Article

記事


2019.07.22
硬式野球

[硬式野球]日米野球で3大会ぶり19回目の優勝!佐藤都、村上も優勝に貢献

第43回日米大学野球選手権大会


日程場所結果
第1戦・7月16日(火)松山・坊っちゃんスタジアム◯日本3-0アメリカ
第2戦・7月17日(水)今治市営球場●日本2-3アメリカ
第3戦・7月19日(金)絆スタジアム●日本0-2アメリカ
第4戦・7月20日(土)ヨーク開成山スタジアム◯日本9-1アメリカ
第5戦・7月21日(日)神宮球場◯日本6-1アメリカ


→日本チームが3大会ぶり19回目の優勝


優勝が決まり、喜ぶ日本代表(第5戦)


地元・福島の球場で声援にガッツポーズで応える佐藤都(第4戦)


村上は2回無失点の好投で勝利投手に(第4戦)


佐藤都はこのチームを「本当の仲間」と話した(第5戦)



第43回日米大学野球選手権(以下、日米野球)が開催され、日本は3勝2敗で3大会ぶりの王座奪還を果たした。東洋大からは佐藤都(法4=聖光学院)と村上(総3=智弁学園)が参加。佐藤都は全5試合にフル出場。村上は第4戦で勝利投手になり、東洋大勢も優勝に貢献した。



   第4戦が行われたのはヨーク開成山球場。佐藤都の地元・福島県の球場で今大会1安打目が飛び出した。5番・一塁手として出場した佐藤都は八回、先頭打者として打席に向かう。バーレソン(米イースト・カロライナ大)の投げた5球目を打ち返し、左前二塁打に。やっと出た安打にほっとした表情でガッツポーズし、球場の温かい拍手に包まれた。試合前セレモニーや打席に入る際の「Toshiya Sato」のコールがかかるたびに球場からはひと際大きな拍手や声援がおき、「自分は福島の人にすごく応援されているんだなと気づかされた」と地元凱旋を振り返った。村上は先発の早川(早大)のあとを継ぎ、五回からマウンドへ。村上の登板のタイミングで雨が強くなったが「いつもと同じ」と2回3奪三振無失点。この試合の勝利投手になった。


   2勝2敗で迎えた神宮球場での優勝決定戦。日本は初回から先制し、先発の森下(明大)は5回無失点で試合をつくる。6番・一塁手で出場した佐藤都は八回に左前打を放ち、3打数1安打。試合は伊藤(苫小牧駒大)が最終回を締め、日本の優勝が決定。マウンドに集まって喜びを分かち合った。


   今大会を通して18打数2安打に終わった佐藤都。「全然駄目だった」と振り返ったが、生田監督が「佐藤都志也くんからちょっと僕らをいじるようなLINE(グループLINE)がきて。意図的にみんなの緊張感をとくためにやってくれたので都志也に感謝です」と話すように、昨年の経験を生かして積極的に声をかけたりとチームの引っ張り役に徹した。村上は今大会を「こういう大舞台での経験というのは貴重なので、この経験をしっかりと生かしたい」と振り返った。来年も日米野球で日の丸を胸にする背番号16の姿に期待がかかる。


   約2万8千人の大学野球プレーヤーの中から選ばれた24人の侍たち。8月26日に高校日本代表との壮行試合が予定され、このチームでの最後の試合となる。





◾️コメント

・生田監督

 まず打てないという前提でこの大会に臨んだ。アメリカチームのピッチャーの映像や資料を集めたときに、やはり150㌔以上のボールを本当に日本人の大学生が打てるのかというところから始めました。そうなったら機動力を使わないと点がとれないということで、前半は機動力を生かしていかに先発ピッチャーに球を投げさせるか。後半は昨日の試合がキーになると思う。アメリカチームの球数規定だとか疲れてきた投手陣をどうやって攻略していくかってなったときに積極的に思い切って打っていこうと昨日の試合から言ってきたのを選手たちが忠実にやってくれたのが勝因。投手陣が失点を計算できるのでこれぐらいで抑えてくれるだろうと。野村コーチには本当に無理を言って防御率を0点台に抑えてくれたらなんとか1点とる。そういう計算のもとでどんどん攻めていこうと昨日の試合から攻撃に方向転換した。終わってみるとエラーで点は取られましたが投手の防御率は見事0点台に収まってるので計算通り。まず選考合宿で代表が決まって監督コーチ陣でこういうチーム作りをするということをきちんと決めた上で、自分たちスタッフがやりたい野球を去年の反省も含めて学生にLINEを流しました。それで疑問や不安がある選手は質問してきたり。チームスタイルとか前もってこういう風に戦うよっていうのを話をしたから集まった瞬間から明るいチームになりました。佐藤都志也くんからちょっと僕らをいじるようなLINEがきてたんですけど、それは学生が去年のスタッフのことをわからないので。それは意図的にみんなの緊張感をとくためにやってくれたので都志也に感謝です(笑)。それと勝っても負けても成功しても失敗しても選手はベンチの中でノートにメモを取っていました。そういうことが5戦戦う中で反省や課題を見つけて準備をできたと。今までの野球は指導者の方が自分の目で見て評価をした投手であったりバッターを選んでいたと思うんですけども。今は技術が発展してバットのヘッドスピードであったりピッチャーのボールであったり全て数字で出せる時代。他の競技では標準記録があるがなぜ野球はないのかといつも疑問に思っていた。自分たちの目測でこのピッチャー速いなと目で見た感じと、筑波大の川村先生に測定をしていただいた。150㌔=速いではなくて145㌔でもスピン率とか全てを科学で証明できるようになった。それを2年間かけて数字で表してくださいと川村先生に頼んだ。細かい機動力を含めて今回の日米では戦う前から勝算ありで臨んだので、こういうことが証明できたことは今後の野球界の発展に大いにつながると確信している。


・佐藤都(法4=聖光学院)

全然駄目ですね。今回良い当たりは出ても相手の正面だったので。チームに迷惑かけました。(第1、2戦は4番で)4番という重圧もあって、計らいで5番とか6番を打たせてもらいましたけど。でも経験はしているほうなので打てない分はチームを引っ張る方に徹してやっていたので外さないでつかってくれたというのもありますし、毎回ベンチから「都志也~ああしろ周りに声をかけろ」って風に言ってくれていたのでそれが自分の中での今回の仕事だと思っていた。結果はそのあとついてくると思いながらやっていたのでそれは良かったかなと思う。(背番号7は)外野手だと思っていたらまさかのファーストで(笑)。3戦目だけ外野をやって、タッチアップを刺したんですけどそのあとのライト前で捕殺できなかったので駄目です。まだまだ。(ファーストのグローブは)古川(上武大)のです。せっかくキャッチャーミットと外野は持ってきたのにまさかのファーストっていう。想定していなかったです。でもそれが自分の強みなのでしょうがない。(福島では応援がすごかったが)やばかったですね。応援されてるなあと思いました。福島の代表として、大会初ヒットが福島で出て良かった。ほっとしている。観客の方が自分が打席に入る度にすごい歓声を上げてくれたので自分は福島の人にすごく応援されているんだなと気づかされたしすごくうれしかった。慣れている球場でもあるのですごくやりやすかったし、一球一球すごく歓声も聞こえた。ホームグラウンドというイメージでプレーすることができた。(このメンバーは)もう本当の仲間ですね。寄せ集めで集まってきたが最初から一致団結というかすごく仲良くてやりやすかった。(またチームに戻って)良いものチームに持ち帰って、リーグ戦に生かせれば良いなと思う。


・村上(総3=智弁学園)

日本代表を通して、楽しんで過ごすことができたのがまずは良かったです。登板自体は福島の1回。普段と違って難しさはありましたが、0で抑えられて良かったです。ボールは今回日本の球なんじゃないですかね。分からないですけど。違うところと言ったら少しだけ国際球に寄せて縫い目が低かった印象はあります。でも、そんなに違和感なくやれました。(第4戦では勝ち投手にもなりました)そうですよ大活躍でしょ(笑)。みんなが投げている中、自分は何もできていなかったので投げれてうれしかった。全体的にストライク入ったので良かった。こういう大舞台での経験というのは貴重なので、この経験をしっかりと生かすのは当たり前なんですけど秋もチームの力で優勝を目指したいですね。(打者は本当に頼むからちゃんと点を取って欲しいです。分かりやすいようにカッコ書きとかにして最後のところに長々と書いておいてください)




TEXT=川口朋珠   PHOTO=川口朋珠、谷口遥菜