。ここで東洋大の勝利が確定。最後に登場したのはミドル級の須永(営1=駿台)。リーグ戦初出場ながら手数も多く、堂々とした試合で見事勝利。貴重な勝ち点1をつかみ取り、チームは6-3で試合を終えた。


東洋大が優勝するには最後の日大と東農大戦の勝敗次第。結果、東農大が勝利し東洋大を含めた3校が4勝1敗と並んだ。「1戦1戦勝ち点を積み上げたことが優勝できた要因」と三浦監督が語るように、5連覇中であった日大とわずか勝ち点1点差で、創部以来初の東洋大リーグ戦優勝が決まった。その後行われた表彰式では、5戦全勝を果たした川谷が階級賞を受賞。同じく全勝の木村は最優秀選手賞と階級賞の2つを受賞した。


創部58年目、悲願のリーグ戦初優勝。この1年チームを引っ張ってきた木村は「このチームでやれて良かった。ボクシング部は家族のような存在」と笑顔でリーグ戦を振り返った。今回の優勝により、12月に行われる全日本大学ボクシング王座決定戦への出場切符を手にした東洋大。大学日本一へ向け、ボクシング部は新たな一歩を踏み出した。



■コメント


・三浦監督

6ー3以上で勝たないといけないというのがあって、そのなかでなんとか部員全員が一丸となって頑張ってくれたので、最低限6ー3という勝ちで終わることができて良かった。ライトフライ級の川谷は4勝していて、この試合に勝てば5戦全勝で階級賞がかかっていた。今年1番成長した選手なんじゃないかなと思う。落ち着いてボクシングをして明白に勝つことができたので非常に良かった。川谷にはスタートなのでこれで悪かったらチーム全体に影響するので、ライトフライの勝ちはチーム2勝分くらいの価値があると言ってやってきたいたので、それができていて良かった。フライ級の田村は、自分のボクシングが上手くできなかった試合になってしまった。もう少し冷静に前後の動きでボクシングを作るということをやってほしいなと思う。バンタム級の堤はこのリーグ戦あまり出られなかったが今日はなんとか出れて、やはり日本代表らしい大人のボクシングを披露することができたと思うし、そういう意味では内容は良かった。馬場はデビュー戦ということもあり、非常に硬かったかなと。力のある選手ではあるが、大学の体にまだなっていないなという気はした。この負けを糧にさらなる努力を積み重ねて成長してほしい。ライト級はこれが引退試合になる木村蓮太朗。このチームは蓮太朗が勢いづけたチームでもあるので、ここはキャプテンらしく、しっかり自分の役目を果たして、プラス応援や練習でも勢いをつけてくれたので、今日だけではないがいい主将としてやってくれたと思う。今永もこのリーグ戦期間中、1回は負けたが安心して見れる試合を常にやってくれたので、成長は感じる。1戦1戦成長しているのではないかなと思う。ライトウェルター級の渡来は4勝無敗で階級賞がかかっていたが、今日は少し後半になるにつれて守りばかり意識しすぎて、攻撃までつなげることができなかったかなと思う。相手も強い選手だが、もう少し攻撃力の幅を増やしてほしいと思う。ミドル級で出ていた田中は、来季のこともありウェルター級に落としての戦いだった。少し減量したが、動き的にはミドルの時とあまり変わらない動きでしっかり勝ってくれたので、5勝目これで決めてチームの勝利を確定させてくれたので良かった。ミドル級は昨年度の高校チャンピオンである須永の初登場で、リラックスして手数もある程度出ていたし、打たせず打つボクシングもやってくれた。まだまだ求めるところは高いが、最低限の6勝ということで最後のミドル級決めきってくれたというのは高く評価できると思う。(今年のチームについて)毎年そうだが東洋の色というのはノリの良さというか、勢いをどう練習から試合にぶつけるかというところなので、そういう意味では今年は蓮太朗がぴったりなキャプテンとして練習からしっかりまとめてくれて、このチームを作ってくれたかなと思う。(リーグ戦初優勝について)まず選手がよく頑張ってくれた。私が指示したことは元気を出して練習するという事だけ。練習からチームに勢いがつき1戦1戦勝ち点を積み上げたことが優勝できた要因だと思う。また、東洋大学ボクシング部OBの皆様、そして東洋大学がバックアップしてくれたことが今回の結果につながりました。心から感謝申し上げます。


・木村(営4=飛龍)

リーグ戦4年間やってきて、本当に最後のリーグ戦だったので、このリングに上がるときの気持ちは今までで1番感慨深いものがあって、自分のなかで感動してしまった。勝ち方もそうだが、試合よりもこのチームで、このメンバーでやれて良かった。そういう気持ちが強い試合だった。最後のリーグ戦だったので、色々思う気持ちはあった。(自身の調子は)今までのなかで1番落ち着いていて、ジャブから組み立てて最後しっかり2R目は倒すことができたので良かった。(今年のチームは)自分が結構自由人なので、自由にやってきてしまったが、メリハリをしっかりつけて出来たと思う。(主将としての1年は)最初は面倒くさいなという気持ちが強かったが、色々とやってみて楽しかった。大変だと思ったことは無かった。(リーグ戦の総括)全勝しっかりして、主将としての役目は果たせたかなと思う。リーグ戦は一生忘れられない思い出になったし、戻れるなら最初の1年まで戻りたいくらい。一生味わうことのできない気持ち。(4年間振り返って)東洋大に入れてもらった三浦監督にものすごく感謝している。最初は色々と合わないこともあったが、こうやって4年間経つと本当に色々な気持ちが込み上げてきている。ボクシング部は家族のような存在です。(リーグ戦初優勝について)初優勝を自分がキャプテンの代で成し遂げられたのは本当にうれしい。この優勝はみんなで勝ち取ったものだと思う。普段から仲良く、逆に仲良しすぎて心配されてましたがその絆が結果に結ばれたと思います。東洋大学最高です!!


・田中(文3=享栄)

初めてウェルター級でやった。先週国体予選と全日予選がミドル級であったので、1週間で5、6㌔落とす形で試合になって試合に挑んだ。減量しているのでミドルの時みたいな元気でパワフルな動きができなかったので、結構悔いは残っている。気楽に戦えてはいたが、減量でスタミナが切れてしまって。本当だったら手数がもっと出せたと思う。(今年のチームは)キャプテンである蓮太朗くんが中心に引っ張っていってくれて、楽しむときは楽しんで、練習するときは練習して、メリハリがすごくしっかりついていたチームだったと思う。(リーグ戦の総括)前回の駒大戦は4ー4で回ってきて自分がラストで勝利を決めることができてうれしかった。それを言うと、日大戦のときも4ー4で回ってきたので勝ちたかった。全体的な結果は5戦4勝1敗だったので、来年はラストになるので全勝できることを目標にして頑張りたい。


・川谷(営2=豊国)

試合内容は良くなかったが、自分は蓮くんに花を持たせたかったので気持ちと自分の役割を果たすというのを意識して頑張った。(対戦相手の印象は)去年対戦したことがあった。すごくやりづらい印象があったので警戒していたがやはり力んでしまった。上手いボクシングが出来なかったので改善していきたい。(全勝だが)素直に嬉しいが試合内容が良くないのでもっと頑張って改善していきたい。次につなげれたのが唯一嬉しい。(今年のチームは)蓮くんがチームを引っ張ってってくれた。いつもよくしてくれたので自分も大好き。あの人がキャプテンだから自分も頑張れた。最高のチーム。(リーグ戦の総括)課題の残る試合内容ではあったが結果としてトップバッターの仕事をしっかりと果たせたというのはちょっと自分なりに自信になった。


・堤(営2=習志野)

選考会で体調不良ということで欠場してしまった。それの挽回というかたちで56㌔級で出場した。コンディションづくりの練習にもなって結構良いコンディションで挑めた。今まで自分が試合に出られなくてチームに迷惑をかけた。チームとして勝てる試合を逃してしまう試合もあった。それが優勝につながる可能性もあったので自分としては不甲斐なかったが木村蓮太朗キャプテンは、自分が高校の時から仲良くさせてもらっていた。いいチームになったのではないかと思って嬉しかった。元気があって活気があって、本当に仲が良くて。総合力も高いですし、全部を通して良いチームだった。応援でも楽しませてもらったのでチームに感謝したい。蓮太朗キャプテン率いるチームの一員として戦えたことが本当に嬉しかった。1戦しか出られなかったが最高の大学リーグになった。


・今永(営2=王寺工)

結果は勝てて良かったが、内容とかは全然まだまだだった。倒そうとしすぎて、力が入りすぎて、全然練習通りの動きができなかった。(練習は)自分の距離でコンパクトにパンチを打って、うまく試合を運んでいくような感じでやろうと思っていた。(今年のチームは)蓮太朗くんがすごい盛り上げてくれて、まとまったチームだった。(リーグ戦の総括)まだまだ、レベルは上がっていけると思うので、来年はもっといい結果で終われたらいいなと思う。


TEXT=岡村珠里 PHOTO=岡村珠里、長枝萌華