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水泳部 インカレ直前連続特集④ 中野未夢
9月6日~8日に学生日本一を決める第95回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が東京辰巳国際水泳場で行われます。それに際し、インカレ開幕日まで注目選手のコラムをカウントダウンでお届け!4回目は毎年インカレで爆発間違いなしの中野未夢選手です!
今年の東洋大のスローガンは「鉄魂(てっこん)~We get to win~」。東洋大カラーである鉄紺とかけた「鉄魂」と、3年ぶりとなる女子総合優勝に向けた「勝利をつかむ」という言葉が入っています。男子総合5位以上も狙う「鉄魂スイマー」たちは熱戦を繰り広げること間違いなし!
中学生の時から東洋大に入りたいと思っていた中野は、インカレで毎年表彰台に上りチームに大きく貢献してきた。とりわけ昨年は日本代表として活躍する選手を抑え200mバタフライで2連覇を達成し、中野自身も心に残っているという。
誰もが認める“夏女”だが、中野自身は「勝つことに意味がある」とクールな回答。しかし、調子が上がることに関しては中野も疑問を持っていたようで、今年になってついにその理由を調査。夏女の所以を教えてくれた。
また、最後のインカレについて「最上級生として、前年度王者としての責任感とで、精神的にはちょっと厳しい」と難しい表情も見せたが、後輩の竹村(国1=近大付)と表彰台を目指し「東洋はバタフライが強いというのを見せつけられたら」と力強く語った。夏に愛される中野の活躍に今年も目が離せない。
――4年間で一番思い出に残っていることは何ですか
昨年のインカレの2連覇ですかね。正直自分も狙っていなかったし、周りもきっと優勝するとは思っていなかったと思うので、それは結構心に残っています。
――日本代表で活躍する長谷川選手(日大)や牧野選手(早大)を抑えての優勝でした
昨年は狙うとしたら3番と思って泳いでいて、決勝泳いで100mをターンした時になんか勝てると自分の中で思っちゃったんですよね。ターンして「あ、これ勝った」って思ったので、勝つレースができたのかなって思います。だから今年勝つためにはそういう勝ちにこだわったレースをしなきゃいけないなとは思うんですけど、やっぱりどうしてもタイムを狙ってしまう部分があるので、練習していて納得いかないということはあります。でも最後なので自分のレースができたらいいなと思います。
――東洋大に入学した理由を教えて下さい
平井先生に声をかけていただいたことがきっかけで。3つ上の青木玲緒樹さん(H28年度営卒=ミズノ)と私が中学2年生の時から知り合いで、玲緒樹さんが東洋に入ったときに何も考えずに私も東洋入りたいですって言ったのが一番初めです。きっかけは平井先生なんですけど、なんとなく中学生の時から東洋に入りたいと思ってました。あとは星奈津美さんがこちらで練習していたので一緒に練習したいなみたいなのがありました。
――東洋大水泳部で良かったなと思うことはありますか
他の大学に比べて上下関係がそんなに厳しくないなっていうイメージがあって、みんな和気藹々(わきあいあい)としているのが良かったなって思いますね。
――合宿はいかがでしたか
夏の合宿が結構好きで、毎年合宿になると調子が上がってくるので、毎年違う感じなんですけど、今年は最上級生として後輩の話を聞くこともできたし、逆に後輩からパワーをもらえたし、新鮮な感じで楽しめました。今、先生によってチームに別れているんですけど合同練習が一回あって、その時はきつい中でもみんな声出して頑張れたなって思います。
――合宿で何か得られたことはありますか
普段女子寮は1人部屋なんですけど、合宿では4人部屋であまり話さない子とかと同じ部屋になってお互いのことをもっと知れたと思うし、男女の仲も良くなったと思います。今年は女子総合優勝を目指しているけど、男子も女子総合優勝するためにみんな一緒に頑張っているっていうのは感じられましたね。
――夏女と言われていることに関してはどう思っていますか
勝てればいいかなって。周りがどう思っていようが、勝つことに意味があると思うので。自分は夏に恵まれているのかなって軽い気持ちで泳いでいます。
――何故か夏になると調子が良くなる?
調べたんですよね(笑)。夏になると調子上がってくるし合宿終わってから調子上がってくるし「なんでだろう」と思って。中学、高校とずっと全中(全国中学体育大会)とかインハイ(全国高等学校総合体育大会)の前に合宿をやっていて、それが屋外だったんですけど、もしかしたら日焼けすることに意味があるんじゃないかと思って日焼けで調べたんですよ(笑)。そしたらメラトニンっていう物質が、日焼けをすることによって分泌されるらしくて。そのメラトニンっていうのが、幸福物質らしいんですよ(笑)。その幸福物質をたくさん分泌しているから調子が上がってくるんだと思います(笑)。それは私も今年知りました(笑)。
――最近の調子はいかがですか
悪くはないと思うんですけど、去年連覇したから今年も連覇しなきゃいけないっていう気持ちが出てきて、最上級生としての責任感と前年度王者っていう責任感とで、精神的にはちょっと厳しい日が続いていますね。
――最後のインカレですが、今までと比べて気持ちに変化はありますか
毎年4年生が今年のインカレは思いが違うというのを聞いていて、自分はそういうのが想像できなかったんですけど、やっぱり合宿終わってみてからなんかこれで最後で、同期と泳ぐのもこれで最後なんだとか、このプールに来ることもないんだとか思うと寂しい気持ちになります。
――女子バタフライのメンバーは藪さん(H30年度営卒)が抜けて、竹村さん(国1=近大付)が加わりました
片山(社4=墨田川)は100mだけですけど、200mで(藪)美涼さんと1年生の時からA決に残っていて、1、2年の時はワンツー取っているので、(竹村)花梨が入ったことによって、美涼さんがいなくなった穴は埋められているし、それ以上のものを彼女は持っているのかなって思います。今年2人でワンツー狙うっていうのは厳しい目標かもしれないんですけど、彼女もこの前公言してくれたので、2人で表彰台目指して頑張りたい。東洋はバタフライが強いというのを見せつけられたらと思います。
――昨年は担当のマネージャーさんの引退もありましたが今年は
同期の三好が新しくついてくれて。彼はもともと選手で昨年引退という形でマネージャーにあがってくれて、きっとこの大学に入った以上選手として続けて選手で引退したかったと思うんですけど、彼がマネージャーになってくれたことですごく心の支えになっているなとは思います。今年は彼のためにもメダルをかけてあげたいなと思います。
――インカレについて4年生で何か話したりしますか
1年の時に総合優勝を経験して、それ以来していなくて私たちが総合優勝を経験している最後の年なので、それを後輩たちに伝えられたらいいねっていう話はずっとしていて。正直私たちの学年には絶対的な点数源とかはいないと思うんですよ。だからみんなが少しずつ点数を取ることで大きな力になると思うので、取りこぼさないように。それで、周りがもしだめだったとしてもそれをサポートするとか、最上級生として周りを思いやることと点数をちゃんと取ることはしていこうっていう話はしました。
――リレーと個人のレースに違いはありますか
メドレーリレーがある日が100mバタフライなんですよ。だから最高で100mのバタフライを4本泳がなきゃいけなくて。3年間やってきましたけど、正直飽きるなって思います(笑)。去年は1本目から4本目でだんだん上げられたので、今年も上げられたらなと。今年でリレーは最後なので、仲間がいるって思うと頑張れますね。
――レース前に緊張したりしますか
緊張します。よく言うんですけど内臓が口から飛び出そうなくらい。
――どのように乗り越えていますか
乗り越えられないです(笑)。天を仰いだり深呼吸したり。でも緊張している時は緊張しているっていうのをいろんな人に言った方が解けるって聞いたことがあるので、いろんな人に緊張を移しています(笑)。多分きっとこの先輩迷惑って思われているかもしれないけどいろんな人に(笑)。でもやっぱマネージャーに言いますね。本当に緊張しているって。
――今力を入れている練習はありますか
レース水着を着てやる練習はレースを想定してやるっていうこととか、スタートとかターンで基本的なことなんですけどフライングをしないとか片手をしないとかは意識するようにはなりました。あとは、自分はキックが得意なのでそのキックを残りの日数でいかに磨けるかが勝負だと思っています。
――最後にインカレの目標と意気込みをお願いします!
目標は3連覇することです。今年も代表に入っているメンバーがそろっていて厳しいと思うし私も今の状況だと厳しいと思っていて。今年も毎年のことながら4月は調子悪かったので、みんな期待していないと思うんですけど、最後まで自分を信じて頑張りたいと思います。
◆中野未夢(なかの・みゆ)
学部・学科・学年/文学部・教育学科・4年
出身高校/長岡大手
身長/161cm
生年月日/H9・10・13
血液型/A型
好きな食べ物/オムライス
エントリー種目/100mバタフライ、200mバタフライ
TEXT=吉留奈津