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水泳部 インカレ直前連続特集⑤ 中村海渡
9月6日~8日に学生日本一を決める第95回日本学生選手権水泳競技大会(以下、インカレ)が東京辰巳国際水泳場で行われます。それに際し、インカレ開幕日まで注目選手のコラムをカウントダウンでお届け!5日目は今年世界の舞台を経験し、チームを引っ張る存在の中村海渡選手です!
今年の東洋大のスローガンは「鉄魂(てっこん)~We get to win~」。東洋大カラーである鉄紺とかけた「鉄魂」と、3年ぶりとなる女子総合優勝に向けた「勝利をつかむ」という言葉が入っています。男子総合5位以上も狙う「鉄魂スイマー」たちは熱戦を繰り広げること間違いなし!
4月に行われた日本選手権の200m自由形でベストタイムを更新し決勝に進出。すると、目標としていた第30回ユニバーシアード競技大会(以下、ユニバーシアード)出場も果たし波に乗っている中村。自分の泳ぎを分析し、他の人の泳ぎを見て吸収するなど小さな積み重ねがベストタイムを出せている要因と語る。最近は自分だけでなく後輩の面倒を見るなど、水泳に取り組む余裕をもてることで水泳が楽しいと笑顔をみせた。苦手な持久力の強化を行い、インカレに向けてさらに調子は上がっている。昨年は200m自由形で初のA決勝進出を決めたが、最後のインカレで優勝を目指す。さらに1年時から4回目の出場となる4×200mリレー(以下、8継)では表彰台を狙いこれまでの集大成を見せる。
――最近の調子はいかがですか
去年のインカレが終わってから、日本選手権に向けてユニバーシアードの代表になるって決めてその中でしんどい時期はありました。日本選手権でうまくいってから今まで1度体調を崩してしまいましたが上がり調子できています。
――しんどい時期というのは精神的な面でしょうか
泳ぎがうまくかみ合わなくて。自己ベストより少し遅いタイムが試合でも続いて精神的にもきつくなった時期がありました。
――日本選手権での決勝進出やユニバーシアード出場といった大舞台の経験はどうでしたか
高校までも代表経験というのは1度もなくて、大学に入り成績が伸びてきていつかは代表になると決めていました。夢の舞台という感じで日本代表の人と過ごすことによって、トップスイマーの方が普段どんなことをしているのかを知ることができましたし、日本と世界との差を間近で感じることができました。まだまだ足りないことはありますし、今後目指していくオリンピックに向けて大事な試合になったのではないかと思います。
――インカレに向けて強化してきた部分を教えてください
自分は持久力系が苦手だったのでもともと持っているスピードを生かしてスピード持久力をつけるために、すべての練習をコンスタントにいい練習ができるように頑張りました。
――合宿での成果を教えてください
最近はいい意味で水泳に取り組む余裕ができて、自分だけの水泳にならずに後輩の面倒も見ることができていて、そういう面も余裕になっていて、合宿でも水泳を楽しめているなと思いました。
――合宿は大変でしたか
...(笑)。そんなに大変ではなかったです。新潟県の方に良くしていただいて、僕たちも泳ぎやすい環境だったので大変ではなかったですね。楽しかったです。泳ぎがメインで去年までは平井先生のチームで泳いでいたんですけど、田垣先生はどちらかというと200、400mをメインにしています。自分はそっちが苦手なのでそれを強化できたのはいい方向に向かっているのではないかと思います。
――4年生になって気持ちや意識に変化はありますか
入学時は全然速くなくて、1年目のインカレで200m自由形でなんとかB決勝に進出することができたんですけど、毎年自己ベストも更新できて、去年は初めてA決勝に残れて7位でした。去年決めた目標は来年は絶対に表彰台に上ることで、やっぱり後輩にもかっこいい姿を見せたいですし、日本選手権で自分が思っている以上のタイムが出たのでそれ以降はやるからには優勝目指してやろうという気持ちです。
――リレーについてですが、1年生のときの8継は未だ印象深いですか
そうですね。大学選びをするときに決めたことがリレーで活躍したいということが第一だったのでその種目で1年目に負けたことは今でも覚えていますし、あのときの悔しさがあるから今頑張れているのではないかなと思います。
――集大成となる今年の8継への気持ちを教えてください
まだ泳順は決まっていなくて、たぶん1泳か4泳になると思うんですけど(笑)。両方大事なので1泳だった場合は1番で帰ってきて、4泳だった場合は優勝できるほどの持ちタイムではないですが、みんなで表彰台を目指してやっているので他の大学を抜いてなんとか3位に食い込めるようにしたいと思います。
――最上級生で後輩に教える立場になってどうですか
クラブにいたときも年下が多かった方なのでそういうのは結構慣れていて、後輩に教えるのも仲良くするのも楽しいです。
――大学生になってから成長したなと思うところはありますか
高校生までは練習をこなすのに精一杯だったのですが、大学に入ってからは自分の泳ぎを分析して、他の人の泳ぎを見て吸収したり、普段の練習から泳ぐだけではなくて泳ぎ方を意識したり、小さいことの積み重ねが自己ベストが出続けていることがいいところなのではと思います。
――大学の方が練習は大変ではないですか
1、2年目は授業があったので正直めちゃくちゃしんどくて、最初の半年で10回くらい体調を崩しました。単位は全部取れているので3年目からは授業が減ってきて、高校のときの合宿がずっと続いているみたいな感じで水泳に集中できる環境があるので高校のときよりは余裕があります。
――最後に、インカレでの目標を教えてください
チームの目標は掲げているとおり、男子総合5位を目指してやっています。そのためには絶対優勝するであろうという人が年々減ってきているので、ここで自分がしっかり優勝してチームに勢いをつけられたら総合5位はついてくるんじゃないかと思うので自分の目標である100mで表彰台、200mで優勝して、リレーでも400mフリーリレーが1番狙いにくい種目ですけど3つとも表彰台に上れるように頑張りたいと思います。
◆中村海渡(なかむら・かいと)
学部・学科・学年/文学部・英語コミュニケーション学科・4年
出身校/比叡山高校
身長・体重/183cm・80kg
生年月日/H9・9・14
血液型/A型
好きな食べ物/焼肉
エントリー種目/100m自由形、200m自由形
TEXT=伊藤なぎさ